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人権擁護機関の「人権侵犯事件」に対する取組状況

公開日2020/05/29 更新日2020/05/30

平成31年・令和元年における、法務省の人権擁護機関の「人権侵犯事件」に対する取組状況が公表されました。新型コロナウイルス感染症の治療にあたる医療従事者や、その家族が不当な扱いを受けるなどの人権問題も起きています。セクハラやパワハラなども増加していることから、ビジネスパーソンとして人権問題を考えなおすきっかけにしてはいかがでしょうか。

多発するインターネット上の人権侵害事件

法務省の人権擁護機関は、人権侵犯事件調査処理規程(平成16年法務省訓令第2号)に基づき、人権を侵害されたという申告などを受け、その被害の救済や予防に努めています。   新規救済手続開始件数は15,420件で、処理件数は15,404件となっています。

新規救済手続開始件数から見える、平成31年・令和元年の特徴は、インターネット上の人権侵害情報に関する事件数が、平成29年に次いで過去2番目に多い1,985件となっている点です。そのうち、セクシャル・ハラスメントに関する事件数は445件で、前年より8.5%も増加しています。

内訳は公務員等の職務執行に関する人権侵犯事件数が4,512件、私人等に関する人権侵犯事件数10,892件で、処理別内訳では「援助」が13,823件と、全処理件数の89.7%を占めています。

新規に救済手続を開始した人権侵犯事件数のうち、処理規程第22条に規定されている重大な人権侵犯事件「特別事件」の件数は、1,598件で前年より17件増加しています。

労働権関係事案の7割がパワハラ事案

労働権関係事案は1,836件で、全事件数の11.9%となっています。そのうち、パワー・ハラスメントに関する事案は1,287件で、70.1%という高い比率となっています。

また、全事件数の10.7%を占める強制・強要事案は1,647件で、このうち、セクシャル・ハラスメントに関する事案は445件(対前年比8.5%増)です。全事件数に占める割合は27.0%と、前年に引き続き増加傾向を示しています。

職場の上司による部下に対するセクシャル・ハラスメントで、法務局に相談が持ち込まれた具体例として、新年会の帰りに性的発言を繰り返した行為です。

法務局が調査をした結果、上司は部下に謝罪したものの、セクシャル・ハラスメントに対する認識が不足していることが認められ、法務局は「被害者個人の尊厳を傷つけるとともに、就業環境を害する行為である。今後、同様の行為を繰り返すことのないように説示」という措置をとりました。

ダイバーシティに逆行する差別待遇事案の増加

ビジネスシーンでの人権問題は、セクシャル・ハラスメントやパワー・ハラスメントだけではありません。

いまや、人種や国籍、言語、性別、年齢、容姿、障害の有無などの外見的な違いや、価値観、宗教、生き方、考え方、生活、性的指向、趣味、好みなどの内面的な違い、つまり多様性を受け入れるダイバーシティ(Diversity)が、経営にも活かされる時代です。

ダイバーシティを経営に取り込むことは、女性やマイノリティの積極的な採用など、人種や宗教による差別のない処遇実現に向けて、アメリカから広がった取り組みです。

日本では、主に性別や働き方、障害者採用などで使われることが多いのですが、 “多様な人材を活かす戦略”として、世界のスタンダードになりつつあるのがダイバーシティ経営です。

ところが、差別待遇事案が636件あり、全事件に占める割合は4.1%となっています。内訳は、同和問題・部落差別に関する事案(221件)、障害者に関する事案(163件)、外国人に関する事案(72件)、高齢者に関する事案(32件)、HIV感染者に関する事案(16件)、性的指向に関する事案(6件)、性自認に関する事案(6件)となっています。

外見上や内面的な違いにかかわりなく、すべての人が、それぞれの持てる力を発揮できる社会を目指している動きからすると、日本での「人権侵犯事件」が増加している傾向は、決して見逃すことができないのではないでしょうか。

まとめ

子育てや介護が必要な家族を抱えていても、時間や場所にとらわれない働き方ができるように、働き方改革に取り組む企業が増えています。ビジネス環境が大きな変化を遂げようとしている今、これまでの価値観や発想にとらわれることなく、変化に迅速かつ柔軟に対応していくことが、ビジネスパーソンにも求められているのではないでしょうか。

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