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業種や企業規模で異なる経理の業務内容とは?

公開日2018/10/29 更新日2018/12/19

経理の業務内容は、業種や企業規模によってどのような違いがあるのでしょうか?経理の業務は、基本的なところは共通です。しかし、会社の業種や規模によりそれぞれの違いもあります。どのような違いがあるのかを見ていきましょう。

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経理の基本的な業務とは?

経理の業務とはどのようなものなのでしょうか。業種や企業規模によらない経理の基本的な業務内容について詳しく紹介します。

会社のさまざまな活動を数字にするのが経理の業務

会社とは、人・物・金・情報などの自社で保有する経営資源を使い、利潤を生み出すためのさまざまな活動を行なうところです。経営資源は有限ですので、それを効果的に使うための意思決定を経営者が行なうためには数字の裏付けが必要です。

経理は、会社のさまざまな活動を数字として記録します。それを経営者に提供することにより経営者の意思決定を支援するのが経理の業務です。

経理業務の分類

経理の業務内容は多岐にわたります。それらを大きく分類すれば、次の3つとなるでしょう。

1.取引内容の数値化

会社の各部門で行なわれた活動を伝票として数値化し決算書にまとめます。具体的には、

  • 毎日の売上と経費の記録
  • 原価計算
  • 決算書の作成

などです。

2.お金の流れを管理する

お金は、会社にとって「血液」ともいえるものです。お金の流れが止まってしまえば、会社は倒産することもあります。経理はお金の流れを管理することにより、会社の活動が順調に進められるようにします。具体的には、

  • 現金・預金の出し入れ
  • 小切手や手形の発行・保管・回収
  • 売掛金と買掛金の管理
  • 資金繰り、資金計画

などです。

3.経営者の意思決定支援

会社の経営者は、経理が報告した数字に基づき経営に関する意思決定を行ないます。経理は、

  • 経営情報の分析
  • 分析資料の作成

などを行なうことにより意思決定を支援します。

日単位・月単位・年単位の経理業務

経理業務は、日単位・月単位・年単位の業務に大きく分けることができます。次にそれらを見ていきましょう。

1. 日単位の経理業務

日単位の経理業務として、

  • 現金や預金・小切手・手形の管理
  • 立替経費の精算
  • 伝票の記帳と整理
  • 受注や発注・売上の管理
  • 請求書や領収書の発行
  • 売掛金と買掛金の管理
  • 在庫の入出庫管理
  • 取引先の信用調査

などがあります。

2.月単位の経理業務

月単位の経理業務は、

  • 月次試算表の作成
  • 給与の計算および支給
  • 資金繰り表の作成
  • 原価計算

などがあります。

3.年単位の経理業務

年単位の経理業務は、

  • 商品の棚卸や減価償却費の計算など決算整理
  • 決算書の作成
  • 開示書類の作成
  • 税務申告

などがあります。

業種による経理業務の違い

ここまで、経理の基本的な業務内容を見てきました。それでは、経理の業務内容が会社の業種によってどう違うのかを見てみましょう。

小売業

小売業では、さまざまな商品を仕入れ、在庫として保管したのち販売します。したがって、仕入管理および販売管理が経理の業務としても大きなウエイトを占めます。

・仕入管理

仕入管理の業務全体の流れは、

1.見積依頼

2.取引条件などを定めた購入契約の締結

3.発注

4.入庫・検収

5.支払い締め

6.支払い

となりますが、経理が主に関わるのは、支払い締めと支払いです。

・販売管理

販売管理で経理が特に関わるのは、代金の回収の部分となるでしょう。スーパーマーケットなど現金販売が主の業態であれば代金の回収は販売時に完了しますが、売掛金や手形による販売の場合はそれらの管理も経理の業務となります。

製造業

製造業では、原材料を購入し、自社の工場で製造を行ない、完成した製品を販売します。したがって、製品を作るために必要とされた費用を計算する「原価計算」が経理では必要です。

原価を計算するためには、次の手順が踏まれます。

1.費目別原価計算 …材料費・労務費・経費を、製品ごとに把握できるものとできないものに分類する。

2.部門別原価計算 …製品ごとに把握できない原価について一定の基準のもとに製品に按分する。

3.製品別原価計算 …1と2を総合し、個々の製品の原価を算出する。

建設業

建設業では製造を行ないますので、経理にとっては正確な原価計算は欠かせません。また、建設業では、受注から引渡しまでの期間が長いことが特徴です。そのため建設業では、引渡し前の工事において、工事の進捗度合いに応じて売上を計上していく「工事進行基準」が採用されます。

工事進行基準では、決算期末における工事進捗度合いにより工事収益の一部を当期損益計算書に計上します。その他にも、建設業会計では、簿記で一般的に使われる勘定項目名とは異なるものがありますので注意しましょう。

金融業(銀行)

銀行ではお金を直接取り扱いますので、会計基準が通常の会社とは異なると思う人もいるでしょう。しかし、銀行の経理も一般の企業と同様、会社法や金融商品取締法などに基づきますし、会計基準も「企業会計基準」にしたがいます。したがって、銀行の経理が他業種の経理と比べて大きく異なることはありません。

ただし、ずさんな経営などにより銀行が経営困難に陥れば、損害を多くの人に与えますし社会的な影響も大きくなります。そのために、銀行に対する規制・監督は銀行法や国際基準によって強化されています。

不正などを防止するため、銀行は内部監査だけでなく、公認会計士による監査が必要とされています。また、公認会計士が行なう監査も金融庁の諮問機関が作成した基準にしたがい、透明性が担保されるようになっています。

企業規模による経理業務の違い

経理は、会社の業種によってさまざまに違うことがあります。それでは、企業規模により、経理はどのように違うのでしょうか?

中小企業の経理業務

中小企業の経理では、大企業のように総務や人事、労務などと分かれていないところが多いでしょう。したがって、業務範囲が広いことが中小企業の経理業務の特徴です。経理の仕事と併行しながら、給与計算や人事の業務、クレーム処理などにも対応しなければならないことも多くあります。

従業員が30人以下などの小さな会社の場合なら、1人の経理担当者が総務、人事、労務のすべてを兼任しているケースもあります。時には経営者からのアドバイスを求められることもありますので、幅広い業務知識と柔軟な対応力が必要とされるでしょう。

上場・大企業の経理業務

上場・大企業では、経理と総務、人事、労務などは独立した部署になっていることが一般的です。したがって、経理部門が経理以外の業務を行なうことはないといえますが、その分、より専門的な知識が要求されます。

特に、上場・大企業の場合には、年次ごとに有価証券報告書、四半期ごとに決算短信などの開示書類を経理で作成しなくてはなりません。金融庁や株主、投資家など外部に公開する開示書類は、小さなものでも間違いがあってはなりません。したがって、業務の正確さが求められます。

さらに、開示書類を作成する際には社内の他の部署から情報を収集しなくてはなりません。そのために、他部署との調整能力も必要とされるのです。

まとめ

経理の基本的な業務内容は共通であるとはいうものの、業種や企業規模によりさまざまな違いもあります。製造業では原価計算を行なわなくてはなりませんし、建設業では工事進行基準にしたがって売上を計上します。中小企業では幅広い知識と柔軟な対応力が要求されるのに対し、上場・大企業では高度な専門性と業務の正確さ、さらには他部署との調整能力が必要とされます。どのような業種・規模の会社を選ぶかは、自身の適性とあわせて考えることが大切だといえるでしょう。

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