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収まらない物価高騰の波と実質賃金の低下が、ビジネスパーソンの懐を直撃している。そんな中、給与所得者の収入不足分を補ってくれるのが冬のボーナスである。
帝国データバンクが発表した「2022年冬季賞与の動向調査*」によると、企業の79.1%がボーナスや一時金などを含め、何らかの手当を支給する予定だ。そのうちの21.2%は前年よりも支給額をアップする予定との回答が得られている。一方で、ボーナス支給なしという企業は13.3%である。
*調査対象:全国2万6,953社(有効回答企業数は1万1,510社)
調査期間:2022年11月16日~30日
コロナ禍の影響で、昨年はボーナスを出すことができない企業が半数を超えていた「旅館・ホテル」も、今年の冬は53.4%がボーナス支給と辛うじて半数を上回った。しかし支給しない企業の割合は35.6%と依然として高く、コロナ禍による落ち込みを回復するまでには至っていないことがうかがえる。
ところで、冬のボーナス支給額は、「Job総研」(株式会社ライボ運営)の「2022年・冬ボーナス実態調査**」によると平均69.8万円である。
**調査方法:インターネット調査
調査対象:全国の男女20~50代/548人(1年以内~10年以上勤務している社会人。20人~1000人規模の会社に所属。)
調査期間:2022年11月16日~21日
この支給額に対しては、52.5%が不満を抱いていることも明らかになっている。では、いくらなら満足できるのかというと、なんと平均173万円いう結果だ。理想と現実では、およそ100万円の開きがあることになる。
しかも、中小零細企業のボーナス支給額は、ここで示されている平均額の半分程度という調査結果もある。さらに、ボーナスはおろかインフレ手当などの一時金さえ出ない、出せないところも多いというのが実情である。
理想と現実のギャップを埋めるためには、ボーナス支給額の算定にも影響するベースアップが欠かせない。連合は来年の春闘で、ベースアップを含め「5%程度の賃上げ」を求めていく方針だ。
労働者団体の交渉を受ける経団連も賃上げには前向きな姿勢を見せているが、ベースアップには相変わらず消極的だ。さらに、防衛費の増額を巡り法人税引き上げも取りざたされるなど、せっかくの賃上げムードに冷や水を浴びせるような増税論議も始まっている。
この状況下では、個人消費が回復して景気の底上げにつながる兆しは見当たらず、ビジネスパーソンの財布の紐は、来年も一層堅くなりそうな雲行きとなりそうだ。
■参考サイト
YAHOOニュース 企業の冬のボーナス事情、昨年より2割を超える企業で増加
YAHOOニュース 冬のボーナス、企業の21.2%で前年より増加 「賞与はない」も13.3%
YAHOOニュース 5割が「不満」 冬のボーナス、理想は173万円 実際は?
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