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厚生労働省は、前期高齢者(65〜74歳)の医療費について、納付金の負担構造の見直しを検討しています。具体的に変えるのは計算方法で、「加入者数」ではなく「賃金」を元に、納付金を算出するとのことです。
これにより、大企業の社員らが加入している健康保険組合の負担が増すとみられています。「実質、大企業社員のみ保険料引き上げ」という形になり、反発も予想されるでしょう。今回は、医療費や保険組合について、詳しく解説します。
目次【本記事の内容】
一般的な医療費は3割負担ですが、前期高齢者であれば2割で済みます。しかし3割負担から2割負担に減るということは、その分の医療費を、誰かが賄う必要があります。そこで使われるのが、若年層が加入している健康保険組合などの「納付金」です。
令和2年度の予算ベースで考えると、前期高齢者制度の対象者(65〜74歳の高齢者)の数は、約1,700万人です。そこに、約8.2兆円の医療費が投入されます。
冒頭でも紹介したように、政府は納付金の計算方法の見直しを検討しています。なぜかというと、財源の厳しい健保組合の破綻を防ぐためです。
政府が検討しているのは、加入者数ベースではなく、加入者の賃金ベースの負担です。つまり、「加入者が多ければ多いほど負担が大きい」から、「加入者の賃金が高ければ高いほど負担が大きい」に変わることになります。
日本国内では、中小企業よりも大企業の方が、収入が高めになる傾向にあります。そのため、大企業などの健康保険組合の負担が増すとみられており、「実質的な保険料の値上げ」ともいえる状態です。
健康保険組合関連で押さえておきたい知識としては、「組合健保」と「協会けんぽ」です。「組合健保」とは、企業が単独または共同して設立するタイプになります。
単独で設立する場合は、700人以上の社員がいることが条件となります。なお、この「700人以上」は、一時的な数字ではなく、常時存在する人数なので注意が必要です。
共同で設立する場合は、参加している企業の社員数を合算して、3,000人以上の社員がいなければなりません。こちらの「3,000人以上」も、単独で設立する場合と同様、常時存在する人数です。
ただし、すべての企業が組合健保を用意できるわけではありません。条件をみてもわかるように、常時700人以上の社員がいなければ、そもそも組合健保の保険者となれないわけです。
そこで、第2の選択肢となってくるのが、「協会けんぽ」です。これは、組合健保を設立していない企業の社員を対象としています。組合健保では設立した企業が保険者となっていましたが、こちらの場合は、運営元である全国健康保険協会が保険者となります。
今回の医療費負担の見直しでは、加入者数ではなく、加入者の賃金によって納付額が決まる方向で調整されています。この案が制度に盛り込まれることになれば、賃金が高い大企業の組合健保の負担が大きくなるのは間違いないでしょう。
所得税などの累進課税のように、「収入が多ければその分負担も増える」という意味では、確かに今回の方向性も頷けます。
しかし、大企業(賃金の高い企業)の健保組合だけが負担増になり、不公平感も否めません。今後、制度がどのように移り変わっていくのか、注目です。
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