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12月の日銀短観(全国企業短期経済観測調査)によると、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)が大企業製造業で4四半期連続の悪化となり、大企業非製造業では3期連続で改善傾向を示している。
資源価格の高騰や円安の影響を受けた製造業と、緊急避難的な資金繰り支援や、観光支援策などの恩恵を受けた非製造業で景況感に違いがみられる。手放しで喜べないのが支援策は、あくまでも一時的なものだ。
それを裏付けるように、東京商工リサーチの「*過剰債務に関するアンケート」によると、過剰債務に陥っている企業は29.8%にも達している。
*調査概要
本調査は、2022年12月1日~8日にインターネットによるアンケート調査を実施し、有効回答4,686社を集計・分析した。
しかも、過剰債務率が高いのが、宿泊業(67.8%)や飲食店(65.2%)、旅行やブライダルなどの生活関連サービス業(62.9%)の対個人サービスや小売業などで、コロナ支援策の恩恵を受けた業種である。
つまり、業況判断指数が改善傾向を示したとはいえ、これらの業種が“過剰債務”から抜け出せるかどうかが、大きな課題である。過剰債務とは、債務が適正水準を超えた状態のことだ。事業を継続していくためには、追加融資や債務免除が必要となるケースもある。
宿泊業や飲食業、旅行業などは、コロナ禍による休業や時短営業要請、行動制限の影響をモロに受け、業績が大幅に悪化した業種だ。事業継続が困難になるほどの大打撃となったことはいうまでもない。
そこになんらかの支援策は必要である。経営を維持しながら返済ができるまでに業績が回復しなければ、やがて行き詰まってしまうだろう。その懸念は、支援策を打ち出された直後から囁かれていたが、年明け以降、それがいよいよ現実となりそうな雲行きである。
さて、論語の中に「過ぎたるは猶及ばざるが如し」という教えがある。“度を超えたものは、足りないのと同じようなもので、ほどほどが丁度いい”という意味だ。政府のコロナ対策が“過ぎたる”だったのか、それとも“ほどほど”だったのかの検証も必要ではないだろうか。
■参考サイト
YAHOOニュース 「過剰債務率」29.8%、「過剰貯蓄率」14.7%
YAHOOニュース 大企業製造業、4期連続悪化 原材料高が収益圧迫 先行きも下落・12月短観
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