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外食チェーンで進む人事制度を見直す動き

公開日2023/02/16 更新日2023/02/15


人手不足状態が続いており、なかでも深刻なのが外食チェーンです。昨今は、人材を確保するために年功序列の廃止や処遇改善など、人事制度の見直しに取り組む外食チェーンもみられます。どのような見直しを行っているのでしょうか。



年功序列からジョブ型人事制度へ

ある大手外食チェーンでは、今年4月からこれまでの年功序列からジョブ型人事制度へと転換することを発表しました。


導入する新たな人事制度の仕組みは、職務や役割に応じて15段階のグレードの設定です。グレードごとに基本給が決められており、グレードは勤続年数にかかわらず、スキルアップによって上がる仕組みとなっています。


つまり、本人の努力次第で役職も賃金も上がる人事制度です。この制度を導入することで、社員のモチベーションアップや、外部から優秀な人材確保につなげていくのが狙いのようです。


一部の専門性の高いポストで、ジョブ型採用の導入を検討しているファミリーレストラン大手もあります。こうした人事制度を見直す動きが、外食チェーンで加速していることがうかがえます。


賃上げが人不足解消の切り札となるか

2030年まで毎年賃上げを実施するという方針を示し、人材確保に取り組んでいる企業もみられます。


業績が上向けば賃上げ、業績がダウンとなれば賃上げどころか、下がる可能性もあるのがこれまでの常識です。しかし、業績にかかわらず毎年の賃上げを表明し、今年の春闘ではベースアップにも取り組む方針も示しています。


それだけ、外食チェーンの人手不足が深刻な状況であることは、帝国データバンクの「2022年度の賃金動向に関する企業の意識調査(特別企画:人手不足に対する企業の動向調査(2022 年 1 月))*」からも明らかです。


飲食店の労働力の主力となるのはアルバイトやパートなどの非正規社員です。飲食店において、非正規社員が不足している割合は76.6%と、業種別では唯一7割を超えています。


*調査期間:2022 年 1 月 18 日~2022 年 1 月 31 日
調査対象:全国 2 万 4,072 社、有効回答企業数1 万 1,981 社(回答率 49.8%)


幅広い業界に拡散する人事制度を見直す動き

コロナ禍での行動制限が全面解除され、新型コロナウイルス感染症の感染法上の分類も5類へ移行する方針を固め、経済活動をコロナ前に戻そうと動き出しています。しかし、その前に大きく立ちはだかっているのが人手不足の問題です。


人手不足を解消する手段として期待されているのが、賃金改善に取り組むことでしょう。しかし、日本の賃金システムは、仕事の量や内容にスライドして上がっていくのではなく、勤続年数や年齢によって賃金が上がる年功序列型の人事制度です。


そこで、年功序列型からジョブ型への移行など、人事制度そのものを見直す動きが、外食チェーンだけでなく幅広い業種・業界にも広がりつつあります。


人事制度の見直しが賃金上昇の呼び水となるか

岸田総理は施政方針演説で、「従来の年功賃金から職務に応じてスキルが適正に評価され、賃上げに反映される日本型の職務給へ移行することが企業の成長のためにも急務」と、6月までに日本企業にふさわしい“職務給”のモデルを示すと述べました。


しかし、人事制度の見直しが、人手不足解消の切り札となるかどうかは不透明であり、少子高齢化に伴う労働人口の減少に歯止めがかからないからです。急速に進む物価上昇のなかで、外食チェーンで広がる人事制度の見直しが、賃金上昇につながるかも注目する必要がありそうです。


まとめ

人手不足による廃業や倒産する件数の増加も、各種調査で明らかになっています。なかでもなかなか思うように人手を確保できないのが飲食店です。


ここで立ち止まって考えたいのが、大量にある店舗数が本当に必要なのかどうかではないでしょうか。24時間営業で店舗数を拡大してきた外食チェーンのビジネスモデルが、曲がり角に差し掛かっているのかもしれません。


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