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企業が従業員の遅刻や欠勤を防止するための制度の一つとして、「皆勤手当」を導入しているケースがあります。
しかし、働き方の多様化が進む昨今、「皆勤手当」は時代遅れの制度と指摘されることも少なくありません。
本記事では、皆勤手当がなぜ時代遅れといわれるのかを解説し、その上で皆勤手当に代わる新しい制度についても紹介します。
皆勤手当とは、企業が定める一定期間(通常は1ヶ月間)、無遅刻・無欠勤・無早退で出勤した従業員に対して支給される手当です。
定義や支給額は企業によって異なりますが、月額5,000円から10,000円程度が一般的となっています。
この制度は日本独自の慣行として根付いており、昭和の終身雇用制度が一般的だった時代には、従業員のモチベーション維持と安定した労働力確保に有効な手段として機能してきました。
しかし、働き方の多様化が進む現代において、その役割に疑問符が付けられています。
かつては従業員の勤怠を安定させる目的で導入されていた皆勤手当ですが、現代の働き方や人事制度とはそぐわない点が増えています。
ここでは、なぜ「時代遅れ」と見なされるようになったのか、代表的な3つの理由を解説します。
テレワークやフレックスタイム制の普及により、「毎日オフィスに出勤する」ことを前提とした皆勤手当は制度として機能しなくなっています。
在宅勤務では「出勤」の概念自体が希薄になり、フレックス制では従来の「遅刻」「早退」の定義が意味を持たなくなるためです。
特にIT業界やコンサルティング業界では成果主義が浸透しており、出勤の有無よりもアウトプットの質が重視されるため、皆勤手当は実情に合わない制度となっています。
皆勤手当は時として従業員に無理な出勤を促し、健康経営に逆行するリスクを生み出します。
体調不良でも手当のために無理に出勤することで、本人の体調悪化や職場での感染拡大を招く可能性があります。
特に新型コロナウイルス感染症の流行以降、体調不良時の出勤自粛が重要な感染対策として位置づけられており、皆勤手当はこうした取り組みの妨げとなることがあります。
現代の企業評価は成果主義やジョブ型雇用へと移行しており、「出勤日数」という指標は時代遅れとなっています。
効率的に働き短期間で大きな成果を上げた社員が、たまたま体調を崩して休んだことで手当を受けられないのは、むしろモチベーションを削ぐ結果となります。
働き方改革やテレワークの普及により、「皆勤手当は時代遅れではないか」といった声も増えていますが、それでもなお制度を導入・継続している企業は少なくありません。
その背景には、いくつかの実務的メリットがあるためです。
まず、欠勤や遅刻を抑える効果があることから、出勤率が向上し、結果として安定した労働力を確保しやすくなります。
また、従業員にとっては基本給以外の確実な収入となり、モチベーションの維持にもつながります。
このように、制度への賛否はあるものの、一定の効果を理由に、皆勤手当をあえて残している企業も存在します。
皆勤手当の限界が指摘されるなかで、現代の働き方に即した新たな評価・手当制度を導入する企業が増えています。
出勤日数ではなく「何を成し遂げたか」を評価する制度への移行が重要です。
個人の目標達成度、プロジェクトへの貢献度、チームワークなどに基づく成果手当やインセンティブ制度が効果的です。
多様な働き方を支援する制度として、リモートワーク手当、時間単位有給休暇制度、選択的週休3日制、育児・介護支援手当などがあります。
これらは現代の働く環境により適合した制度として注目されています。
A: 企業によって基準は異なるため一概には言えませんが、有給休暇であれば皆勤手当の支給対象としている企業が多い傾向にあります。
ただし、当日の急な申請や遅刻分を有給扱いにしている場合などは、支給対象外となるケースもあります。
有給休暇取得義務化に伴い、制度見直しを行う企業も増えていますので、自社の就業規則を確認し、必要に応じて改定を検討することをおすすめします。
精勤手当と皆勤手当は似た言葉ですが、一般的には支給条件に違いがあります。
精勤手当は「勤務に真面目に取り組んでいること」を評価する手当であり、多少の欠勤や遅刻があっても支給される場合があります。
一方で、皆勤手当は「一定期間、無欠勤・無遅刻・無早退」であった場合に支給されることが多く、より厳格な基準で支給されるイメージです。
ただし、これらの手当は法的な明確な定義がなく、企業ごとに呼び方や支給条件はさまざまです。
実務では「精勤手当」「皆勤手当」をまとめて「精皆勤手当」と呼ぶこともあり、その基準や金額は会社の就業規則や賃金規定によって異なります。
皆勤手当は、多様な働き方が浸透し、有給休暇取得が義務化された現代においては時代遅れの制度と言われることが増えました。
無理な出勤を促し健康経営に逆行するリスクや、従業員のモチベーション低下も懸念されます。
これからの企業には、「出勤」という行為ではなく、従業員の成果や貢献を正しく評価し、それに見合った報酬を与える仕組みが求められています。
制度変更には従業員への十分な説明と、社労士などの専門家との連携が不可欠です。
現代にふさわしい効果的な制度設計への転換は、企業が優秀な人材を惹きつけ、持続的成長を実現するための重要な人財戦略となるでしょう。
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