リスキリングとは？　期待できる成果や学習内容を解説

昨今ではDX時代の到来が叫ばれていることもあり、自分の知識やスキルをいかにアップデートしていくかが重要視されるようになりました。そのような状況で役立つ手法として注目されているのが「リスキリング」です。

しかし「そもそもリスキリングとは？」といった基礎的なところから、「どのようなことを学んでいるのか」など、疑問を持っている方も多いでしょう。今回は、リスキリングの概要や学習内容、重要なポイントなどを解説します。

リスキリングとは

リスキリングとは、「今後発生すると想定される業務」で役立つ、スキルや知識を身に付けることです。「学び直し」とも呼ばれる手法であり、人材教育の一環として取り入れている企業もあります。

リスキリングが注目されるようになった背景は、2011年から言われ始めた「第4次産業革命」です。従来人間が担っていた役割をロボットがこなすようになったため、仕事がなくなってしまわないよう、新しい知識を習得する必要が出てきました。特に単純作業は、ロボットに取って代わられる傾向にあります。

しかしこうした産業革命では、人間の仕事がロボットに取られるだけでなく、「そのロボットを動かすための仕事」も新たに発生します。多少大雑把なまとめ方ではありますが、上記のような業務で必要とされる知識を身に付けるために、リスキリングを実施していることも多くみられます。

リスキリングとリカレント教育の違い

リスキリングと混同しやすい単語として「リカレント教育」があります。リカレント教育とは、1969年のヨーロッパ文相会議で発表された概念です。仕事で求められる能力を磨き続け、自己実現につなげていくための試みになります。

リスキリングは、時代や組織の変化によって新しい業務が発生する際に、その対応策として実施するものです。一方でリカレント教育は、恒常的に学び続け、ステップアップや自己実現を目指すものになります。確かに似たような意味ではありますが、両者の目的は明確に異なるため、よく整理しておくと良いでしょう。

リスキリングで期待できる成果

リスキリングで期待できる成果としては、やはり「専門知識の習得」が挙げられます。専門的なスキルや知識を身に付けることによって、「自分が担当できる仕事の幅が広がる」「収入が高くなる」などの効果も期待できるでしょう。

さらにリスキリングをきっかけとして、「資格の取得」「独立」につながる可能性もあります。リスキリングは、単に業務に役立てるだけでなく、その人の人生の幅を広げることにも役立つ試みといえるでしょう。

リスキリングの学習内容

リスキリングで学習する内容は「DX時代の到来に対応するためのスキル・知識」に注目が集まっています。

中でも特に人気なのが「プログラミング」です。プログラミングは、ロボットに指示を出すために必要であり、まさにDX時代の中心となる業務といえます。非プログラマー・エンジニアのフリーランスにも、とても人気のある分野です。

「データ分析・統計分析」も、リスキリングの分野としては人気です。昨今では、データサイエンティストやデータアナリストなどの職業が人気であり、学生時代からその職を目指している人もいます。

「仮想通貨・NFT」「Web3.0」「AI・機械学習」など、次世代的な分野も注目されつつあります。この流れは今後も加速するとみられており、数年後にはまた新しい分野が登場しているかもしれません。

リスキリングの手法

リスキリングに取り組む方法としてよく知られているのが、「eラーニング」です。PCやスマートフォンなどで、効率的に学習したいと考えている方が多くいるようです。

「eラーニング」に関連して、「オンラインセミナー」も人気があります。その道のプロと近い距離で学べるのが、オンラインセミナーの大きなメリットでしょう。モチベーションが続きにくい人にとっては、良い選択肢になるかもしれません。

「動画サイト」や「読書」も根強い人気があります。昨今ではYouTubeなどで、無料で学べる機会も増えました。従来の学習方法であり、通勤時間や自宅でのスキマ時間にできることがメリットです。

学習する内容が同じでも、「自分にとって効率的に身に付く手法を選択しているかどうか」で成果に差がでるでしょう。自分のライフスタイルを見直し、最適な手法を選択することが重要になります。

まとめ

リスキリングは、新しい時代に対応するために欠かせない手法です。しかし社会人にとっては、「学習時間を確保しにくい」という大きな課題があります。

もちろん、睡眠時間や趣味の時間を削るという方法もありますが、ワークライフバランスが崩れてしまう懸念もあるでしょう。そのため、従業員が自ら学ぶ姿勢だけでなく、企業がそれを後押しするような仕組み作りも必要になります。

そして何よりも大切なのが、学ぶ主体である従業員自身のモチベーションです。キャリアプランを明確にし、自分にとって最適な学習ツール・手法を選べるようにしておきましょう。