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離職率の定義、全国平均や離職率の高い業界とは?

公開日2021/02/16 更新日2021/02/17

働きやすい企業を比較する方法の一つに、近年では求人情報にも使われる離職率という指標があります。ところが、この用語は何となくイメージできるものの、具体的な定義まではあまり知られていません。

今回の記事では、健康的な企業経営の目安にもなる離職率について、実際に使用されている数値の定義と、国内での平均値の推移について解説します。

実は明確な規定がない離職率の定義

例えば、経済成長率や失業率などは一定の基準に従って算出されるため、社会全体で同じ数値が使用されます。しかし離職率は事情が異なり、政府が公表する数値や企業が発表する数値は、それぞれに違った方法で算出されています。離職率の算出方法には、社会的に統一された基準がないのです。

離職率は参考にする目的によって、対象者や対象期間などを任意に設定して算出されます。新卒社員の離職率、中途入社社員の離職率というような対象区分と、年間もしくは3年以内などのような期間を設定することにより、算出される離職率は異なった数値になるのです。

厚生労働省が公表している離職率

厚生労働省の基準による離職率は、【1年間の離職者数】を【1月1日現在の常用労働者数】で割った数値を100分率で表しています。例えば平成30年の常用労働者数は約4,971万人で、一方の離職者数は約724万人であり、その結果算出された離職率は14.6%でした。

参考までに労働形態別の離職率を見てみると、一般労働者の11.3%に対してパートタイム労働者は23.6%と、かなりの開きがあることがわかります。また男性が12.5%で女性は17.1%と、男女間の離職率にも差があることが見てとれます。

企業が独自に算出する離職率

一般企業の離職率については、「新卒社員3年後の離職率」などの形で、それぞれの企業が自社の離職率を発表しています。この数値は社員にとっての居心地の良さを表すだけでなく、企業の経営状況や体質をはかる指標にもなります。

企業全体では大卒新入社員の30%以上が、就職後3年以内に離職しているというデータもある中で、東洋経済新報社が上場企業約3,700社に対して行った調査では、上位8社では3年以内の離職率が0%で、100位以内の企業はすべて10%以下という結果が出ています。

新規採用が100人を大幅に超える企業では、3年以内の離職率は川崎重工業が3.1%、JR東日本が3.35%、三菱電機が5.0%、日産自動車が5.75%などとなっています。入社して3年というのは一つの節目であり、その時点での離職率が低いことは、社員が安心して安定的に働ける企業という証となるでしょう。

ただしこうした数値は目安であり、大手企業の中でも大規模な新規プロジェクトなどで、一時的に多数の短期労働者を受け入れるケースがあります。この場合、離職率が高く算出されることがあるため、幅広い分野の企業を一律に同じ離職率で比較することは難しいといえるでしょう。

日本の平均的な離職率の推移

厚生労働省が平成30年版として公表した資料を基にすると、離職率の平均はここ10年以上にわたって、約15%前後で推移しています。その中で16.4%にまで上昇した平成21年は、民主党が総選挙で政権を奪取した年でした。また17.5%まで上昇した平成17年は、自民党の小泉政権が郵政選挙で圧勝した年です。ただし、これらの選挙と離職率との因果関係は特定できません。

いずれにせよ、ごく一部の例外を除けば、日本政府が公表する離職率は毎年ほぼ同じレベルで推移しています。また、インターネット記事などで引用される国内企業の平均離職率は、この厚生労働省が公表したデータを基にしているようです。

離職率の高い企業と低い企業

離職率が高い企業は、マイナス的なイメージで見られることがありますが、実際には業種によっても傾向が違うため、一律に離職率で企業の経営状況を判断することはできません。厚生労働省では産業別の離職率も公表しており、そのデータによると離職率の高い産業と低い産業は毎年同じ傾向を示しています。

平成30年の統計では、最も離職率が高い業種は「宿泊業・飲食サービス業」の26.9%で、第2位が「生活関連サービス業・娯楽業」の23.9%、第3位は「その他サービス業」の19.9%でした。

一方離職率が低い業種に関しては、「建設業」「製造業」「運輸・郵便業」「学術研究・専門技術サービス業」などが、約10%前後の数値で並んでいます。ほとんどの業種では、離職率を入職率が上回る「入職超過」となっており、全体的には労働力のバランスがとれているようです。

ただし離職率が高い業種を中心に、ほぼ全業種で新卒社員の離職率が増加しているという気になるデータもあります。また近年では日本でも転職が一般的になりつつあるため、今後は離職率の動向にも変化が見られるかもしれません。

まとめ

国内で平均的な離職率の指標になっているのは、厚生労働省が発表している数値です。この数値は1年間の離職者数を、労働人口総数で割るというシンプルな方法で求められます。日本ではここ10年以上、平均離職率に大きな変化は見られません。

離職率はさまざまなパラメータを設定することにより、それぞれ違った数値が算出されます。ビジネスの参考として用いるなら、目的に合った方法で算出された離職率を選ぶとよいでしょう。

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