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金融庁は、2018年12月25日から、銀行界のシステムインフラ「全銀EDIシステム」が稼働することを発表しました。「全銀EDIシステム」が稼働することになれば、商取引に必要な支払通知番号や請求書番号などの振込情報を、受取企業に送信することが可能となります。そうなると、煩雑な経理業務が大幅に軽減できるようになりそうです。
固定長形式からKML形式へ
全銀EDIシステムは、総合振込の際に、振込に関する様々な情報(支払通知番号、請求書番号など)を受取企業に送信することを可能にするシステムです。
これまでは、多数の振込を一括して実行できる総合振込では、支払企業から受取企業に伝達できる「EDI情報」は、電文の長さや情報量が20桁までという固定長形式によって制限がありましたが、「EDI情報」システムが稼動することによって、総合振込のデータ形式が固定長形式からXML形式に変わります。
XML形式は、電文の長さを柔軟に設計・変更することが可能な電文形式で、EDI情報欄に、請求書番号等の商取引に関する情報(商流情報)を添付することもできるようになります。
平成32年までに国際基準へ移行
「全銀EDIシステム」は、金融庁の金融審議会「決済業務等の高度化に関するワーキング・グループ」(2015年12月公表)において、「平成 32年(2020年)までに、現在の固定長電文を廃止し、情報量や情報の互換性等に優れたXML電文へ移行する」という提言を受けて、官と民が連携して取り組んできたものです。
また、2016年6月の「日本再興戦略2016」でも、Fin Techによる金融革新の推進として、金融高度化を推進するため、企業間の銀行送金電文を、2020年を目途に国際標準のXML電文に移行し、送金電文に商流情報の添付を可能とする金融EDIの実現に向けた取り組みを進めることが確認されました。
どのような業務が対象となるのか
XML電文を処理する全銀EDIシステム移行への目的は、決済情報と商流情報を連携させることです。そのため、総合振込にかかわる振込入金通知、入出金取引明細が対象となります。
ですから、給与振込や賞与振込等の業務のフォーマットは、全銀EDIシステムが取り扱う業務とはなりません。あくまでも、企業間の商取引における決済(支払、受取確認)に使用する業務を対象にしています。
全銀EDI情報を活用するための対応は?
全銀EDIシステムを利用するためには、XML電文を作成・取込するための「会計システム等のソフトウェアのバージョンアップ」や入替え、さらに一括ファイル伝送によるファームバンキング(FB)を利用する場合は、通信ソフトウェアの設定変更や入替え、電子証明書(クライアント証明書)の取得が必要となります。
また、全銀EDIシステムへの接続のための回線については、インターネットの他、必要に応じてIP-VPNも利用することができます。
一方、取引先企業が、全銀EDIシステムへ移行していないケースも考えられますが、振込を行う側が対応済みであれば、XML電文で振込を行うことはできます。ただし、受け取る側には、商流情報が表示されません。
金融EDIの活用に関する説明会を開催
全銀EDIシステムは、中小企業などの生産性向上や資金効率向上など、金融高度化を推進するためのものです。支払企業側、受取企業側双方が、XML対応することで、売掛金消込などの決済事務効率化のメリットを享受することができるようになります。
煩雑な経理事務の負担を軽減するシステムですから、経理担当者にとっては見逃せません。全銀EDIシステムに関する企業向けの説明会も東京・大阪で開催する予定となっています。より詳しい内容については、下記のサイトで確認してください。
全国銀行資金決済ネットワーク
/news/detail/649/?url=https%3A%2F%2Fwww.fsa.go.jp%2Fpolicy%2Fzedi%2Fzenginedi.html
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