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DX推進が日本経済活性化には欠かせないとされていますが、なかなか進んでいないのが現状です。とくに中小企業では、IT人材や資金の不足などから推進したくてもできない事情もあるようです。中小企業庁が支援に取り組んでいるため、その内容を簡潔にまとめてみました。
中小企業庁は「2025年までに官民連携を行い中小企業の成長をサポートする世界を作る」という“DXビジョン”をベースに、さまざまな角度から中小企業のDX推進を支援しています。
その支援の中身とは、中小企業庁の政策に沿って金融機関や商工会、商工会議所などの公的機関を通じて給付金や補助金などを支給する、資金面でのサポートが主なものです。
中小企業のDXがなかなか進まない大きな要因の一つが資金の問題のため、給付金や補助金でのサポートはDX推進を促す起爆剤となるはずです。
ところが、「利用者が限定的」「使いにくい」「政策効果がわからない」といった声も、中小企業からは寄せられています。この課題解消に向けて中小企業庁が目指しているのが、「公的機関と民間企業が情報連携しながら中小企業の成長をサポートする世界を作りあげる」ということです。
では、中小企業庁が目指す「公的機関と民間企業が情報連携しながら中小企業の成長をサポートする世界」によって、どのようなことが期待されるのでしょうか。
まず、限定的だった利用者が拡大すること、利便性の向上、さらにDX推進による効果測定とエビデンスに基づいた政策立案にも期待が持てるようになるのではないでしょうか。
それに向けて中小企業庁では、2021年度から「APIエコノミー」「オープンデータの提供」「マッチングの場の提供」などの環境整備に取り組んでいます。では、それぞれの具体的な取り組み内容を見ていきましょう。
まず、「APIエコノミー」は、事業者が官民データやサービスをスムーズに利用できるように、APIを通じて有機的に連携する仕組みをつくる取り組みです。
DX推進による効果は、単にIT機器やシステムを導入するだけでは得られません。収集した豊富なデータを利活用することがカギとなります。そのためには、「オープンデータの提供」による、新しいビジネスを創出する仕組みづくりが重要となります。
せっかく将来有望な新しいビジネスを創出しても、創業したばかりの小規模企業単独での事業展開には限界があります。ましてやグローバル展開するためには、資金も人材ネットワークも必要です。そのため、スタートアップが行政や公的機関、支援事業者などと交流できる「マッチングの場の提供」にも取り組んでいます。
民間企業とのワークショップやヒヤリングを重ねながら、こうした仕組みづくりに取り組んでいる点が、これまでの支援策とは一味違い期待が持てそうです。
経済産業省が「DXレポート」(2018年発表)で、 “DX推進に取り組まなければ、2025年以降、年間12兆円の経済損失が生じる”と警鐘を鳴らした、いわゆる「2025年問題」も目前です。今こそ、DX推進に真剣に取り組む時期ではないでしょうか。
コロナ禍によって働き方も企業のあり方も、大きく変わろうとしています。DXが進まない理由はさまざまありますが、価値観さえも地殻変動のように変わろうとしている今、まさにDX推進に取り組む、絶好の機会ととらえることもできるのではないでしょうか。
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