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就活生の意識は徐々に変化しているようです。2024年3月に卒業見込みの学生に対する意識調査では、仕事内容や給料などの条件と同時に、福利厚生を重視するという回答が、かなりの割合に上っています。
福利厚生の充実度が就職先選びの基準になるのであれば、企業は福利厚生の拡充に力を入れなければなりません。そして、今後の働き方にも大きな影響を及ぼす可能性があるでしょう。 では、就活生が企業に求める福利厚生とは何なのか、その実態に迫ってみましょう。
大手人材・広告企業のマイナビは、「2024年卒大学生 活動実態調査」の4月集計結果を発表しました。調査期間は4月24~30日で、対象は2024年3月卒業見込みの大学生と大学院生合計3,895人です。
この調査の中で、「企業の福利厚生についてどの程度関心があるか」という質問に対して意外な結果が出ています。ほかの条件と福利厚生を比較した回答は以下のとおりです。
・勤務地、仕事内容、給料と同程度に関心がある:63.4%
・勤務地、仕事内容、給料ほどではないが関心がある:27.3%
・勤務地、仕事内容、給料よりも関心がある:6.4%
ここから分かるのは、程度の差はあっても福利厚生に関心があると答えた人は、全体の97%を占めているということです。しかも、ほかの条件と同程度、もしくはそれ以上に福利厚生を重視している人が、全体の70%にも達しているのです。
この結果から、福利厚生が整っていない企業は、今後人材確保にかなり苦戦することが予想されるでしょう。優れた人材を採用するためには、福利厚生を充実させる必要があるのです。
福利厚生には二種類あります。「法定福利厚生」と「法定外福利厚生」です。
「法定福利厚生」は事業者が必ず備えなければいけないもので、以下の五つが法律で義務づけられています。
・健康保険
・介護保険
・厚生年金保険
・雇用保険労災保険
・こども・子育て拠出金
実際に求職者が重要視しているのはもう一つの「法定外福利厚生」で、この充実度が人材確保の成否を分ける可能性があるのです。
では、現在の求職者はどのような法定外福利厚生を望んでいるのか、とくに人気が高いといわれるものを紹介しましょう。
定期的な社内の健康診断以外に、メンタルヘルスケアに取り組んでいることや、人間ドック受診費用の補助制度を備えていることなどが評価されます。
とくに子育て世代に支持されるのが、家賃の補助や住宅手当などの生活費支援です。
社員本人が病気になった場合や、家族の介護が必要な場合に休暇をとれる制度や、慶弔休暇制度があることも、健康管理やメンタル管理には重要な要素です。
もしも病気により長期的な休職が必要になった時、休職中の生活支援は法的に決められてはいません。それぞれの企業が、社内規則などで規定することが一般的です。 そこに適切な休職支援制度があれば、社員はいざという時でも安心して働けるでしょう。
このように、法定外福利厚生に求められるものは、健康的にも精神的にも安心して、長期的に働ける環境づくりです。こうした環境のもとで、社員が長く健康で業務に就いてくれることは、最終的には企業の経営基盤を強化することにもつながるはずです。
福利厚生を重視する現代の就活生は、仕事内容や給料などの情報以外に、より詳細な職場環境まで知りたがっています。どのような手段で情報を入手しているのかといえば、まずは企業が発信している公式の採用情報、企業のホームページなどのようです。
さらに、行動的な就活生は、積極的に企業の説明会やイベントに参加して、担当者に直接話を聞くこともしています。中には、企業に直接問い合わせる就活生もいます。
また、第三者からの詳細な情報を手に入れる場合は、口コミサイトを参考にするか、転職エージェンシーなどを利用しているようです。
企業側としては、これらの情報提供手段を活用して、今後は福利厚生についても詳しい情報を発信しなければならないでしょう。もはや福利厚生は「備考」などではなく、求人情報の重要な1項目なのです。
企業の中には、社内にカフェを設置したり、昼寝の時間を設けていたりするなど、ユニークな福利厚生に取り組んでいるケースもあります。ただし、こうした福利厚生は個性的な企業の実験的取り組みであり、一般的なものとはいえません。
24卒就活生の意識調査から分かるとおり、企業に求められる福利厚生は、安心して仕事を続けられるように、社員の健康や生活を支援するものです。企業は、福利厚生を企業経営の一環としてとらえる必要があるでしょう。
■参考サイト
マイナビニュース|【24卒】企業の「福利厚生」、給料・仕事内容よりも関心がある割合は?
NISSAY|会社の福利厚生で就活生や休職者が比較すべきポイントとは?
ボーグル|福利厚生TOP企業25と厳選取り組み事例を紹介
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