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企業の再編や事業の統合、経営不振となった企業の救済、さらに後継者不在の企業に対して、存続とさらなる発展を求めて、M&A(合併や買収、提携など)が盛んに行われています。経済産業省は、「公正なM&Aの在り方に関する指針」を策定し、公表しました。
M&Aが公正に行われるのであれば、譲渡する企業も譲り受ける企業も、また関係者にも大きなメリットをもたらします。
グローバル化が進むなか、国際競争力をつけるための合併や再編、破綻した企業の再生、あるいは、中小企業の後継者問題の解決などとして、M&Aは有効な手段の一つとされています。
一方で、支配株主と従属会社との関係において、公正な手続きが行われているかどうかが課題となっています。公正な手続きにより、M&Aによる一般株主の利益が確保され、企業価値があがってこそ、M&A本来の目的が達成されます。
公正なM&Aのため、買収の意義と課題について論点を整理し、原則論を含む基本的な方針と、その考え方に基づいた実務上の対応について示したのが、「公正なM&Aの在り方に関する指針」です。サブタイトルには“企業価値の向上と株主利益の確保に向けて”がつけられています。
今回策定された指針の元になったのは、2007年に“経営者による企業買収(MBO:マネジメント・バイアウト)に関する公正なルールの在り方”を提示するために策定した「企業価値の向上及び公正な手続き確保のための経営者による企業買収(MBO)に関する指針」です。
この指針を策定した後、2018 年に会社法研究者、機関投資家、企業実務家、弁護士などの有識者からなる「公正なM&Aの在り方に関する研究会」が立ち上げられ、諸外国の法制度や実務、国内外の関係者の意見を踏まえ、M&Aを健全な形で発展させていく観点から検討が行われてきました。
そこで指摘されていたのが、コーポレートガバナンス改革の進展による上場企業を取り巻く環境の変化や、支配株主による従属会社の買収など、MBO以外の利益相反構造のあるM&Aについても論点整理を行うべきというものです。
こうした指摘を踏まえ、支配株主による従属会社の買収を中心に、共有すべき公正なM&Aの在り方として、原則論を含めた考え方の整理と、その考え方に基づいた実務上の対応について、MBO指針を改訂したものが、「公正なM&Aの在り方に関する指針」です。
MBO(マネジメント・バイアウト)について補足説明を加えると、現在の経営者が全部または一部の資金を出資し、事業の継続を前提として、一般株主から対象会社の株式を取得することです。
わが国の企業を取り巻く経営環境は、いま、大きな変化を遂げようとしています。これまでの日本型のビジネスモデルでは、グローバル化には通用しない面もあり、M&Aなどを有効的に活用することで持続的な成長を目指すなど、新たなビジネスモデルの構築が重要となっています。
そのためにも、企業価値の向上と株主利益を確保するという、M&Aの原則を踏まえた公正な取引が、ますます求められることになるではないでしょうか。
M&Aは「Mergers(合併)and Acquisitions(買収)」の略ですが、これまでの日本では、“買収”という言葉の持つ響きのせいか、あまり好意的に受け止められてはいなかったようです。
M&Aが健全で国内外に開かれた形でさらに発展していくことが期待される中、M&A実行の中心的役割を担う経営者や管理部門の担当者、そしてサポート役となる公認会計士などの専門家の役割は、ますます大きくなるのではないでしょうか。
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