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小規模企業共済制度とは、小規模企業の経営者・役員と個人事業主が利用できる、積み立て式の退職金制度であり、現在およそ160万人が加入しています。この制度を利用すれば、将来に備えた資産形成が可能なうえ、節税効果も期待できます。その仕組みと会計上の扱い方について解説しましょう。
小規模企業共済は、中小企業基盤整備機構が運営する国の制度です。本来退職金制度の対象にならない経営者などが、毎月掛け金を積み立てることで、退職時や廃業時にまとまった額の共済金を受け取れます。
加入対象者は業種により異なりますが、最大でも従業員が20名以下の事業所の経営者と役員です。この制度には低金利の貸付制度を利用できるというメリットもあり、掛け金も毎月1,000円から70,000円まで、500円単位で設定可能なため、経営状況に合わせて自由にプランを設計できます。
出典:中小企業基盤整備機構
小規模企業共済の共済金は、対象者と請求事由ごとに「共済金A・B」「準共済金」「解約手当金」の4種類が準備されています。たとえば毎月1万円の掛け金を20年間積み立て、合計が240万円になった場合、それぞれの共済金の受け取り額は以下のとおりです。
・共済金A: 2,786,400円
・共済金B: 2,658,800円
・準共済金: 2,419,500円
・解約手当金:2,400,000円
事業所の経営者の場合は、事業の廃業による請求事由が共済金Aにあたります。掛け金の合計が増えるほど、加算される共済金の利率も上がる仕組みで、準共済金は元本と同額ですが、解約手当金の場合は加入期間が短いと元本割れすることもあります。
また、もしもの場合に利用できる貸付制度では、返済方法や借換方法などを選択できます。一般貸付の利率(年利)は1.5%で、傷病や災害などによる特別貸付は0.9%となり、かなり低利の資金借入が可能です。
小規模企業共済の掛け金は、全額が所得控除の対象になるため、経営者にとっては節税になるというメリットもあります。ただし加入は経営者などの個人が対象であり、会社の経費で計上することはできません。掛け金を支払ったときには、「事業主貸」の勘定科目として仕訳します。
また、貸付制度を利用した場合には「借入金」として負債に計上し、返済時には利息のみ必要経費に計上できます。
共済金を受け取るときには、すでに会社を退職していることになりますが、分割と一括(併用も可)の方法を選択できます。分割で受け取る場合は「公的年金等の雑所得」の扱いになり、ほかの公的年金と合算して控除が適用されます。
一方で、一括受け取りの場合は「退職所得」扱いです。いずれの場合も確定申告で課税対象になりますが、会社からも退職金を受け取るケースでは、分割で受け取るほうが節税になる可能性があります。
個人企業主や小規模な企業の経営者にとって、自身が退職した後の資産を準備するうえで、小規模企業共済制度は大きな助けになるでしょう。金融機関の金利よりも利率がよく、会社にとっては節税対策にもなります。
加入を考える際には、無理のない掛け金からスタートして、徐々に増やすという方法をおすすめします。途中で減額することもできますが、共済金の受け取り額に影響する場合があるため、少しずつ増額しながら長い期間続けることが上手な活用法といえるでしょう。
■参考サイト
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