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2018年10月、経団連がこれまで会員企業に対して示してきた就職・採用活動のルール(会社説明会や面接の解禁時期などを定めた採用指針)の廃止を決定したことが報じられました。
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この他のニュースでも、「経団連」という名前をメディアで目にしている人は多いででしょうが、その団体の詳細や活動の内容については、把握できていない方もいるのではないでしょうか。
今回は、今さら聞けない「経団連の基本」について、押さえておくべきポイントを解説します。
経団連は、日本における経済三団体のひとつ
経団連は、その正式名称を「日本経済団体連合会」といい、日本商工会議所、経済同友会とあわせて「経済三団体」とよばれます。
経済三団体それぞれの特性は、以下の通りです。
現在の日本経済団体連合会という組織が誕生したのは2002年のことです。当時、国内には日本経営者団体連盟(日経連:1948年発足)と経済団体連合会(旧・経団連:1946年発足)という2つの団体がありましたが、2002年にこの両者が統合されることで、現在の経団連に発展しました。
また経団連は2012年には、政府の公益法人制度改革に対応し、社団法人から一般社団法人へと法人格の変更もおこなっています。
ちなみに日商は特別民間法人、同友会は公益社団法人であり、この法人格の違いも、それぞれの団体の性質の違いをあらわしているといえるでしょう。
経団連の構成と歴代会長の顔ぶれ
経団連のホームページによれば、現在の経団連を構成しているのは「日本の代表的な企業1376社、製造業やサービス業等の主要な業種別全国団体109団体、地方別経済団体47団体など」となっています(いずれも2018年5月31日現在)。こうしたデータを見てもわかるとおり、経団連は国内の東証一部上場企業を中心として構成されている団体といえます。
そのため、日本を代表する企業による団体である経団連の会長は、日本の経済界のトップという立場にあり、その立場の重さや影響力の大きさから、過去には「財界総理」という異名で呼ばれたこともありました。
2018年10月現在の経団連会長である中西宏明氏(2018年5月就任)は日立製作所の会長が務めています。前会長の榊原定征氏(2014年6月就任)も東レの会長であったことをはじめ、歴代経団連会長の顔ぶれを見ると、住友化学、キヤノン、トヨタ自動車など、日本を代表する製造業のリーダーから選出されていることがわかります。
また経団連では審議員会議長(旧・評議員会議長)という役職が実質的なナンバー2といわれていますが、2018年10月現在の審議員会議長は野村ホールディングス会長の古賀信行氏となっています。前任の岩沙弘道氏も三井不動産の会長であるなど、こちらは非製造業のリーダーから選ばれることが多いといわれています。
経団連の活動内容
経団連の活動内容について、同団体では「経済界が直面する内外の広範な重要課題について、経済界の意見を取りまとめ、着実かつ迅速な実現を働きかけ」、同時に「政治、行政、労働組合、市民を含む幅広い関係者との対話を進める」ことと定義しています。
つまり、経団連は経済界の意見を取りまとめ、政府や社会に対して提言をおこなうのが主な活動ということです。
実際に経団連の提言は、安倍内閣の「日本再興戦略」をはじめ、政府がおこなう多くの政策に反映されています。
また、2018年10月には、経団連が現政権の政策を評価し、5年連続で会員企業に自民党への政治献金を呼び掛けたことも報じられましたが、このように政府の政策を「評価」して、多額の政治献金をおこなうのも、経団連の活動のひとつです。多額の企業献金の出どころである点が、経団連が政界に対し大きな影響力を持っている理由のひとつとなっています。
まとめ
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今まで、経済界の代表として大規模な政治献金の斡旋をおこない、政・官・財の中核に位置してきたのが経団連です。近年では2011年に楽天・三木谷会長が経団連を脱退するなど、同団体の体質や活動を批判する声も出てきていますが、現在も日本経済界において影響力の大きな組織であることは間違いないでしょう。
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