公開日 /-create_datetime-/

新型コロナウイルスの感染拡大はビジネスシーンに多様な影響を与えましたが、その最たるものの一つとして、「出社率」への注目度の上昇を挙げられます。出社率とは、当該企業の従業員が週に何日出社しているのかを割合で示した指標のことで、「毎日出社している従業員の割合」や「週1~2日だけ出社している従業員の割合」などを数値化したものです。
今回は、日本におけるアフターコロナ期の出社率、リモートワークの実情について考えてみましょう。
目次【本記事の内容】
ジオテクノロジーズ株式会社が実施した「出社とリモートワーク”に関する意識調査*」を発表し、話題を集めています。それによると、日本企業において「ほぼ毎日出社する従業員の割合」は全国平均で約7割、東京でも半数を超えるとの結果です。
かつて日本企業では、従業員は原則として毎日出社、すなわち週5日出社して働くという勤務形態が常識でした。しかしコロナ禍をきっかけとしてリモートワークの導入が進展し、一部の企業ではコロナ禍が収束した後もリモートワークを継続しています。
*調査方法:インターネット調査
調査対象:日本全国のトリマユーザ10代~60代、男女
調査期間:2023年2月3日~2月12日
ほぼ毎日出社する従業員の割合が7割とすると、残り3割はリモートワークを取り入れながら働いていることになります。この「3割」を多いとみるか、少ないとみるかは働き方への考え方によって変わってくるでしょう。世界と比較した場合、日本企業におけるリモートワークの割合は低いとの結果もあり、定着が進んでいるとは言えないのが実情です。
リモートワークを導入することには、企業、従業員双方に以下のようなメリットがあります。
1. 働き方改革への適用をアピール
リモートワークの導入を進めることは、労働時間の短縮化を目指す政府の働き方改革に取り組んでいることを示すことにつながり、企業イメージの向上が可能です。無理なく働けるとして、人材確保もしやすくなります。
2.災害対策
また災害対策の効果も大きいです。大地震などの災害が発生した場合でも、従業員の出社がなくても業務を継続できる体制が整っていれば、引き続き企業活動を続けられます。
3.交通費削減
従業員の交通費、オフィスの冷暖房費を減らせるので、コストカットを図れます。また、出社率を減らせばそれまでの広いオフィスは必要なくなり、事務所の賃料が安い場所に引っ越すなどしてコスト削減が可能です。
1.通勤時の負担がない
電車通勤の場合は朝夕のラッシュに巻き込まれずに済み、車通勤の場合は運転負担がなくなります。早起きの必要もなく、心身にゆとりをもって仕事に取り組めます。
2.ワークライフバランスを改善
通勤・帰宅に要する移動時間がなくなるので、その分、プライベートに回せる時間を増やせます。家族との時間、自己啓発の時間に活用できるでしょう。
一方、リモートワークの導入には企業側、従業員側それぞれにデメリットもあります。海外に比べて日本でリモートワークが定着していないとしたら、日本では以下のようなデメリットによる悪影響を避けようとする傾向が強いとも考えられます。
1.勤怠管理のための負担増
従業員が出社しないのでタイムカード方式による勤怠管理は行えません。リモートワークの勤怠管理を正確に行うには、クラウドシステムなどを導入してネット上で管理できる体制作りが必要となり、そのためには別途コストが発生します。
2.情報漏えいのリスク増
従業員が在宅・ワークスペース・カフェなどで勤務すると、USBメモリやSDカードなどの記憶媒体を紛失したり、データの入ったパソコン自体を紛失したりするリスクが増えます。顧客データなど個人情報が入っている媒体をなくしたら、企業全体の社会的信頼に関わる問題になるため、事前の入念な対策が必要です。
1.上司、同僚とのコミュニケーションが取りにくい
リモートワークの場合、上司や同僚と職場での雑談・コミュニケーションが取れません。話をする場合は逐一電話をかけたり、ネット上のメールやチャット、ビデオ通話をしたりする必要があります。
2.仕事とプライベートの線引きがしにくい
自宅で在宅勤務をする場合、家族がいる中で仕事をする必要があります。そのため仕事に集中できない、作業効率が落ちるなどの弊害が生じやすく、成果が出せないと人事考課において評価が下がるリスクが高まります。
日本企業における出社率は7割ほどで、リモートワークをしているのは3割程度。世界的にみても日本企業は在宅勤務制度の導入は進んでいないようです。しかし、リモートワークにはメリットがある一方、デメリットもあります。
日本の企業・労働者の間でリモートワークがなかなか定着しない要因は、日本では欧米などに比べて、リモートワークのデメリットによる悪影響(上司・同僚とのコミュニケーションが取れなくなるなど)を避けようとする傾向が強いから、とも考えられるでしょう。
■併せて読みたい関連ニュース
国外から“フルリモート勤務”する総務担当者の働き方
ウイズコロナ時代の働き方は? リモートワークの定着率から紐解くこれからの働き方
リモートマネジメント実態 Job総研調査
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、最新情報や具体的対応は公式情報や専門家にご確認ください。詳細はご利用規約をご覧ください。
家賃補助と社宅・社員寮、自社に最適な住宅補助制度の選び方
【新卒エンジニア採用】内定承諾の決め手・辞退の本音
「チェックリスト付き」電子契約サービスの失敗しない選び方
法人税対策・実物資産投資の新たな選択肢 最新情報掲載 『日本型オペレーティングリースガイドブック』
シニア雇用時代の健康管理の備えとは? 健康管理見直しどきナビ
実は勘違いしていた?“Z世代”の仕事観とコミュニケーションのポイント│部下との信頼関係を築くコミュニケーション手法
銀行の中小企業等向け貸出 過去最高の384兆円に 中小向け2.8%増、大手向け8.4%増と伸び率に変化
下請法~フリーランス新法との違い~
職場でも起こるブラハラとは?血液型による偏見や差別がハラスメントに!?
営業DXを実現する社内研修・DX人材育成のポイントを解説
土地建物売買契約書の見直し方法と5つのチェックポイント
社宅管理業務の全体像がわかる!社宅管理業務フローガイド
Web請求書の導入にあたり費用対効果を高める方法、お伝えします!
債権管理・入金消込効率化『Victory-ONE/G4』導入事例 ~自動消込照合率が91%まで上昇! 株式会社有隣堂~
簿記の基礎から実務まで!社宅管理の仕訳処理 まるわかりガイド
実は勘違いしていた?“Z世代”の仕事観とコミュニケーションのポイント│いまどきの若手社員”Z世代”の仕事観
給与明細は紙?従業員にも管理者にもやさしい電子保管法
生成AIも対人も「伝わらない」がストレスに、背景には「読み取る力」と「伝える力」 漢検協会
社労士が解説する休職の判断ポイントと傷病手当金
最低賃金の改定、企業の約6割が「給与を変更」 2020年代の1,500円は「対応不可能」が半数
公開日 /-create_datetime-/