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通勤ラッシュ時の都内路線は依然として混雑を極めており、国をあげた対策が進められています。そのような背景もあり、近年では自転車通勤をする会社員が増えています。健康ブームの到来も相まって、通勤時間帯に自転車にまたがるサラリーマンの姿を目にする機会が増えてきました。
自転車通勤が浸透するにあたり、企業側にも対応が求められています。社員の自転車通勤を許可する場合には、総務・人事担当者はどのようなことに注意すればいいのでしょうか。ポイントを解説していきます。
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自転車通勤を認めるリスク
通勤混雑の回避手段として自転車通勤が広がるにつれ、問題として浮かび上がってきたのが自転車事故の増加です。特に、自転車運転者が加害者となってしまった事故の報道が目立つようになってきました。
警視庁の発表によれば、自転車関与事故の件数は、全国で2,452件であり、そのうちの約3割が東京都内で起きたものとなっています。
社員が自転車通勤中に加害者として事故を起こしてしまった場合、企業側はどのような責任に問われるのでしょうか。使用者として社員の自転車通勤を認める場合、企業側に「使用者責任」が認められる可能性も、ゼロではありません。
そこで、社員の自転車通勤を認める場合は、これらのリスクを理解したうえで、ルールや規則を明確に定める必要があります。
自転車通勤についての論点
自転車通勤を認めるにあたり、企業側が検討すべきポイントは、次の3つです。
1.事故リスクの対応
事故を起こした場合の対応は、2つの論点を考える必要があります。
まず、自転車通勤中に自損事故を起こし、社員がケガをしてしまった場合の労災認定です。
次に、社員が事故の加害者となってしまった場合の責任問題です。自転車事故における裁判では、高額な賠償金を請求されたケースもあります。本人の賠償能力を超えており賠償ができない場合には、自転車通勤を許可した企業に使用者責任が問われることも考えられます。
2.通勤手当の問題
電車やバスでの通勤に対しては通勤手当を支給することが一般的ですが、自転車通勤に対する手当の規則を設けている会社は少ないでしょう。自転車通勤を会社に申請しないまま電車やバスの定期代を受け取り続け、秘かに自転車通勤している社員は少なくないかもしれません。
自転車通勤をするにも、自転車の購入費や整備費など一定の費用負担が発生します。社員が不満を感じず、不当利得にならない範囲での通勤手当支給も、考慮が必要です。
3.駐輪場の確保
東京都では、条例により自転車通勤を認める事業者に対し、従業員が駐輪場を確保しているかどうかの確認、さらに、就業規則で自転車通勤を禁止していない事業者に対しても、従業員用の駐輪スペース確保を義務付けています。都内の事業者は、自転車通勤の規則を設けるかどうかに関わらず、対応を求められているのです。
駐輪場の確保を従業員任せにせず、違法駐輪を防止する対応する姿勢が求められます。
自転車通勤に関する規則を定める上でのポイント
自転車通勤を認める場合は、明確な規則を定め、社員に周知しなければいけません。新たに規則を制定する際は、以下のようなポイントに注意してください。
・自転車通勤は許可制にする
自転車通勤を認める場合は、自転車通勤の許可基準やルールを明確に定め、許可制をとるのが一般的です。許可基準や禁止事項、通勤手当の扱いなどを明記し、申請した社員にのみ許可する体制をとります。
自転車通勤を許可しないのであれば、規則の中で明確に禁止し、社員に周知する必要があります。
・許可の基準範囲
安全配慮とリスク対策に考慮し、自転車通勤の許可に対して一定の条件を設けるといいでしょう。許可基準としては、次の3点が考えられます。
1.使用できる自転車の定義
前輪にブレーキがついてない競技用自転車や、道交法では原動機付自転車に分類されるペダル付き電動自転車など、通勤に使用できる自転車の範囲を明確にしてください。
2.自転車の運転資格
社員が安全に自転車に乗れる人物であるか、企業が把握することも重要です。過去の違反歴や、病気を抱えていて運転に支障がないかなど、安全運転に配慮できる人物であることを確認しましょう。
3.民間保険加入の義務付け
社員が自転車通勤中に加害者として事故を起こした場合、本人に賠償能力がなければ、企業側に対応が求められる可能性があります。自転車事故の加害者には、過去に数千万の賠償が命じられた判例もあります。自転車運転者の民間保険への加入を義務付けることで、リスク分散となります。許可申請時に保険証券の提出を求め、申請更新時に再提出を求めるようにしましょう。
・駐輪場の確保
会社に駐輪場がなく、社員に駐輪場を確保してもらう必要がある場合、確認書類の提出を義務付けます。首都圏では放置自転車の増加が社会問題となっており、社員の違法駐輪を放置しては企業責任が問われます。この際、駐輪場の費用負担についても規則に盛り込むべきです。
・禁止事項
道交法を順守して安全な運転を義務付けるために、禁止事項の制定も必要です。例えば、酒酔い運転やスマホを操作しながらの運転、傘さし運転、夜間にライト点灯しないなど、危険な運転行為を禁止しましょう。それとともに、違反した際の許可取消や、罰則規定を定めることも考えられます。
まとめ
自転車通勤は、リスクマネジメントの観点からも、従業員の自主性に求めるのではなく、企業側の積極的な対策が必須といえます。需要の高まりを認識し、リスクを軽視することなく、明確な規則作成に努めてください。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、最新情報や具体的対応は公式情報や専門家にご確認ください。詳細はご利用規約をご覧ください。
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