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10月1日から、2023年春に入社予定の学生などを対象にした、企業の採用内定式が始まりました。前年までは新型コロナウィルス問題を受けて、オンラインでの内定式が中心でしたが、今回は全体の6割が対面形式の内定式に参加したということです。
目次【本記事の内容】
2020年と2021年は、新型コロナウィルス問題の影響により、多くの企業がオンライン形式での内定式を実施しました。しかし今回は事情が変わり、オンライン形式の内定式を対面形式の内定式が上回る結果になりました。
主要企業では対面とオンラインを併用する形が多く、会社への帰属意識を高める上でも、対面による内定式が望ましいと考える企業側の狙いもあったようです。また参加者側からは、実際に一緒に働くことになる同期と顔を合わせることができ、安心すると同時に仕事に就く実感がわいたという意見もありました。
国内のある人材情報サービス大手は、2023年春に就職予定の大学生に対して「大学生活動実態調査」*を行いました。その概要をここで紹介しましょう。
●2023年卒業生の内定状況
調査によると10月10日時点での内定率は、前年比2.4%増の89.6%で、内定保有社数の平均は2.4社でした。年間を通じて内定率は高い状態で推移しており、企業の人材採用意欲が高まっていることが分かります。
●内定式の参加形式
内定式への参加者に対する参加形式の質問では、およそ60%が対面形式と答えており、オンライン形式と答えたのは前年から大幅に減少して、全体の約30%という結果になりました。
実は内定者に対する企業のフォローも、対面での実施が前年よりも増えていて、その傾向が内定式にも反映されていると考えられます。
●対面型内定式への参加者の感想
対面での内定式に参加した学生に、その感想を聞いたところ、回答の数が多かったのは以下のような順位になりました。
1.同期と会えてよかった(約76%)
2.会社で働く実感がわいた(約59%)
3.人事担当者や先輩社員と会えてよかった(約43%)
4.会社に訪問できてよかった(約24%)
5.不安が軽減された(約17%)
それぞれの項目は、いずれも前年より回答の割合が大幅に伸びており、オンラインよりも対面形式で内定式に参加できたことが反映されていると考えられます。
その一方で、もっと人数と属性を絞ってグループ分けを行うなど、参加者の視点を踏まえた開催方法を工夫してほしいというような要望もありました。
今回の内定式で、ある大手企業は、仮想空間「メタバース」を会場にするという新たな試みを行いました。
参加者は自身の分身であるアバターとして、仮想空間内にオンラインで出席するという仕組みです。
単なるオンライン会議とは異なり、お互いの感情や動きを把握しやすいという意見が、企業側からも参加者側からも出されたそうです。
就職先が決まった学生にとって内定式は、自分が所属することになる組織を知り、同期で入社する仲間たちと出会う最初の重要なステップです。ここ数年オンラインでの開催が中心でしたが、対面形式の内定式が復活したことで、また一歩コロナ前の社会に戻ったのではないでしょうか。
【調査概要】
「マイナビ 2023年卒大学生活動実態調査(10月中旬)」
調査期間 2022年10月10日~10月14日
調査対象 マイナビ2023会員のうち「2023年春」に卒業予定の大学生・大学院生
調査方法 マイナビ2023会員にメール告知・WEBフォームにて回答
有効回答数 のべ2,164名
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