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経費精算するにあたり「領収書に必要な記載事項ってなに?」「経費にできる費用とできない費用の違いは?」と思い、処理に迷う方が多いのではないでしょうか。
領収書はすべて経費精算に使用できるわけではなく、領収書をあいまいに処理してしまうと面倒なことになりかねません。
本記事では、経費精算に領収書が必要な理由を説明し、領収書の書き方や注意点について解説します。
経費にできる費用とできない費用については事例を上げて具体的に紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
なお、経費精算の業務フローや課題については、下記の記事で紹介しています。経費精算業務の基本知識について知りたい方は、併せてお読みください。
目次【本記事の内容】
経費精算において領収書は以下の3つの理由から必要です。
①支払いや請求を証明する
②経費の不正利用を防ぐ
③経費として計上することで支払う税金を抑える
領収書の必要性を理解することで経費精算の処理をスムーズに進められるので、正しく理解しましょう。
領収書は支払いや請求が済んでいることを証明する公的な書類のため、経費精算には領収書が必要です。
領収書に必要な情報は、次のとおりです。
●支払い金額
●日付
●相手先
●品名
●数量
以上の情報が記載された領収書がないと、支払った事実を客観的に証明できません。
領収書を提示することで代金の二重払いや過払いを防ぎます。
ただし、すべての領収書が必要経費として認められるわけではないので注意が必要です。
経費精算において領収書は、正しい用途に使われているかを確認するために必要です。従業員が支払った金額よりも高い金額を請求し、差額を手に入れようとする不正を働く可能性があるからです。
不正を防ぐためにも領収書を提出してもらうことで経費の妥当性を確認します。
たとえば、出張経費の場合、交通費や宿泊費などの詳細が領収書に記載されているため、経費の正しい用途をチェックできます。
正しい用途への支出を確認し、適切に経費を精算しましょう。
領収書は節税対策のためにも必要です。経費で落とす際には、証明として領収書が必要となります。「経費で落とす」とは、確定申告において経費を計上することを指す表現です。
個人事業主や企業が支払う税金は、売上から経費を控除した収益に対して課税されるため、適切に経費を計上する必要があります。
領収書をもらい忘れてしまった場合、経費で落とせず、本来支払う必要のない税金を納めなければなりません。
また、税務当局は、経費の妥当性を確認するために領収書を要求することがあります。領収書を適切に管理し、必要な場合に提出できるように保管しておくことが重要です。
経費精算で領収書に必要な記載事項は、消費税法第30条9項1号に定められています。
必要な記載事項は以下のとおりです。
上記の記載事項は経費の妥当性を確認するために重要なので、どれも正しく記載することが大切です。
領収書は正確に記載することが大切で、とくに注意したいことは次の2つです。
●但し書きは具体的に記載する
●宛名は省略しない
不正確な領収書を経費計上した場合、税務調査で不正を疑われるリスクがあるので、適切に記載しましょう。
但し書きは、品目や用途が具体的にわかるように記載してください。
多くの場合、但し書きに「お品代」という表記をしていますが、用途がわかりづらく、税務調査で不正を疑われる可能性があります。
たとえば、次のように明示しましょう。
●飲食代
●書籍代
●文房具代
●ギフト代
●消耗品費
仕事に関連する品目や用途の場合は、証明が難しい場合でも詳細なメモを追記することが有効です。「株式会社〇〇の〇〇様との商談」や「株式会社〇〇の〇〇様への贈答品」といった具体的な情報を記載しましょう。
交際費に関しては、税務署が詳細にチェックする可能性があるので、疑われないようにメモを追記しておくことがおすすめです。
宛名は省略せずに、正確に記載してください。領収書には宛名がない、もしくは上様と書かれていても有効ですが、税務調査時に使用目的を疑われて追及を受ける可能性があります。
追及されないようにするには、できるだけ社名と氏名を記載した宛名入りの領収書を用意することが大切です。とくに高額な領収書の場合は、税務調査時に支出の妥当性を確認するために注意が払われるので、宛名が記載されているか確認しましょう。
ただし、領収書に宛名が記載されていないからといって、自分で書いてはいけません。領収書の改ざんにあたるため、法的に認められずに無効となってしまいます。取引先に書き直してもらうか、再発行してもらいましょう。
「領収書をもらい忘れた」「紛失した」「そもそも発行してもらえない」といった場合でも、次の3つの方法で領収書の代替として経費精算が可能です。
①領収書の代わりとなる書類を用意する
②出金伝票に記載する
③レシートで代用する
それぞれ詳しく解説するので、領収書がない場合でも慌てずに対処してください。
領収書の代わりとなる書類として、以下のようなものがあります。
上記の代替書類は、支出や購入の証明を提供するために使用できます。
書類が用意できない場合や書類の信ぴょう性を高めたい場合は、出金伝票が有効です。出金伝票とは、現金や預金を引き出す際に記録される書類のことをいいます。
出金伝票を作成する際は、以下の4つの項目を記載しましょう。
ただし、金額のみを記入して用途を明示しない場合、疑われる可能性があるため注意が必要です。支出の理由や用途を明確に示すことで、出金伝票の信頼性が高まります。
レシートも領収書の代用として有効です。詳細な内容が明記されたレシートは領収書よりも信頼性が高くなる場合があります。
領収書では内容が「お品代」と省略されることが多く、用途が不明瞭なことがあるためです。
具体的な商品名やサービス内容が明確に記載されたレシートは、より詳細で信頼性の高い証拠となります。
経費として計上できる費用は、国税庁によって次の2つに分けられます。
①総収入金額に対応する売上原価その他その総収入金額を得るために直接要した費用の額
②その年に生じた販売費、一般管理費その他業務上の費用の額
経費として計上できる費用の一般的な例は次のとおりです。
●人件費
●旅費交通費
●消耗品費
●宣伝広告費
●通信費
●接待交際費
●福利厚生費
上記の費用は、事業の運営や成長に必要な経費として認められ、控除や計上ができます。
経費として計上できない費用も存在します。たとえば、私的な支出や個人の生活費は、経費とは見なされず計上できません。
以下に、経費として計上できない費用の事例と理由を示します。
経費として認められるには、費用が事業活動に直接関連し、必要かつ合理的であることが求められます。
領収書を経費計上する際に注意したい点が3つあります。
①不正計上しない
②領収書の保管期間を守る
③領収書を正しく保管する
上記3つについて確認することで、正確かつ公正な経費計上を行いましょう。
領収書を経費計上する際は、決して不正をしてはいけません。
節税のために経費として認められない領収書を経費計上して申告することは、税務調査の対象になります。認められない場合は、追加の所得税や消費税を支払うことになります。
不正計上した場合に課される税の種類と税率、課される条件は下表のとおりです。
不正計上は社会的信用を失い、銀行の融資可否にも影響が出る可能性があります。経費計上可能な領収書を確実に把握し、正確に申告しましょう。
領収書の保管期間は法人と個人が異なるため、適切に把握し、遵守しましょう。
税務主体と領収書の保管期間は次のとおりです。
領収書の保管期間は、領収書の発行日ではなく、確定申告書提出期限の翌日を起算日としますので、注意してください。領収書の保管期間を守り、必要な書類を適切に管理しておきましょう。
領収書を集めるだけでは経費として認められないため、正しく保管する必要があります。領収書を保管する方法としては、次の3つの方法があります。
●封筒にまとめる方法
●ファイルにまとめる方法
●ノートにまとめる方法
いずれの方法も月別にまとめることが重要です。月別に領収書を整理していると、税務調査の際に証拠提供が容易になります。
ファイルやノートは一覧性が高まりますが、保管スペースが必要です。領収書は感熱紙で印字されていることが多いため、光を避けて空調の整った場所に保存するのがよいでしょう。
近年では、電子帳簿保存法により領収書を電子的に保存できるようになったことで、システム上で管理する企業や経営者が増えています。
なお、経費精算を電子化できるシステムについては、下記の記事で紹介しています。おすすめの経費精算システムについて詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
領収書は、支払いや請求を証明するためや経費として計上するために必要な公的な書類です。
領収書に必要な5つの記載事項はどれも正確に記載しましょう。経費として認められる費用と認められない費用を理解して記載することも大切です。
領収書は5~7年間保管する必要があり、管理や仕分けに手間がかかることがデメリットです。電子化により領収書をまとめることは、業務効率化のひとつの方法として有効で、経費精算システムの導入が推奨されています。
経費精算システムの導入を検討している場合は、下記から無料で資料請求できます。
問い合わせが多い順に、10件以上の経費精算システムを紹介しているので、領収書管理や経費精算の業務効率化をしたい方は、ぜひご活用ください。
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