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平成の30年間を振り返るうえで欠かせないのは、携帯電話の進化ではないでしょうか。昭和の終わりに誕生したショルダーフォンに始まり、現在ではスマートフォンへと目覚ましい進化を遂げ、さらに超高速通信が可能な第5世代移動通信システム「5G」へと移行しようとしています。まさに平成という時代とともに歩んできた携帯電話の歴史を、改元を機に振り返ってみましょう。
携帯電話の進化の歩みを振り返ってみると、アナログからデジタルへと進化するなか、カメラや電子マネーといった機能を付加することで、多くの利用者をつかんできたことが分かります。
しかし、スマートフォンの登場によって、日本で独自の進化を遂げてきた携帯電話もガラケー(ガラパゴス携帯)と呼ばれるようになり、世界の潮流から遅れをとることになってしまったのも現実のようです。
初めて携帯電話が登場したのは、1985年にNTTから発売されたショルダーフォンです。名前の通り、肩からかけるスタイルですが、3㎏と重いものでした。
1987年になって、手の平に乗る、携帯と呼ぶにふさわしいサイズの携帯電話が登場しましたが、それでも重量は約900gもあり、気軽に持ち歩けるものではありませんでした。
1988年になると、NTTの独占体制だった携帯電話市場に、日本移動通信、DDIセルラーグループ各社が新規参入し、1989年にはDDIセルラー(現au)が初の超小型携帯電話機「モトローラ・マイクロタック」を発売。NTTドコモも1991年に小型携帯電話「ムーバ」を発売、携帯電話が広く普及するきっかけとなりました。
1994年には、現ソフトバンクモバイルのデジタルホングループ、ツーカーグループも新規参入し、競争が激化するようになり、1996年にはNTTドコモが、世界で初めて着信メロディ機能を搭載して、大ブームとなりました。
さらに、1997年には、デジタルホングループがショートメッセージサービス「スカイウォーカー」を開始、各社も続々とショートメールを始め、携帯電話でのやりとりは、通話よりもメールで行うようになりました。
携帯電話が大きな転機を迎えたきっかけは、1999年のインターネット接続サービス(携帯電話IP接続サービス)を開始したことではないでしょうか。「iモード」、「EZweb」、「J-スカイ(現Yahoo!ケータイ)」が登場し、2001年には、撮影した画像を電子メールに添付できる「写メール」サービスも始まりました。
2000年代に入ると、カメラ付き携帯電話で静止画や動画が送信できるようになり、2003年には「おサイフケータイ」、2006年に番号ポータビリティ制度も始まりました。
そして、携帯電話が劇的な進化を遂げたのが、2008年にソフトバンクモバイルが日本で初めてのスマートフォンiPhoneを発売したことでした。2009年にNTTドコモがAndroid搭載スマートフォンを発売、さらに2013年にNTTドコモもiPhoneを発売し、2014年にはスマートフォンの普及率は53.5%と半数を超えるまで拡大し、いまではスマホが主流となりました。
ところで、携帯電話の歴史をさらに遡ると、第二次世界大戦中の米軍が使用したモトローラ製の「Walkie Talkie」が原型のようです。もちろん、通信速度など技術的な問題があり、一般に普及するようなものではなかったようです。
日本では、アナログ方式の自動車電話が、携帯電話の原型となったようです。自動車にアンテナを搭載し、電源はバッテリーからとっていたようですが、自動車電話の設置は、ステイタスのシンボルでもありました。
そして、芸能レポーターなどが、ショルダーフォンを肩にぶら下げてマイクを向ける姿を、テレビのワイドショーなどで見かけるようになり、携帯電話というツールが、ようやく認識されるようになったのではないでしょうか。
NTTが民営化になり、民間事業者も携帯電話市場に参入するようになり、どんどん進化することになりますが、着メロや写メ、インスタ映えなどの新語も、携帯電話の進化に合わせて次々と登場し、まさに平成時代を象徴するのが携帯電話かもしれません。令和時代には、どのような進化を遂げるのでしょうか。
携帯電話の通話料金も、機種代と分離することで、かなり下がることになりそうですが、ビジネスにとっても欠かせないツールだけに、社用携帯のコストを管理する総務担当者にとっては、携帯電話がどのように進化していくのかより、「料金体系がどうなるか?」の方が目が離せないかもしれません。
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