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セルフ・キャリアドックとは|誕生の背景やメリット、注目の理由を紹介

公開日2022/04/12 更新日2022/04/13

「セルフ・キャリアドック」と呼ばれる制度が注目を集めています。これは従業員がキャリア開発・構築を主体的に実践していく支援を、企業が促進する取り組みのことです。

近年、グローバル化やIT化が加速する中で、自律型人材の育成が重視されています。周りの変化に対応するだけでなく、自らが変化を起こせる人材を創出できるかが、企業にとっての課題となっています。

そこで、キャリアコンサルタントとの面談などを通してキャリア形成をするセルフ・キャリアドックに目を向けられているのです。今回は、この取り組みをテーマに、基本的な定義や導入背景、メリット、企業の事例を紹介していきます。

セルフ・キャリアドックとは

セルフ・キャリアドックとは、一体どんな取り組みなのでしょうか。厚生労働省が発表しているセルフ・キャリアドック導入の方針と展開では、以下のように定義されています。

「企業がその人材育成ビジョン・方針に基づき、キャリアコンサルティング面談と多様なキャリア研修などを組み合わせて、体系的・定期的に従業員の支援を実施し、従業員の主体的なキャリア形成を促進・支援する総合的な取り組み、また、そのための企業内の「仕組み」のことです」

(引用:「セルフ・キャリアドック」導入の方針と展開|厚生労働省

この資料の副題に「従業員の活力を引き出し、企業の成長へとつなげるため」と記されているとおり、組織で働いている従業員一人ひとりが中長期的な視点でキャリアプランを設計して、その実現をするための支援を企業が行います。そして、従業員のステップアップと事業の発展へと導いていく活動全般をセルフ・キャリアドックと呼びます。取り組みを開始するためには、必要書類を都道府県労働局に提出・申請をして、許認可を受けなければなりません。

セルフ・キャリアドックのドックは、人間ドックのそれと同じ意味があります。すなわち定期的に病院や健診センターなどで健康診断を受けるのと同じように、従業員がキャリアカウンセリングという人生や仕事に関する定期検診を受けることです。

具体的には、キャリアプランや職業能力をまとめたジョブ・カードと呼ばれるツールを、キャリアコンサルタントや技能検定キャリアコンサルティング職種(1級・2級)保持者との面談を通して完成させます。

定期健診とあるように、セルフ・キャリアドックは定期的に受けるものですが、年齢や役職、勤続年数によって実施するタイミングはさまざまです。例えば、新入社員・中途採用人材の入社時や役職者への登用時、出産・育児など長期休業からの復職時などが挙げられます。

セルフ・キャリアドックが誕生した背景

セルフ・キャリアドックが創設されたのは、2015年6月に実施された第7回産業競争力会議課題別会合でのことです。この会合では、アベノミクスの第二ステージとして生産性の向上が政策の中心に置かれ、「日本再興戦略改訂 2015」に取り組みがまとめられています。

日本の産業競争力を強化する一環として、未来を支える人材力強化のためのセルフ・キャリアドックの整備に関して記載されており、ここから本格的なキャリア形成の支援が開始されました。

さらに2016年には、職業能力開発促進法が改正・施行されました。従業員にキャリアプランの設計や職能開発に関する自己責任を課したり、従業員が自らキャリアプランの構築・形成を行うための支援を義務化としたりなど、積極的な改正を実施したのです。

また、セルフ・キャリアドックがキャリア形成促進助成金の支給対象制度なり、キャリアコンサルタントの国家資格化がスタートするなど、本格的な普及活動が実施されていきます。

なぜセルフ・キャリアドックは注目されているのか?

このような展開の理由は、新型コロナウイルスが感染拡大する以前からあった、グローバル化やIT化・DX化の流れがあります。現代は変化が激しく、先の見通しができない時代です。今までの価値観やビジネスの常識が通用しない状況で、企業は勝ち残っていかなければなりません。その中で企業にキャリアを委ねるのではなく、どんな変化にも対応して、成長できる自律型人材が求められるようになりました。

さまざまな企業からセルフ・キャリアドックが支持されているのですが、その理由の一部として以下のメリットが挙げられます。

・従業員の仕事に対するモチベーション向上

・新入社員・中途社員の離職率の低下

・出産・育児・介護休業者の復帰支援

・企業における生産性の向上や競争力の強化

働き方が多様化する中で、従業員・企業どちらも恩恵を得られる取り組みがセルフ・キャリアドックといえます。

セルフ・キャリアドックの導入事例

セルフ・キャリアドックの導入事例を紹介します。

A社は若手社員・中途採用者の定着率の低下、メンタル不調者の増加などの問題を抱えていました。新入社員や中堅社員、管理職など階層別にキャリアについて考える研修や、希望者限定でキャリアコンサルティング面談を実施したところ、「今後の整理や方向性が見えた」「有益な情報を得られた」などの良い成果が上がっています。

またB社では、今後のキャリアについて悩む従業員が多いという課題を抱えていました。中長期のキャリアプランをイメージして、モチベーションの維持やスキルアップを図るべく、キャリアコンサルティング面談を実施したところ、100%の満足度や有用性などを確認できました。今後は、通年のキャリア相談窓口の運用を開始する予定のようです。

まとめ

今回紹介した企業以外にも、セルフ・キャリアドックの導入事例として、成功したケースはありますが、まだまだ浸透はしていません。従業員が数十名規模の中小企業から数千人クラスの大企業まで企業の規模を問わず、セルフ・キャリアドックは有効な施策です。

実施をする場合は導入の目的を明確にして、日常的な業務に支障をきたさないよう、また強制ではなく自主的に参加してもらえるような工夫をしなければなりません。企業にとっても従業員にとっても成長が期待できるセルフ・キャリアドックを検討してみはいかがでしょうか。

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