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最近は「ユーザー・エクスペリエンス(UX)」や「顧客エクスペリエンス(CX)」などという言葉を耳にしますが、それを企業の労働環境に引用したものが「従業員エクスペリエンス(Employee Experience:EX)」です。
従業員エクスペリエンスとは、企業が従業員を大切にしている指標でもあり、これからの人材確保には欠かせない要素です。この記事では、その現状と実践方法などを、実際の事例を交えて紹介します。
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目次【本記事の内容】
世間では売り手市場といわれるなか、働く側が働く先を選ぶようになると、働きづらい職場は敬遠されて人材が集まらなくなります。そのため業種や業態を問わず、企業は従業員に好まれる環境づくりを進めるようになりました。
それを従業員エクスペリエンスとして表現するようになり、主に以下に挙げる項目で取り組み強化が求められています。
・仕事における従業員の満足度
・職場での働きやすさ
・収入面や福利厚生面での待遇のよさ
・仕事を通じて得られる体験
・キャリアアップができる環境づくり
・ライフワークバランス
従業員が働く理由はさまざまで、本気でスキルやキャリアを高めたいという人材もいれば、そこそこの生活ができるレベルの収入があれば、職場には多くを求めないという人材もいます。しかし企業にとっては、誰もが満足できる職場を提供できないと、十分な人材が確保できないという不安があるのも事実です。
企業と従業員とのつながりを表す言葉には、「従業員エンゲージメント(Employee Engagement)」というものもあります。これは従業員の会社に対する信頼度と帰属意識、さらに貢献度合いなどを測る指標です。
エンゲージメントとは単なる満足度ではなく、企業の生産性につながる従業員の意識を表します。つまり、従業員エクスペリエンスの向上が従業員エンゲージメントに結びつき、全体的に企業と従業員のきずなが深まるといえるのです。
従業員エクスペリエンスを高めることで、まず考えられるメリットは、安定的な人材確保が可能になることです。企業の存続にも関わる問題なので、最大のメリットともいえるでしょう。
現代の若い世代は、現実社会でもインターネット上でも、体験することを重視します。そのため就職先や転職先を選ぶ場合にも、その企業に入ったら何が体験できるのか、どのような働き方ができるのかということを基準にする傾向が強いのです。
企業側では、SNSなどを使って積極的に自社を知ってもらう必要があります。それによって、企業内でどのような体験ができるのか、事前にアピールすることが非常に重要です。
従業員エクスペリエンスが高いと判断されれば、人材を確保する機会は大きく広がります。しかも入社した従業員が、望んだとおりの体験ができれば、頼れる戦力として長期的に経営を支えてくれるでしょう。
人材確保が安定して、それぞれの人材がスキルや知識を高められれば、今度は業務効率アップも可能になります。従業員が自身の体験を通して成長し、離職率も低く抑えられると、企業の経営基盤そのものが強化されるというメリットもあるのです。
企業にとって、多様な人材が望む体験を、すべて提供することは容易ではないでしょう。そこで、従業員エクスペリエンスを高める基準をいくつか設定し、それを順次達成することが必要になります。
基準を設けるためには、従業員を理解し、よく意見を聞き、それを現場にフィードバックする柔軟性が求められます。主に以下のようなポイントを押さえて、従業員エクスペリエンスを高める必要があります。
・面談などを通して従業員の意識や意見をつかむ
・社内の情報などに常にアクセスできるようにする(必要な情報の提供)
・社内の評価基準の透明性を高める(人事評価プロセスの可視化)
・社内の仕組みづくりに貢献できる環境を提供する
・経営陣や管理部門まで含めた従業員のコミュニケーションを高める
これらの取り組みは、主に人事部門の主導で行われますが、当然全社的な協力態勢が必要です。社内での意識の統一を図りながら、一つの経営戦略として進めるべきでしょう。
世界各国の企業では、独自の方法で従業員エクスペリエンスの向上を目指しています。たとえばある企業では、人事部門とは独立して従業員エクスペリエンス部門を設けています。 また大手飲食チェーンでは大学と提携して、無料で従業員に学習の場を提供しています。
このような取り組みを続ける企業は、「働きがいのある企業ランキング」などの形で、世界中にその評価が発信されています。従業員エクスペリエンスの向上は、企業ブランドの向上にもつながるのです。
従業員エクスペリエンスは企業の内部のみならず、外部に対しても重要な意味をもっています。そのため、従業員エクスペリエンスを向上させるだけではなく、その評価を積極的に発信しなければなりません。
従業員エクスペリエンスを向上させることは、大切な人材を確保することにつながり、さらには企業価値を高めることにも貢献します。従業員エクスペリエンスとは、企業にとってもはや欠かせない経営戦略の一つといえるでしょう。
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