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宛名のない領収書はどこまで許されるか、専門家の回答は?

公開日2019/02/22 更新日2023/01/19

Q:役員や社員から領収書を受け取ると、たまに「上様」や宛名が空欄である場合があります。

レシートと領収書が一体になっているもののときもありました。

こういった宛名のない領収書は、弊社のようにベンチャーであれば許容されることが多いとは思いますが、大企業では難しいですよね?

今、会社が成長期にあるので、どれくらいの規模の会社になるまで、宛名のない領収書が許されるのか気になり質問しました。

A:会社の規模で宛名のない領収書が、許容されるわけではありません。

税務上では領収書に限らず、少額不追及という考え方がありまして、金額が少額であれば(これは人により違いがあります)、その金額については原則問題視しないということです。

その前に前提として、宛名がない領収書は認められません。この考えのもと上記の考え方が適応されます。この考え方の順序を間違えないようにしておいてください。 

辻本 弘仁(税理士)先生の回答

「上様」や宛名のない領収書をどう扱うか

領収書は、税務上の大切な書類となります。領収書は、金額、支払項目、支払者名、受取者名、日付が、きちんと記載されていることで、ビジネス上の金銭や商品の授受を証明する書類となります。

しかし、領収書をもらうとき、「領収書の宛名はどうなさいますか?」と尋ねられることがあります。

通常は、会社名を口頭で告げるか、名刺を差し出して社名を書いてもらうかです。しかし、ときには「上様」と書いてもらうことや、急いでいるときなど、「宛名はいいや」と、金額と日付だけの領収書を受け取ることもあるのではないでしょうか。

そうした宛名が記載されていない領収書を、経費精算の際に提出されて困るのが経理担当者です。宛名のない領収書を経費に算入して、税務署は認めてくれるのだろうかと、頭を悩ませることになります。

領収書は経費のための支出を裏付ける証拠書類

領収書の宛名は、誰が誰に対して発行したものかを示す書類ですから、原則として、宛名は必要です。ただ、「上様」や「宛名未記入」であっても、経費への計上が認められることもあります。

それは、何のために支出した費用なのかが明確で、事業との明らかな関連性が認められる場合です。

ただし、金額が高額すぎる場合や、事業に無関係と思われるような店、宛名未記入の領収書の枚数が多い場合などは、税務調査の対象となります。また、領収書の支払い項目についても、「品代」などと書いてもらう人も多いでしょうが、これも、多すぎると税務署のチェックは厳しくなるようです。

レシートと領収書の違いは?

宛名がないという点では、レシートはどうでしょうか。普通に考えれば、レシートよりは手書きの領収書の方が、経費の証拠書類としては信用度が高いイメージですが、レシートには、取引年月日、取引金額、取引内容(購入代金など)、支払者名が、明確に印字されています。

むしろ、「上様」や「品代」と書かれた手書きの領収書よりも、はるかに証拠能力は高いといえるのがレシートです。そのためレシートは、事業上の経費支出についての、大切な証拠書類ということになります。

まとめ

領収書は、「お金を支払った」ことを証明するもので、税法上は「金銭または有価証券の受理を証明するために作られた受取書」となっています。ですから、宛名はもちろん、日付や金額、明細、支払者が明確に記載されていることが、信ぴょう性を確かなものとします。

「上様」や宛名の記載がない、明細が不明といった領収書は、経理処理上でも混乱が生じますし、ましてや税務調査の対象となる可能性もあります。税務署に余計な疑念を抱かせないためにも、社員には、明確な領収書の提出を求めるように徹底しましょう。

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