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本日からついに新元号「令和」がスタート。4月1日の新元号発表前は連日、異常なほど、テレビや新聞で報道合戦が展開されてきました。こうしたマスコミの過熱報道も、ようやく落ち着いたようですが、改めて、元号は、誰がどのように決めているのかを振り返ってみましょう。
元号は、昭和54年(1979)に制定された「元号法」によって、「皇位の継承があった場合に限り改める」とあり、政令で定めることになっています。
帝国憲法の下では、元号制度は旧皇室典範で規定されていて、天皇がいくつかの候補の中から、最終的に決定していました。しかし、新憲法では、旧皇室典範は廃止となり、新しい皇室典範では元号に関する規定はなく、現在は内閣が決めることになっています。
その決定方法については、「元号選定手続要項」(1979年10月)に詳しく記されていて、まず、内閣総理大臣が、国文学や中国文学、歴史学者を数名選び、候補名の考案を委嘱します。委嘱を受けた学者は、複数の候補名を考案し、内閣官房庁長官に提出します。
提出された候補名は、整理・検討のうえ内閣総理大臣に報告され、内閣官房長官や内閣法制局長官らと審議を重ねて元号の原案を複数選びます。さらに、学者や文化人などの有識者による「元号に関する懇談会」、衆議院と参議院の議長、副議長の意見聴取、全閣僚会議を経て閣議を開き、「改元の政令の決定」となり、新元号の発表となります。
【候補名の検討・整理に当たっての留意事項】
1.国民の理想としてふさわしいようなよい意味を持つものであること。
2.漢字2字であること。
3.書きやすいこと。
4.読みやすいこと。
5.これまでに元号又はおくり名として用いられたものでないこと。
6.俗用されているものでないこと。
こうして「元号選定手続要項」に則って、元号が決定するわけですが、政府が一番神経をつかうのが、発表前に情報が外部に漏れないようにすることです。
そのため、懇談会のメンバーや、閣議に出席した閣僚に、携帯やスマホの持ち込みを禁止するほか、首相官邸内に盗聴器が仕掛けられていないかを入念にチェックするなど、情報管理は徹底していたようです。
ちなみに、有識者による「元号に関する懇談会」への出席者9人は、懇談会終了後、官房長官の発表が終わるまで、官邸の特別応接室に足止めされたそうです。足止めされた時間は、40分間ほどの懇談会を含め約2時間半だったようですから、メンバーに選ばれるのも“痛し痒し”というところでしょうか。
ところで、元号法によると、「皇位の継承があった場合に限り改める」とあり、必ずしも天皇の崩御によって改元となるわけではありません。
しかし、国民の多くは、天皇の崩御によって一つの時代が終わり、新天皇が即位することで、新しい時代が始まるというのが、元号への認識ではないでしょうか。
たとえば昭和天皇の崩御によって、「昭和」から「平成」への改元の際には、自粛ムードにあふれていました。今回は、「生前退位」ということで、自粛ではなくお祝いムードで沸き返っているようです。
マスコミの、異常とも思える過熱報道合戦も、お祝いムードがあったからといえるでしょう。
元号改変は、大きなイベントであり、「平成」から「令和」になることは、単に元号が変わるというだけでなく、まさに新しい時代が始まるという期待感も抱くことでしょう。
ビジネスに目を転じても、「令和」にあやかったグッズなどが、続々と登場しているようです。もっともそれは、一過性のものでしかありません。令和時代のビジネスパーソンとして、新しい時代にふさわしいビジネスの種を、この機会に探し出してはいかがでしょうか。
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