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インボイス制度導入によって生じる電力会社の損失を、一般家庭の電気料金値上げでカバーする方針が資源エネルギー庁から示されたことで、導入反対の声のボルテージは一層高まっています。インボイス制度導入で、なぜ電気料金が上がるのでしょうか。
目次【本記事の内容】
現在、家庭の太陽光発電システムなどで発電した電気は、電力会社が固定価格で買い取ることがFIT制度によって義務付けられています。
売電業者の多くは消費税非課税業者の小規模事業者です。また、太陽光発電システムを設置している一般家庭は、課税の対象外です。
つまり、インボイス制度が導入されても、電力会社は非課税事業者や一般家庭から買い取った電力については、仕入税額控除ができないため、その分の消費税負担が増えることになります。
その消費税負担額は58億円程度と見込まれ、一般家庭の毎月の電気料金に含まれる「再エネ賦課金」でカバーしようという方針です。電力会社の負担増となる分を、一般家庭の電気料金を値上げすることで賄おうというわけです。
この方針に対しては、多くの疑問の声が上がっています。衆議院財務金融委員会でも、野党側から「なぜ電力会社だけに国民の負担で補てんする措置をとるのか」などの質問が発せられるなど、「どうして?」という声は収まりそうもありません。
というのも、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻や、円安などの影響で燃料価格は高騰を続け、電気代の値上げが続いているからです。
空調大手のダイキン工業によると、平均的な家庭の電気代は、2021年は年間で8万2,456円でした。しかし、2022年は10万3,758円と、年間で2万1,302円上昇するとしています。一般家庭の電気代の負担も重くなっているとともに、事業者も電気代の高騰に悲鳴をあげている状況です。
一般家庭も事業者も、高騰する電気代に悲鳴をあげているなか、大手電力会社は軒並み電気代の値上げ方針を打ち出しています。しかも驚かされるのが、規制料金を3割以上値上げで申請している電力会社もあることです。
電力の供給はいわば生活インフラであり、公益性の高い事業です。安定して電力を供給する必要性から、大手10社が地域を独占するカタチでした。それが2016年に自由化となり、各家庭では新しい電力会社と契約できるようになりました。
新電力会社に契約先を奪われることになった電力大手は、新電力会社と契約している一般家庭の住所や連絡先などを不正に閲覧し、営業に活用するなどの不正が相次いで発覚しています。
電気代の値上げ、不正閲覧が相次ぐなかでの、インボイス導入による電力会社の負担増となる分を、「再エネ賦課金」でカバーする、つまり一般家庭の電気料金を値上げすることで賄おうという方針が、はたして国民にすんなりと受け入れられるのでしょうか。
もちろん、電気料金を値上げする場合、国に値上げを申請し、値上げが妥当であるかどうかの審査を受けなければなりません。燃料コストが上昇しているからといって、そのまま電気代にスライドするわけにもいきません。
ここ最近の燃料コストの上昇が、電力会社の経営に悪影響を及ぼしているのでしょうが、一般家庭の懐事情もかなりの打撃を受けています。食料品も日用品の値上げラッシュも続いていますが、電気代については、どのように決着するのでしょうか。
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インボイス制度については、導入が目前に迫っているにもかかわらず、導入に反対する声は日増しに大きくなっています。そこにインボイス制度導入による電気代値上げですから、このまますんなりと収まることはなさそうです。
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