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「不当景品類及び不当表示防止法の一部を改正する法律案」の内容を解説

公開日2024/03/17 更新日2024/03/15



2023年5月10日の国会では、「不当景品類及び不当表示防止法の一部を改正する法律案」が可決されました。一部の規定を除き、公布日(2023年5月17日)から起算して1年半以内に施行するようです。


不当景品類及び不当表示防止法は、「景品表示法」の名前でもよく知られており、企業にとってはなじみ深い存在です。今回は、景品表示法の改正について詳しく解説します。

景品表示法とは

景品表示法(正式名称:不当景品類及び不当表示防止法)は、消費者が商品やサービスを選択する際に、正しい判断を妨げるような誇大広告などを規制する法律です。消費者庁監督のもとで実施されており、消費者の利益を保護し、公正な取引を促進することを目的としています。


主な内容としては、「景品類の制限および禁止」「不当な表示の禁止」の2点です。


●景品類の制限および禁止
事業者が商品・サービスを販売する際に、消費者を誤認させるような方法で景品を提供しないように制限・禁止するものです。一般懸賞や共同懸賞、総付景品などで、景品総額や最高額を規制しています。


●不当表示の禁止
商品やサービスに関する不実の広告や誇大広告を行うことを禁止することです。たとえば商品の品質や性能、価格などに関する虚偽の情報や誤解を招くような表示が該当します。

「不当景品類及び不当表示防止法の一部を改正する法律案」の内容

2023年5月10日に国会で可決された「不当景品類及び不当表示防止法の一部を改正する法律案」は、事業者の自主的な取り組みを促進し、違反行為に対する抑止力を強化することを目的としています。企業の担当者などが理解しておきたい主なポイントは、以下の3つです。

・事業者の自主的な取り組みの促進
・違反行為に対する抑止力の強化
・円滑な法執行の実現に向けた各規定の整備等


事業者の自主的な取り組みの促進

事業者の自主的な取り組みの促進で注目するべきポイントは、「確約手続きの導入」「課徴金制度における返金措置の弾力化」の2つです。


確約手続きの導入は、違反の疑いがある事業者が是正措置計画を申請し、認定を受けることで、措置命令及び課徴金納付命令の適用を受けないようにする制度が新設されました。


もう1つのポイントが課徴金制度における返金措置の弾力化です。課徴金制度の下で、特定の消費者への返金が課徴金額から減額される際、今までは金銭を交付する方法に限られていました。しかし今回の改正によって、返金方法として電子マネーなどの第三者型前払式支払手段が追加されています。


違反行為に対する抑止力の強化

違反行為に対する抑止力の強化で注目するべきポイントは、「課徴金制度の見直し」「罰則規定の拡充」の2つです。


課徴金制度の見直しでは、売上額を推計する新規定の整備や、過去10年以内に課徴金納付命令を受けた事業者に対する課徴金の1.5倍加算などいくつかの見直しが実施されています。


罰則規定の拡充では、優良誤認表示や有利誤認表示に対する直罰(100万円以下の罰金)が新設され、罰則が強化されました。以前から悪質とされていた不当な表示に対して、「刑事罰による抑止を行う」という意思が反映された形です。


円滑な法執行の実現に向けた各規定の整備等

円滑な法執行の実現に向けた各規定の整備等で注目するべきポイントは、「国際化の進展への対応」「適格消費者団体による開示要請規定の導入」の2つです。 措置命令等の送達制度の整備・拡充や、外国執行当局への情報提供制度の創設など、国際化に対応するための措置が講じられました。


また適格消費者団体が、事業者に対して、表示の裏付けとなる資料の開示を要請できる新しい規定が設けられています。

企業が注目したいポイント

今回の改正で企業が注意したいポイントは、「罰則の強化」が改正案に盛り込まれている点です。そもそも景品表示法とは、消費者を保護するための法律であり、企業への対応が厳しくなるのは致し方ありません。


優良誤認表示や有利誤認表示などの罰則が強化されているため、企業は今まで以上に景品表示法に反していないかどうかを確認する必要があります。


また今回の改正では、仮に違反してしまった場合でも、措置命令や課徴金納付命令を回避できる可能性が生じた点にも注目です。従来は、違反が疑われる場合、調査の上で命令をするか、行政指導をするかの2つの方法しかありませんでした。


景品表示法違反の恐れがある際に、企業が主体的にアクションを起こせるようになったため、消費者だけでなく企業にとってもメリットのある改正となっています。

まとめ

景品表示法は、消費者保護を目的として定められた法律であり、今回の改正では罰則の強化などが盛り込まれています。まずは景品表示法に違反しないよう、今回の改正内容に応じた企業活動を行っていきましょう。


違反しないことはもちろんですが、万が一違反してしまった場合、どのように対応するかも重要になります。とくに今回は確約手続きの導入なども行われているため、企業でポリシーを制定しておくと安心です。


詳しい情報や周辺情報は、消費者庁のホームページにまとまっています。本記事とあわせて確認し、改正のポイントについてよく理解しておきましょう。


参考
景品表示法(消費者庁)


そのほかの重要な法改正は、こちらの記事を参考にしてみてください。

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