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経理・財務の実務スキルのレベルを客観的に示すことができる手段として人気なのが、経済産業省によって開発されたFASS検定、通称”経理・財務スキル検定”です。スキルアップ・キャリアアップのために取得を考えている方も多いのではないでしょうか。
今回は、FASS検定の概要や学習方法を解説します。
FASS検定は、「Finance Accounting Skill Standard」の略称で、経理・財務の実務スキルを測定するための検定試験です。経済産業省のプロジェクトで開発され、2005年11月に始まり、累計受験者は6万3,000人以上となっています。
試験は、資産・決算・税務・資金の4分野から構成され、基礎から応用まで幅広く出題されます。点数で評価され、スコアに応じてレベルが認定される方式です。TOEICと同じようなイメージで、合格・不合格として結果がでるものではありません。
評価区分 | 点数(満点:800点) |
A | 689点以上 |
B | 641点~688点 |
C | 561点~640点 |
D | 441点~560点 |
E | 440点以下 |
レベルAは、経理・財務分野について業務全体を正確に理解しており、実務を実行するスキルとしては申し分ない状態です。レベルBについても、分野によっては知識の正確さに個人差があるものの、業務の遂行にはほとんど影響を与えないとされています。
日常的な業務に役立てられる基準としてはレベルCまでで、DとEに関しては、周りのサポートを受けつつ最低限の業務をこなすことになります。初めて受験する場合、まずはC以上を目指すとよいでしょう。
試験の申込日程、実施日程は以下の通りです。
【予約受付期間】
上期受付が2月1日~7月28日、下期受付が8月1日~1月28日
【実施日程】
上期試験が5月1日~7月31日、下期試験が11月1日~1月31日(年末年始をのぞく)
FASS検定の受験の流れは以下の通りです。
①申し込み・予約
CBT-Solutionsによるインターネット受付のみで、申込日より3日目以降の予約が可能です。障害者割引や法人会員向けの特別な手続きもあります。
②受験料の支払い
一般受験者は11,000円(税込)、障害者割引は7,920円(税込)、法人会員は8,800円(税込)。支払い方法はクレジットカード、コンビニエンスストア/Pay-easy、受験チケットなどがあります。
③試験準備
受験票の発送はなく、予約完了時の確認メールで試験日程・会場の案内があります。本人確認書類を持参し、受験時間の少なくとも5分前に入場できるようにしておきましょう。遅刻をすると受験できない場合があるため注意が必要です。
④受験
試験はCBT四肢択一形式で、FASS試験本体は100問90分、オプション科目FP&A(経営企画スキル)は20問30分です。
⑤結果発表
即時判定で、試験終了後に「成績証明書」及び「不正解となった主な試験問題の内容」が配布されます。受験日・会場の変更キャンセルは、マイページより受験日の3日前まで可能です。2日前からは変更・キャンセルができません。
FASS検定を受験するメリットはさまざまですが、実務スキルの証明になるのが大きいでしょう。FASS検定は経理・財務の実務スキルを客観的に測定するための標準化された試験で、レベルAなどのハイスコアを獲得することで、自身の専門性と能力の高さを証明できます。
キャリアアップにつながるのもFASS検定のメリットです。日商簿記がオーソドックスとされているなかで、FASS検定は注目を集めやすく、就職・転職などの際にアピールできるポイントになります。
経理知識の総合的な習得に役立つのも、FASS検定を受験するメリットといえます。資産・決算・税務・資金の4分野から構成される試験内容は、経理の一般知識を網羅的に学ぶ絶好の機会となります。長年経理や財務に携わってきた人も、思わぬ弱点を発見する良い機会になるでしょう。
さらに企業視点でのメリットととして、FASS検定は企業の人材育成ツールとしても有用です。社員の経理・財務スキルのレベルを測定し、人材育成の方針を立てる際に有効なツールとなります。
FASS検定の勉強方法は、個人の学習スタイルや目標に応じて選べます。主な方法としては「書籍」もしくは「オンライン学習」です。日本CFO協会発行の「経理・財務スキル検定公式学習ガイド」は、基本テキストとして大変優れており、出題範囲の多くをカバーできます。市販の問題集もあるため、それらと組み合わせて独学をすれば、一定のスコアは狙えるでしょう。
「オンライン学習」では、日本CFO協会の「CFOスクール」と呼ばれるeラーニングを活用します。専門知識をもった講師による講義が受けられるため、「本格的な内容を体系的に学びたい」「独学だけでは不安」といった方におすすめです。
FASS検定は、経理・財務のプロフェッショナルを目指す方にとって、また企業にとってもスキルの向上とキャリアの発展を促進する機会となります。まずはスコアの到達目標を設定し、そこから逆算するようにして勉強の計画を立てるとよいでしょう。
■参考
FASS 経済産業省 経理・財務人材育成事業 公式サイト|FASS検定とは
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