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多くの企業が決算時期を迎えているが、経営幹部を目指しているなら、決算書から会社の現状や問題点を読み込む力が必要だ。
本来、決算書を作成するのは経理担当者の役割である。経理部門で経営幹部を目指すのでなければ決算書のすべてに精通していなければならないが、他の部門なら、そこまでマスターする必要はない。
「PRESIDENT」の2018年3月19日号の特集の「会社の数字、お金のカラクリ」で、決算書を読解するイロハを解説しているので、それをダイジェストでお届けしよう。経営コンサルタントの小宮一慶氏によれば、「貸借対照表から会社の『安全性』、損益計算書からは『収益性』、そしてキャッシュフロー計算書から『将来性』などを、最低限読み取れるようにすれば、それで十分」というのである。
「デキる人ほど、決算書の読み方を知っており、いくつかのポイントを押さえておけば、決算書は決して難解な書類ではない」とも指摘している。
決算書なんて自分には関係がない、と思っている人が多いが、たとえば倒産のリスクも、決算書から見抜くことができる。
企業が倒産の危機を迎えるのは、資金繰りに行き詰まり、振り出した手形が、半年間で2度不渡りになれば、銀行取引ができなくなる。倒産のリスクがあるかないか、そしてそれがどのくらいの確率なのかを把握しているか否かは、ビジネスマンの将来設計にも大きくかかわってくる。倒産のリスクをチェックするには、現金や預金、すぐに現金化できる有価証券などを足し、月商で割った手元流動性を見るのというのが一般的な鉄則だ。
ちょっと違った視点で倒産リスクを見抜くためのポイントを挙げているのが、日本総合研究所リサーチ・コンサルティング部門・主席研究員の小谷和成氏である。
「まず見るべきは、純資産と借入金の比率であり、業界特性も加味しつつ、借入金の総額が返済の原資となる営業キャッシュフロー(CF)1年分で割ると、何年で完済することができるかを掴むことだ」と言い、「倒産リスクを測るには、銀行の立場で考えるとわかりやすい」ということだ。
とくに経営幹部を目指しているわけではない、与えられた業務をしっかりこなすことこそ出世の近道と、思っている人が多いに違いない。
しかし、上場企業なら、有価証券報告書は企業HPから確認できる公開情報だ。そこから何を読み取るかは、その後の明暗を大きく分けることにもなる。
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