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新年度のスタートとなった4月1日、多くの企業で入社式が行われました。
まん延防止等重点措置が全面解除となった今年は、対面形式で行う企業も増えたようです。
どのような入社式となったのでしょうか。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、昨年はオンラインで入社式を開催する企業が多数でしたが、今年は感染症対策の上、従来通りの対面形式での入社式に戻す傾向がみられました。
株式会社学情が昨年末に実施した調査「2022年4月入社の入社式・新入社員研修の実施方法」によると、2022年4月の入社式を対面形式で実施する企業は、予定も含めると7割近くにものぼるようです。また、就活生も、およそ7割が対面形式によるリアルな入社式を希望していることも、この調査結果で示されています。
調査方法:Web上でのアンケート
調査期間:2022年2月24日~2月28日
調査対象:企業人事担当者
入社式は、社会人としての第一歩を踏み出す門出でもあるだけに、「同期で入社する仲間と、直接顔を合わせて話をしたい」「オンラインでは入社した実感がわかない」などの理由から、オンラインよりも対面形式を希望する割合が高いようです。
また、企業としても、オンラインよりもリアルな入社式で、新入社員同士の連帯感や、会社への愛着心を育んでほしいというのが、率直な思いではないでしょうか。
ところで、まん延防止等重点措置が全面解除となったものの、感染が収束を迎えているわけではありません。新規感染者数も高止まり傾向にあることから、第7波への警戒感も強まっています。
対面形式による入社式開催といっても、新入社員を一堂に集めて行うスタイルの他に、会場や日時を分散し、少人数での開催を実施した企業もあります。
3年ぶりに本社で入社式を開催したトヨタ自動車、コンサートホールでオーケストラによる歓迎式典を開催したサントリーグループは、2年前に入社式を開催できなかった先輩社員の式典も合わせて行っています。
イオンも3年ぶりに対面の入社式を開催し、グループ49社を合わせると、3,400人の新入社員が、リアルな入社式に臨みました。大丸や松坂屋を運営するJ・フロントリテイリングは、グループ会社の全ての新入社員約60人を一堂に集めて開催しています。
持ち株会社の傘下に八つの事業会社を置くパナソニックグループは、パナソニックホールディングス(HD)が、一部の事業会社と合同で新入社員約70人が参加する入社式、家電事業のパナソニックも東京で入社式を開催しています。
新入社員数の多い大企業であれば、一堂に集めての大々的で華やかな入社式も企業PRにつながりますが、社員数も新入社員数も少ない中小企業となると、華やかさとは逆のマイナスイメージとなってしまうこともあります。
そこで、各地方都市では商工会議所や事業組合・団体が中心となって、中小企業による合同入社式を開催したところもあります。
多くの中小企業が集積する東大阪市では、市内24の企業・団体の新入社員49人が参加した合同入社式を、今年初めて開催しました。
中小企業の新入社員は、社内に同期で入社した社員がいない場合も決して少なくありません。それが原因で、若手社員の早期退職につながるケースもあることから、社外であっても同期入社という意識を持ち、異業種交流や新事業開拓にもつながるよう、研修も合同で行っていくというのが、合同入社式を実施した目的です。
今年の新入社員は、学校での授業やインターシップ、そして就職活動までもがオンラインで行われていたことでしょう。その結果、対面でのコミュニケーションに不安を抱く新社会人もいると思われますが、ビジネスシーンでは、リアルとオンラインを上手に使い分ける術も身につける必要があります。対面形式での入社式がそのきっかけになってくれれば幸いです。
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