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新しい技術の導入は何でもテンションがあがります。「いよいよわが社も電子契約を使うのじゃ。」「電子契約は、印紙代が浮くらしいのう。」「契約締結に使っているコストは馬鹿にならぬらしいのう。」「時間短縮で働き方改革の実践じゃ。」・・・あまたある電子契約システムの中からどれを選びましょうか。
ここで忘れてはならないとっても重要なポイントがあります。
電子契約システム導入にあたって、ついつい契約システムの方法にばかり目がいってしまいますが、システムと同じくらいに重要なのは、電子契約締結後にその電子契約書(情報)はどこにしまっておくかという問題です。
「とりあえず電子契約できればいいから」「そんなのあとで考えればいいよ」・・ダメです。
電子契約の背後には、表から見えませんが、税法、会計監査、税務調査、電子帳簿保存法、いわゆるe-文書法といった亡霊が常につきまとっているのです。この亡霊からは誰も逃れられないのです。
意気揚々と電子契約システムを導入しても、保存の方法が法律の要求をクリアしなければ、あとあと税務調査で問題になり、せっかく電子化した契約を「紙」で残すことに戻ってしまいかねません。
保存方法をしっかり決めておかないと、モノが電子情報なだけに探しても見つからないという悲劇的な事態も容易にイメージできます。
具体的にどのような保存態様が要求されているかは、電子帳簿保存法、e-文書法等により要求されるものが違います。電子帳簿保存法からは、「真実性」、「見読性」、「関係書類の備付」、「検索性」、認定事業者のタイムスタンプを付した際に必要となる機能である「一括検証機能」・・・e-文書法からは「見読性」「完全性(=真実性)」、「機密性」「検索性」なるものが要求されますが、細かい説明は別の機会に。電子契約書(情報)に限って言うと、「検索性」の要件は見落としやすいので注意しましょう(税務上の要求ではありますが、契約書(情報)に検索性を与えておけば、契約書を引っ張り出してくるというおぞましい作業が簡単な作業になります。)。
「電子署名・タイムスタンプOKです!」電子契約締結についてはベストを尽くしても、保存場所に検索性がなければ、画竜点睛を欠くのです。
電子契約システム導入時にこそ、少し立ち止まり、契約書(情報)の保管態様、会計業務との関連性を考慮して、契約フローの最後尾すなわち保管場所・保管態様から遡って検討することが実は何よりも大事だったりします。
ここを検討せずに電子契約システムだけ前のめりで導入することもあるでしょうが、その時は必ず、税法への対応策も同時に検討しておくことが大事です。
さらに、電子署名を行わない電子契約方式を採用する場合、電子署名を行う方式と並行して採用する場合には、電子署名を行わない場合には、電子帳簿保存法との関係でタイムスタンプだけは押す必要が出てくる場合があることは忘れないようにしましょう。
連載記事一覧
1.電子契約って何?(広義の電子契約と狭義の電子契約)
2.電子署名を当事者が行うシステムが重要なのはなぜ?
3.電子署名法からのプレゼント?
4.電子署名は面倒?電子証明書は負担感ばかり?
執筆者情報
啓明法律事務所 弁護士 小山 征史郎(おやま せいしろう) 第一東京弁護士会所属
2005年弁護士登録(58期)。
弁護士法人ポート法律事務所を経て、2016年から啓明法律事務所に所属。これまでは訴訟を中心に活動していたが、近年は電子契約に関心を持ち、これまでの訴訟を通じた弁護士経験を電子契約にフィードバックすることに注力している。
本年1月より、ペーパーロジック株式会社のLegal Teamとして、コラムの執筆や法的アドバイスを行っているほか、ペーパーロジックの各法対応製品(特に電子契約)に対して、関係法律法令等をふまえた法的バックグラウンド強化を支援している。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、最新情報や具体的対応は公式情報や専門家にご確認ください。詳細はご利用規約をご覧ください。
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