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上場企業で人事としてのキャリアを積んできた皆さまの中には、「もっと経営の根幹に関わりたい」「人事制度をゼロから創り上げる経験がしたい」とお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そのような希望を持った場合、スタートアップ企業や成長著しいベンチャー企業に転職するという選択肢があります。
中でも、IPO(新規株式公開)準備企業は、プライベートカンパニーからパブリックカンパニーに企業が大きな変革をすることが求められます。
そのため、人事も必然的に経営管理体制をアップデートするために、非常に重要な役割が求められます。
しかし、多くの人事の方は「IPO準備」と聞くと、具体的にどのような業務が待っているのか、自身の経験が活かせるのか、不安を感じる方もいるかもしれません。
本記事では、MS-Japanの転職支援実績に基づき、IPO準備企業で人事に求められる具体的な役割、転職に必要なスキル・経験、そして転職を成功させるためのポイントを徹底的に解説します。
IPO準備企業の人事の役割とは、企業が上場基準を満たし、持続的な成長を遂げるための「組織の土台づくり」を経営陣と一体となって担うことになります。
役割をより具体的に定義すると、 IPO準備フェーズでの人事は、上場審査基準と事業計画に基づき、企業経営に必要なあらゆる「仕組みの『設計』と『構築』」に携わります。
このフェーズでの人事業務は、単なる「管理・運用」ではなく「経営戦略と直結する組織体制と仕組みづくり」そのものを実行することが求められます。
上場審査に向けて人事が最初期に最優先で着手すべき、かつ最も時間と労力を要する整備項目は、「残業制度の設計と運用実績のクリアランス」と「評価制度の設計」です。
多くの未上場企業で曖昧になりがちなのが「残業代の適正な支払い」です。
特に、みなし残業制を採用している場合、その計算根拠や運用実態が労働基準法の原則に沿っているか、細部にわたってチェックが入ります。
たとえば、「みなし残業時間を超えた分の賃金が適正に支払われているか」や「裁量労働制が適用される職種・役職の範囲が法令通りか」など、過去に遡って是正対応が必要になるケースも珍しくありません。
この労務コンプライアンスの徹底は、上場企業の信用を裏付ける基本中の基本であり、審査において厳しく問われる最重要項目です。
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IPO準備企業における採用は、整えられた環境で「運用」するのではなく、未整備な環境で「仕組み」から創っていくことが求められます。
そのため、候補者に求められるのは、「仕組みをゼロから創る姿勢」、つまり「自ら課題を見つけ、解決策を設計・実行する自走力」です。
上場審査では、事業計画の達成可能性だけでなく、それを支える人員計画の実現性も厳しく問われます。
人事には「事業計画と連動した精緻な採用計画の策定」が求められます。
特に監査法人や証券会社との折衝を担う経理・法務などの管理部門の強化採用は、上場スケジュールに直結する最重要ミッションとなります。
採用対象者について「安定志向」や既存制度への適合のみを期待する「オペレーション志向」ではなく、「なぜ今、その人が必要なのか」を経営層と深く議論し、「理想の組織体制」をゼロから構想する気概と実行力が、管理部門採用の成功を左右します。
未上場企業では曖昧になりがちな人事制度を、公平性・透明性をもって整備することが求められます。
具体的には、等級制度、評価制度、報酬制度などを事業の成長フェーズに合わせて再構築します。
また、人事の側面からも内部統制報告制度(以下「J-SOX」という)に準拠した業務フローを整備し、採用・退職プロセスや給与計算プロセスにおける承認ルートやチェック機能を明確にする必要があります。
IPO準備企業に転職を成功させる人事に最も必要なのは、「法令遵守の知識」と「経営戦略と直結する制度設計能力」、そして「高度なステークホルダー調整力」です。
上場準備におけるコンプライアンスは生命線であり、人事は労働法令に関する深い知識と実務経験が必須です。
特にJ-SOXの直接経験がない場合でも、人事として「内部統制の理解がある」と判断するための具体的な経験は「部門間の業務フローの設計」経験です。
たとえば、「入社・退社プロセスにおける複数人でのチェック体制の構築」や、「給与計算における承認プロセスの明確化」など、「誰が、いつ、何をチェックし、承認するのか」という統制ポイントを設計した経験は、そのままJ-SOXの概念に直結します。
大企業でこうしたフローを「運用」していた経験も、スタートアップで「設計」する際の基礎となります。
IPO準備企業では、人事の仕事が事業成長に直結します。
求められるのは、経営層が描く事業計画を深く理解し、その実現に必要な人員構成を数値で裏付けて計画する能力です。
単なる求人充足率だけでなく、採用KPIの設計と管理を通じて、計画の実行可能性を高める経営参画意識と戦略的な視点が重要となります。
監査法人や証券会社からの指摘を現場に「対話」を通じて浸透させる姿勢が極めて重要です。
指摘された内容を背景や意図を理解せずに機械的に伝えてしまうと、現場は混乱したり、反感を買ったりする可能性があります。
人事に求められるのは、現場の実態(業務負荷、過去の経緯)を深く理解した上で、「なぜこの制度が必要なのか」「この変更が会社とあなた自身の将来にどう役立つのか」という本質的な意義を、現場の言葉で説明し、対話を重ねていくコミュニケーション能力です。
厳しい指摘を「会社の未来のための共通課題」へと昇華させるファシリテーション能力こそが、IPO準備人事の要諦です。
後編では、IPO準備企業に転職するメリットと留意点に加え、面接での伝え方・職務経歴書の書き方と評価されるエピソード設計、さらに転職成功事例までを解説します。
後編は、管理部門・士業特化型転職エージェント「MS-Japan」のサイトにて公開中です。
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