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会社員となった以上、まず目指すのは課長や部長といった管理職ポストかと思いきや、20代の若手社員は、それほど管理職というポストに魅力を感じてはいないようです。
株式会社学情が20代のビジネスパーソンに実施した「目指したい役職・ポジション」に関するアンケート調査によると、管理職になりたい派は、“どちらかと言えば”も含めても37.8%(男性:42.2%、女性:31.6%)と、4割にも届いていないことが判明しました。
一方、管理職になりたくない派は、“どちらかと言えば”を合わせても34.5%ですから、管理職になりたい派の方が、わずかながら上回っています。
では、20代のビジネスパーソンが目指す役職・ポジションですが、トップは「主任・係長」の44.5%です。いまどきの20代は、マネジメント業務よりもスキルを磨いて専門職としてキャリアを形成していきたい、という意向が強いようです。
管理職を目指す派の理由も見ていきましょう。「裁量を持って働きたい」、「社会や組織に貢献していくために、より責任のある立場で仕事をしたい」、「キャリアアップを目指すことは、働く上でのモチベーションにもなる」などが寄せられています。
この調査結果を見る限り、20代は出世競争にはそれほど興味がないように思えます。しかし、最初のステップとして、まずは主任や係長ポストに就き、一つずつポストを上げて、いずれは管理職に就きたい、といった声も寄せられていました。
若手は自分の実力以上に仕事の能力を高く評価しがちですが、意外にも、一歩ずつ堅実にキャリアを積み重ねていこうというのが令和の20代の姿のようです。
では、まったく上昇志向がないのかと言えば、そうでもなさそうです。割合こそ少ないものの、「主任・係長」に次ぐ目指すポストは「役員」が19.1%、「課長」が17.2%で、もっとも少なかったのが「社長」の7.2%です。
ところで、ビジネスパーソンが出世競争にしのぎを削ってきたのは、終身雇用という日本独特の雇用システムがあったからかもしれません。ポストに応じて賃金も上がりますから、少しでも収入を増やそうと思えば、一つでも上のポストを目指すことになります。
しかし、ポストの数は限られていますから、当然、同期入社組とはポストを奪い合うことになります。そのためには、残業も休日出勤も厭わず、家族やプライベートを犠牲にしてまで仕事に取り組むことが求められてきました。
そんな働き方は、いまやNGとなり、終身雇用も年功序列の賃金体系も、いまや崩れつつあります。となれば、出世競争に明け暮れるよりも、むしろワークライフバランスを重視する働き方にシフトしていくことになるのも自然の流れかもしれません。
働き方改革やワークライフバランスが重視されるなかでは、責任が重くなる管理職よりも、専門性を高めることの方が、ビジネスパーソンにはより魅力的に映っていることが、この調査結果からうかがえます。
専門性のあるスキルを身につければ、より好条件の会社へ移ることも容易となります。しかし、それは企業にとってマイナスです。専門スキルを有する優秀な人材の流出を防ぐためには、マネジメント以外のキャリアパスを用意することも求められてくるのではないでしょうか。
今の20代には、同僚を追い落としてでも上のポストを目指そうと出世競争にしのぎを削る姿は、あまり受け入れられないかもしれません。でも、それが企業の成長の原動力にもなっていたことも事実です。令和の時代の、企業の成長の原動力とは、どのようなものとなるのでしょうか。
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