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以前に比べると社宅を提供する企業は減っているようですが、相場よりも安い家賃で入居できる社宅があることは、従業員にとって大きなメリットです。
また、会社が従業員に対して社宅を提供することは節税にもつながります。専門家の回答と合わせて、社宅を提供する場合のメリットを整理してみました。
目次【本記事の内容】
秋に支社設立の為、本社から役員1名と社員数名が地方に転勤となります。給与として課税されないよう、従業員には借り上げ社宅を用意しようと考えておりますが、役員にも同じような家賃相場の社宅を貸して本人にメリットはあるのでしょうか?
知り合いの会社の役員は、会社の節税にもなるからと駅前の広いタワーマンションのような借り上げ社宅を用意されたと言っていたので、従業員と同じでない方がいいのかと気になっています。
転勤する役員に聞いたところ「単身赴任する予定で、帰って寝るだけだから家賃の負担が少ない方が良い」とのことです。
実際に支払う家賃と従業員・役員が負担する家賃との差額は、法人の損金となる。
会社が家賃を負担することにより、通常より安い家賃で住むことができる。
また、負担する家賃については税務上の最低額であれば問題ありません。
会社が福利厚生の一環として社員に対して住宅を提供するのが社宅ですが、物件については、会社が所有している場合と、会社が借り上げる場合があります。
大規模な製造工場などを抱える大手では、工場近くに会社所有の社宅があるケースが多いです。一方で、相談者の企業のケースのように、数名の社員のためとなると、賃貸住宅などを会社が借り上げて、社宅として提供しているケースが多いようです。
社宅は、社員にも会社にとっても、メリットがあります。社員のケースと役員のケースについて、どのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。
社宅は、福利厚生が目的ですから、賃貸住宅の家賃よりは低額の家賃が設定されているのが一般的です。また、賃貸住宅を借りるときに必要な敷金や礼金、仲介手数料などの諸経費もかかりませんので、経済的にも、探す手間も省けるので、とても助かります。
社宅がない場合、多くの企業では住宅手当として家賃の一部を会社が補助していると思いますが、その場合は給与扱いとなり課税されてしまいます。
しかし、社宅を提供し、社員から一定額の家賃(賃貸料相当額以上)を受け取っていれば、給与として課税されることはありません。
賃貸料相当額とは、1~3の合計額です。
社員だけでなく、会社側にとっても財務上のメリットがあります。それは、社宅にかかる費用を福利厚生費として経費計上できるからです。また、住宅手当として支給する場合は、社会保険料もアップすることになりますが、それも節約することができます。
役員への社宅提供でも、社員と同じく一定額の家賃(賃貸料相当額)を受け取っていれば、給与として課税されることはありません。
ただし、役員の場合、提供する社宅の床面積によって賃貸料相当額の計算法は違います。床面積132㎡以下(法定耐用年数30年以下)の住宅、床面積99㎡以下(法定耐用年数30年超)の住宅は、小規模住宅扱いとなり賃貸料相当額の計算方法は一般社員と同じです。
賃貸料相当額の計算方法が一般社員と異なるのは、床面積が240㎡を超えるような大きな住宅や、立派な内外装や設備など、いわゆる“豪華住宅”を役員の社宅として提供する場合です。計算法は、国税庁のサイト、「No.2600役員に社宅などを貸したとき」、「No.2597使用人に社宅や寮などを貸したとき」に載っていますので、担当者は確認しておくとよいでしょう。
社員に相場よりも安い家賃の社宅を提供することは、社員の実質給与のアップと節税対策になるだけでなく、社員のモチベーションアップにもつながることでしょう。
近年増えているのは、賃貸住宅を会社が借り上げ、社宅として提供するスタイルですが、社有社宅は、建物や土地を会社が所有するため、会社の資産になります。それぞれ一長一短がありますので、財務部門の担当者は、自社にとってどちらが有利なのかを判断するデータを経営陣に提供できるようにしておきたいものです。
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