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世界で比べる、消費税の税率ランキング

公開日2019/11/19 更新日2023/09/08
世界で比べる、消費税の税率ランキング

2019年(令和元年)10月1日、いよいよ日本の消費税が8%から10%に引き上げられました。消費税は、国の政治・財政次第で決まるものでもありますが、世界各国の消費税はどうなっているのでしょうか。今回は世界の消費税の税率ランキングについてみていきましょう。

世界で比べる、消費税の税率ランキング

消費税が導入されている国は、世界で152ヵ国といわれています(全国間税会総連合会より)。

消費税は大きく分けると「標準税率…商品の購入やサービスを受ける時にかかるすべての税金」、「軽減税率…特定の品目に税率を抑えてかける税金」に分けることができ、これまでの日本の消費税は標準税率のみでしたが、今回の消費増税の際に2種類の消費税が導入されました(対象項目内容の詳細は各国で違います)。

では、消費税がある主な国の国際比較による税率ランキングを高い順から列挙していきましょう。(※2019年1月、財務省調べ)

<標準税率>

1位27%ハンガリー
2位25%デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、クロアチア
3位24%フィンランド、ギリシャ、アイスランド
4位23%アイルランド、ポーランド、ポルトガル
5位22%イタリア、スロベニア
6位21%ベルギー、チェコ、オランダ、スペイン
7位20%オーストリア、フランス、スロバキア、ブルガリア、イギリス
8位18%ドイツ、キプロス、マルタ、ルーマニア
9位17%ルクセンブルク、イスラエル
10位16%メキシコ、中国
11位12%フィリピン
12位10%オーストラリア、韓国、カンボジア、インドネシア、ラオス、ベトナム、日本
13位7%シンガポール、タイ
14位5%台湾、カナダ(※1)
15位0%クウェート、カタール、オマーン、バーレーン

※1 カナダでは連邦消費税(GST)は全土一律5%と定められておりますが、州によっては、さらに州税(PST)が課税されたり、ハーモナイズド消費税(HST)と呼ばれる別の税率が定められていたりし、税率は州により異なります。

<軽減税率>

1位25%デンマーク※標準税率と同じ
2位21%ラトビア、リトアニア
3位20%エストニア、ブルガリア
4位19%チリ
5位18%ハンガリー
6位15%チェコ、ニュージーランド、ノルウェー
7位14%フィンランド
8位13%ギリシャ
9位12%スウェーデン
10位11%アイスランド
11位10%オーストリア、イタリア、スロバキア、スペイン、中国
12位9.5%スロベニア
13位9%オランダ、ルーマニア
14位7%ドイツ、シンガポール
15位6%ベルギー、ポルトガル
16位5.5%フランス
17位5%ポーランド、ベトナム
18位3%ルクセンブルク
19位2.5%スイス
20位1%トルコ
21位0%アイルランド、イギリス、マルタ、オーストラリア、カナダ、イスラエル、メキシコ
22位非課税カンボジア、インドネシア、ラオス、フィリピン、タイ、台湾

※消費税ではない、「売上税」や「使用税」などが州・群・市ごとで違うアメリカは除外

※※州税など地域により異なる税率が課されている場合や、税率が変更になっている可能性がございます。各国の現時点での税率については念のため関連省庁、各国関連機関等にご確認ください。

ここから傾向として読み取れることは、大方、北欧を中心としたヨーロッパ諸国の消費税は高めであり、アジア諸国では低いということでしょう。なぜ、こうなるのかを考えてみます。

消費税率が北欧圏で高く、アジア圏で低い理由

消費税率に差がついている大きな理由としては、給与水準の差が挙げられます。下記の表の通り、北欧や東欧諸国に比べ、アジア圏では日本だけがかろうじて20位内に入っている状況です。

給与水準が低ければ、消費税をはじめとする税収が少なくなるのは当然で、国の財源による保障部分に差がつくことは想像に難くないでしょう。

また、北欧圏とアジア圏では税収についての考え方の違いもありそうです。北欧圏に高福祉国家が揃っていることはよく知られていますが、高福祉であるならば、税金の高負担は当然であるという意識が国民に根づいており、消費税が上がる際にも国民がある程度納得している点が大きいでしょう。消費税などの税収がどう使われているかの「目に見える化」の政治が実行されていることも影響しているでしょう。

それに比べてアジア圏、例えば台湾では、消費税を現在の5%から6%に引き上げようとした時に、そもそも政界での反対で撤回になったり、タイでも消費税の引き上げが景気低迷のためにたびたび延期されている状況だったり、日本でも政界と国民の間で選挙の駆け引きを繰り返しながら(消費税が導入されたのは約30年前)、やっと今回の税率(8%、10%)までたどり着いた状況だったりと、一筋縄ではいかない事情があるのです。給与も上がらないために消費税の1~2%の引き上げに抵抗感があり、社会保障も一向に進展していかないというジレンマに陥っているのがアジア圏の実情ではないでしょうか。

消費税率が高い国の税金の使い道

全世代の国民から幅広く徴収される消費税ですが、消費税率が高い国の国民はどう納得しているのでしょうか。そこで、消費税率が高い上位国において、主な税金の使い道を見ていきますが、生まれてから亡くなるまでの生活に必要な福祉関係の充実がよくわかる結果となっています。

ハンガリー義務教育費無料、公的医療費無料
スウェーデン大学までの教育費無料、20 未満の医療費無料、成人医療費・介護サービス金額の自己負担軽減
ノルウェー大学までの教育費無料、医療費は12歳、歯科費は18歳まで無料、出産関連医療費無料
フィンランド教育費・医療費無料、高速道路・国営放送無料
デンマーク教育費・医療費無料、失業時は最大で前職の給料の9割を保証

消費税だけではなく、他の税金も使われていますから、国民の税負担はもっと大きいはずですが、国民の納得度は高いのです。人生を心配なく暮らせる安心感がそうさせるのでしょう。

ちなみに、日本では教育費や生涯医療費がどれくらいかかっているかというと、教育費は、公立や私立(大学では理系や文系)への進学の違いにもよりますが、幼稚園(3歳)~高校まで約540~1,770万円、大学進学約539.9~約1227.3万円(医歯系除く)との試算があります。

※文部科学省 平成28年度子供の学習費調査

日本政策金融公庫「平成30年度 教育費負担の実態調査

文部科学省「平成29年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額の調査結果

生涯医療費は、平均2,500万円(男性2,400万円、女性2,600万円)、生涯の平均自己負担額は500万円前後との試算があります。

※2011年の厚生労働省の推計

厚生労働省保険局調査課「医療保険に関する基礎資料~平成23年度の医療費等の状況~」(平成25年12月)

厚生労働省ウェブサイト「我が国の医療保険について」

全額保障でなくても、ここまで人生にかかる金額を国が負担してくれるとすれば、税負担に納得する国民が多いというのもうなずけるのではないでしょうか。

まとめ

国家施策で何かをしようとすれば、潤沢な財源がない限り、どの財源から…という話はどこの国でも同じです。消費税も財源の一つですが、国ごとに商品やサービスに細かい税率に分かれ、どう使われるのかはその国の政策次第になります。今回、日本の増税では、幼児・保育・高校の無償化などの子育て世代に重点を置いた社会保障が始まりましたが、混乱の真っ最中です。今後、消費税は北欧圏のように20%台になるという予測もあり、使い道が北欧圏のように納得できるのかは、国民が注視していかなければならないでしょう。

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