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最近、たびたび耳にするようになった2030年問題は、経済や医療、インフラなど、さまざまな分野に影響を与えるとされています。
この記事では2030年問題の背景や、社会や管理部門への影響・対策などについて解説します。
2030年問題とは、少子高齢化にともなう労働人口の減少などによって2030年に表面化すると予測されている問題の総称を指します。 総務省統計局の発表によれば、2022年9月15日時点の65歳以上の高齢者(以下、「高齢者」)の人口は3627万人と過去最多。総人口に占める割合も29.1%で過去最高を記録したそうです。
今後ますます少子高齢化が進んでいくことが確実視されており、2030年以降は労働市場や医療、保険制度、介護現場など、あらゆる場面で混乱が起こると予想されています。 また、少子高齢化が要因となって引きおこる問題は、2030年問題のほか、2025年問題、2040年問題なども懸念されています。
この2つの問題については、下記にて簡単に紹介いたします。
●2025年問題
第1次ベビーブーム(1947年から1949年)に誕生した「団塊の世代」がすべて75歳以上の後期高齢者になる年が2025年です。この年を境に高齢者の割合は30%を超えるとされており、各産業構造に大きな変化が起こり得ます。
2025年に表面化する問題を総称して「2025年問題」と呼んでいます。
●2040年問題
2040年には団塊世代の子どもに当たる人たちの多くが65歳を超えるとされており、高齢者の割合がは35.3%にのぼると言われています。
2040年問題への対策としては、企業における労働者の確保はもちろん、社会保険制度の見直しや医療および介護現場の環境の改善が必要といわれています。
2030年問題は医療費の増加や社会保険制度への影響、地方の過疎化など、さまざまな事態を引き起こすとされており、影響を与えない分野を探す方が難しいほどです。
本記事では、その中から企業への影響が大きい問題を紹介していきます。
2030年には働き手となる生産年齢(15歳以上65歳未満)の人口が大きく減少することが予測されています。すでに慢性的な人手不足に悩まされている業界では特に大きな影響があるでしょう。人材確保は各企業の大きな課題になることでしょう。
労働人口が減少すると、優秀な人材を企業間で競い合って確保することになります。そのため、自社を選んでもらうために好条件を提示せざるを得ないケースが増加するでしょう。その結果、従業員は少なくなったにもかかわらず、人権費は高騰するといった企業にとって好ましくない状態に陥る可能性もあります。
また、人材不足が続くと採用活動も継続的に行わなければなりません。人件費だけでなく、採用活動にかかる費用も高騰することが予測されます。
従業員数の減少や人件費の高騰は企業の業績に直結するといってほぼ間違いないでしょう。たとえば、従業員の減少によって、十分な量の製品が提供できない、サービスの質が低下するなど業績に悪化につながる問題が発生する可能性があげられます。
すると、業績が悪化して人件費を削減しなければならず従業員が辞めていき、さらにサービスの質が低下して業績が悪化するという悪循環が起こりかねません。
また、日本国内の企業の業績が悪化すれば優秀な人材ほど、条件のよいグローバル企業流出すると予想され、日本のGDPが低下するといった問題も起こり得るでしょう。
さまざまな企業に影響を与え得る2030年問題ですが、特に医療・介護業界、サービス業、IT業界は深刻な状態に直面する可能性が高いとされています。
高齢者が増えた社会では、医療および介護サービスの利用者が急増します。十分な労働者が確保できていれば、増加した利用者に対応できるのですが、現在の日本ではそれが難しいのが現実です。医師や介護職の不足は非常に深刻であり、特に地方ではすでに問題が表面化しつつあります。
飲食業や小売業、宿泊業など接客をともなうサービス業の分野では、現在でも慢性的な人手不足に悩まされている企業が多くあります。2030年問題が表面化すれば、さらなる人手不足の進行は免れないでしょう。
時代を先取る分野として人気の高いIT業界ですが、2030年も問題によって人手不足が起こると考えられています。その理由はITの急速かつ世界的な普及です。ITサービスへの需要が継続的に高まっていくことが予測されており、労働人口が減少する日本では、需要に対して供給が追いつかず、従業員が足りなくなる可能性が非常に高くなっています。
2030年問題における対策を何もしないままでは、多くの企業が業績悪化の未来を迎えることでしょう。そこで、2030年に向けて今からできることを紹介します。
優秀な人材を確保するためには、魅力的な職場環境を整えることが必要不可欠です。 テレワークやフレックス制の導入、時短勤務の承認、副業の推奨など、柔軟な働き方に対応する制度を整えることで、育児や介護との両立など、従業員の事情に合わせた働き方が可能となります。各々のライフスタイルに合わせた働き方ができることで、人材の確保と定着につながる可能性があります。
従業員が新たなスキルや知識を取得するために学び直すことをリスキリングといいます。人材が少なくなれば必然的に、従業員1人当たりが負担する業務量や担当しなければならない業務分野は増えていきます。従業員のスキルを向上すれば、環境に適応しながら社員の活躍の場を広げることができるでしょう。
社内業務を効率化することで、人材不足の問題をはある程度は対処できるでしょう。そのためには、各DXツールを使いこなす必要があります。しかし、DXツールは導入までに社内調整や環境の準備に時間を要する可能性も考えられます。また、導入したツールを使いこなすためには、ある程度の時間がかかるかもしれません。2030年問題に備える目的であるならば、今から導入を検討してもよいのではないでしょうか。
多様な人材が働ける環境というのは、従業員確保の観点からも、雇用機会の創出という観点からも非常に大切です。結婚や出産などライフステージの変化によって生活のスタイルが大きく変化しやすい女性や、退職後も労働を希望する高齢者などが快適に働ける環境を整備することが、人手不足の解決に向けた施策の1つとなるでしょう。
高齢者人口が増え、生産年齢人口が減少することでさまざまの問題が起こり得るのが「2030年問題」です。何も対策を打たなければ企業の業績悪化のみならず、医療制度や社会保険制度の崩壊、日本のGDP低下など、深刻な事態が起こるでしょう。
企業としては、DX化を含めた職場環境の改善や雇用機会の創出、社内教育の充実などで対策できることはいくつもあります。2030年に向けて、まずは現状を把握し、できるところから準備をはじめていきましょう。
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