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“育休”に積極的かどうかが、企業の評価にも影響する時代となったが、「令和2年度雇用均等基本調査」(厚生労働省)によると、2020年度の男性の育児休業取得率は12.65%と、依然として低い状態だ。
しかし、2022年4月から男性の育休取得に関する措置が義務化となり、2022年10月1日からは、子の出生から8週間の間に4週間分の休業(分割取得も可能)が認められる「産後パパ育休」も施行となる。
これで、男性の育休取得をめぐる環境の改善につながると期待する声もあるが、サイボウズ チームワーク総研の「男性育休についての意識調査」によると、育休希望社員と上司の間には、育休期間に対する大きなギャップがあることが判明した。
調査方法:パネルを活用したインターネット調査
調査期間:2022年4月15日(金)~20日(水)
調査対象:部下に男性正社員/公務員をもつ上司(課長職相当~経営者):2,000名
将来、育児休業取得意向のある男性正社員/公務員:1,000名
上司が理想とする男性の育休の許容期間でもっとも多いのが「1週間未満」の20.8%で、「1か月未満」までを合算すると58%である。一方、育休取得希望者が育休の理想とする期間は、「1週間未満」はわずか5%で、「1か月未満」までの合算でも30.4%である。「1か月以上」が約70%で、その中で「半年から1年未満」は30%を超えている。
そもそも1週間程度の休暇が、“育休”の名に値するかどうかは大いに疑問だ。
育休取得希望者は、できるだけ長期間の休暇がほしいところだろう。しかし現実的な取得期間を聞いた結果をみると、上司の結果は理想とする期間とほぼ同様の結果であったのに対し、育休取得希望者は「1週間未満」の36.9%が最多で、「1か月未満」の合算が70%超である。この結果から、現実的に考えると上司よりもむしろ社員の方がシビアにとらえていることも明らかになった。
つまり、法整備によって育休が取得しやすい環境が整いつつあるといっても、職場には育休による長期間の離脱を歓迎しないという空気が、まだまだ流れているということでもある。
上司の立場で言えば、1人欠けることでの人員の調整や、業務引き継ぎへの懸念があるのだろう。社員の立場からは休業中の収入保障や、職場復帰後の昇進や昇給といった評価に対する不安も、なかなか長期間取得を言い出せない要因になっているようだ。
では、男性が育児や家事に積極的に参加するためには、何が必要なのだろうか。余裕ある人員配置ができればいいが、人手不足が叫ばれているだけに、それは現実的と言えそうにもない。
しかし、フレックス制やテレワークなどを導入することでも、男性の育児・家事への参加を促すことができるのではないだろうか。柔軟な働き方が選択できる職場環境の整備を、男性社員の育休をサポートするという観点から見直すことが、これからの企業に求められることになりそうだ。
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