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企業の業務に関わる、さまざまなコストが上昇する中で、電気料金値上げによるコスト増も頭の痛い問題です。真夏の消費電力のピーク期を迎え、社内で実践できる節電方法はまだあるのか、あらためてオフィスの省エネ対策を考えてみましょう。
オフィスが自社ビルか賃貸かによって、節電で重視するべきポイントが異なりますが、ここからは賃貸オフィスに絞って節電方法を考えます。まずオフィス内で使用される電力は、そのほとんどが照明・コンセント電源・空調の3つで占められています。
中でも照明は最大で全体の40%を占め、ほかの2つはそれぞれ30%程度です。業務に必要なパソコンやサーバーなどを止めることは無理なため、節電効果を高める余地は照明と空調にあるといえるでしょう。
オフィスでは、1日の中の時間帯によっても電力使用量は変化します。まずは時間帯ごとに節電のヒントがないか検証してみましょう。
1. 始業時間前
社員が出勤する時間帯までに、冷房や暖房を最適な状態にしておくことも大切ですが、空調の使用開始時刻を少し遅らせることはできないでしょうか。始業時に少しだけ我慢してもらえれば、空調の使用時間を短くできます。
2. 業務時間帯(午前と午後)
使用していないオフィス機器や照明は、必ず電源を切ることを社内で徹底します。空調も季節ごと、または天気に合わせて微調整すれば、無駄なエネルギーの損失を抑えることが可能です。
3. 昼休み
役所などでよく見る光景で、昼休み中は原則として照明や機器類の電源を切ることをルール化します。もちろんどうしても必要な場合は柔軟に対応します。
4. 残業時間帯
原則的に残業をするスペース以外は、照明や空調を含めて電気の使用を制限します。業務スペースを区分して、効率的な空間利用ができるようにしておくとよいでしょう。
今まで以上に節電対策を徹底するなら、照明と空調の利用方法を改善することが効果的です。それぞれどのような対策が可能なのか、すぐに実践できる節電方法を紹介します。
実は、蛍光灯の製造は2027年末で禁止され、いずれは照明をLEDに交換する必要があります。LEDにすると大幅な節電が可能になるため、早いタイミングでオフィス照明をLED化したほうがよいかもしれません。交換のコストはかかりますが、その後に節約可能な電気代と比較した場合、全体ではコスト削減が可能になるはずです。
また照明はオン・オフのルールを決めたり、外光を上手に利用したりすることでも節電につながります。明るさをコントロールできる照明にかえることも、長い目で見れば有効な方法でしょう。
一方の空調については、家庭と同様にサーキュレーターで空気を循環させると、冷房も暖房も温度設定に余裕ができます。外気吸入と内気循環を使い分けることもポイントです。春や秋などは外気を取り込んだ送風だけでも、快適な温度を維持できるかもしれません。
日本人の省エネ感覚は、欧米人と比較してかなり高いといわれています。冷房の設定温度を上げることや、クールビズとウォームビズなど、オフィスではすでに当たり前になりました。
あらゆるコストが上昇している今、あらためて節電についても考える時期にきています。最大のポイントは、使っていない電気製品のスイッチを切るという単純なアクションです。照明・空調のほか、各種機器を使用するルールを決めて、社内で徹底することが最も効果的な節電になるでしょう。
■参考サイト
自宅でもオフィスでも。節電につながるエアコンの上手な使用法
企業に求められる夏場のオフィスの節電対策。暑さを乗り越える方法とは?
減らす・ずらす・切り替える 経済産業省、冬のオフィスで有用な省エネ・節電方法を紹介
節電対策とオフィスの適性冷房温度
電気代高騰にはアクションで対応、オフィスですぐに始められる節電対策
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