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2023年5月13日、東京大学の学園祭「五月祭」で、ChatGPTを使用した模擬裁判のイベントが開催され、大きな話題となりました。昨今、さまざまな分野でAIが活用されるようになりましたが、「司法」ではどのように機能するのでしょうか。
今回は、ChatGPTを使った模擬裁判のイベントから、AIの展望について考えてみます。
ChatGPTとは、OpenAI社によって開発されたチャットボットです。チャットツールのように使用でき、質問を送信すると、それに応じた回答を生成します。
たとえば「三権分立とは?」と質問すると、ChatGPTが「三権分立とは、国会、内閣、裁判所の独立した機関がバランスを保ち……」といった回答を用意してくれます。
ChatGPTは、インターネット上の膨大なデータを収集し、「学習」しています。そのため他のページからコピー&ペーストしたテキストではなく、さまざまなデータを総合した、ChatGPTオリジナルの回答を用意できるのです。
2023年5月13日に行われた模擬裁判のイベントは、以下のような架空の事件を想定しています。 「被告の女性Aは、元交際相手Bから執拗な嫌がらせを受けており、それを現在の交際相手Cに相談していました。すると現在の交際相手Cが、Bを殺害してしまい、女性Aも事件に共謀したとして罪に問われてしまいます。」
イベントは、「検察官・弁護人・被告人」を人間が担当し、「裁判官」をChatGPTが担当するという配役で実施されました。
検察側と弁護側の主張は真っ向から対立し、1時間に渡って行われた審理の後、AIの裁判官が以下のような判決を下しました。
「主文。被告人は殺人罪の共犯とは認められないため無罪とする。被告が憎悪の感情をもっていたことは事実であるが、具体的な殺害計画や共謀が確定的に立証されたわけではない」
かつて放送されていた弁護士が主役のオリジナルドラマの中で、「裁判に民主主義を持ち込んだら司法は終わりだ」という有名なセリフがあります。法の本質を知らない民衆が人を裁く側に立てば、法的紛争を解決する役割を与えられた、司法の正当性が揺らいでしまうからです。
しかし実際には、国民が参加する裁判員制度がスタートするなど、徐々に民主主義的な要素が司法に入り込みつつあります。こうした中で、「AIにどのような可能性が見られるのか」といった点が、今回の模擬裁判イベントの肝になっていたようです。
たしかにAIは、客観性を担保する存在としては非常に優れています。そうした意味では、司法の分野で活用される余地も大いにあるでしょう。具体的には、論点の整理といった補助的な使い方です。それでは、AIに裁判のすべてを任せることは可能なのでしょうか。
そもそも裁判は、「情状酌量」といった言葉に代表されるように、ただ法に則って事務的に人を裁けばよいわけではありません。被告人の人生には、その人ならではのストーリーがあり、その人ならではの感情が刻まれています。事件そのものと、それに至るまでの経緯に含まれるさまざまな要素をくみ取ったうえで、慎重に判決をする必要があります。
ChatGPTの最新版であるChatGPT-4(有料)は、画像などのデータを認識できるようになっただけでなく、抽象的な思考が可能になったとして大きな注目を浴びています。しかし裁判は、機械的でありながら人間的な営みでもあります。AIが単独で裁判をこなせるようになるまでには、まだ少し時間がかかるかもしれません。
ChatGPTを含む生成AIは、ざまざまな分野で活用が進んでいます。AIに関する技術の発展は著しく、今後さらに洗練されたツールが開発されることは間違いないでしょう。
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