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厚生労働省は8月23日、雇用政策研究会(座長:樋口美雄 慶應義塾大学名誉教授)が取りまとめた報告書を発表した。報告書では、労働市場が直面する課題に対し、国や企業などが取るべき具体的な施策を打ち出している。
同研究会では2023年6月から、将来の労働供給制約が強まる中での柔軟な働き方、多様なキャリア形成やウェルビーイングの向上に向けた取り組み、それらを支える労働市場の在り方を議論してきた。
報告書では、2040年の総人口は現在の約9割となり、およそ35%が65歳以上となると予測される。この将来推計人口に基づいて作った労働力の需給推計を踏まえながら、以下の項目について概説している。
1. 雇用を取り巻く状況の変化と雇用政策
2. 労働供給制約の下での新たな雇用政策の立案に向けて
3. 多様な個人が労働参加し、意欲を持って働ける労働市場に向けて
4. 新たなテクノロジー等を活用した労働生産性の向上
5. 労働市場におけるインフラ整備等
副題は「多様な個人が置かれた状況に関わらず包摂され、活躍できる労働市場の構築に向けて」。2040年の労働市場で人口減少を背景とした労働供給制約が見込まれる中、多様な個人が労働に参加することで経済成長が実現するよう、企業が労働者に選ばれる職場を作るための施策の方向性をまとめている。
現在の雇用情勢は、新型コロナウイルス感染症の影響で、2020年4月の緊急事態宣言後、経済縮小と回復の2つのフェーズが短期間で進行した。有効求人倍率は1.23倍で、求人は底堅く推移しつつ緩やかに回復している。

雇用情勢の推移(2006年~2024年)
完全失業率は2009年7月の5.5%をピークに減少し、2024年6月時点で2.5%に改善している。有効求人倍率は1.23倍で、求人は安定している。背景には、リーマンショック前よりも深刻化していた人手不足と、迅速かつ大規模な雇用対策があると考えられる。
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