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人手不足から、これまでは売り手市場だった就活戦線が、新型コロナウイルスの感染拡大によって、雇用環境が大きく変動していることが、帝国データバンクの「2021年度の雇用動向に関する企業の意識調査」によって明らかになった。
2021年度に正社員の採用予定がある企業は55.3%で、前回調査(2020年2月)から3.9ポイント減少し、2012年度(54.5%)以来の水準まで低下している。
企業規模別では、「大企業」が79.5%(同3.4ポイント減)で8年ぶりに8割を下回り、「中小企業」は50.2%(同3.4ポイント減)となるなど、正社員の採用については、規模を問わず慎重な姿勢を示していることがうかがえる。
また、正社員の採用見込みを新卒新入社員と中途社員に分けると、新卒新入社員が39.1%、中途社員が45.0%である。大企業では新卒、中小企業では中途採用の割合が高くなっているが、中小企業では、「社員への教育にかける時間がないため即戦力を求める」傾向があることもわかった。
一方、非正規社員の採用予定がある企業は36.8%で、前回調査から7.4ポイントの大幅減となり、9年ぶりの3割台まで減少した。
業種別では、深刻な人手不足状況にあった「飲食店」が73.1%でトップとなり、次いで、スーパーマーケットなどを含む「各種商品小売」が69.6%で続いている。
また、2021年4月より新たに努力義務となる「70歳までの就業機会確保」への対応については、「70歳までの継続雇用制度の導入」が25.4%で最も高く、「もともと70歳まで働ける制度がある」は16.4%、「(現時点で)対応は考えていない」は32.4%である。
高年齢者の雇用に関しては、技術の継承や人手不足を補う存在として必要であるとする意見がある一方で、就業者の働きたい年齢を問わず65歳から70歳へと一律に引き上げることや、業種別で分類せずに制度を設けることに疑問を呈する意見も多くみられた。
2020年の有効求人倍率は大幅に低下し、新規学卒者の就職内定率も大きく低下するなど、雇用環境が大きく変化している。さて、コロナ禍の収束が未だ見通せないこれから、どのような状態になっていくのか、採用担当者としても注視する必要がありそうだ。
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