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人員計画の策定前に確認しておきたい3つのポイント

公開日2022/01/24 更新日2022/01/25

多くの企業は1月頃から人員計画策定に向けて動き始めます。異動や採用の方針を決定づける人員計画は、今後の事業活動に大きく影響する重要な経営計画の1つです。

次年度の人員計画策定に際して、人員計画の目的と策定時のポイントをまとめました。人事・経営企画担当の方は、ぜひ参考にしてください。

なぜ人員計画を策定する必要があるのか

はじめに、人員計画を策定する目的から確認していきます。近年多くの企業が抱える人材戦略の課題を踏まえつつ、人材計画の重要性についてあらためて考えてみましょう。

人員計画を策定する目的とメリット

経営資源の3本柱である「ヒト・モノ・カネ」のうち、「ヒト」を担うのが人員計画です。「人員配置」「人材採用」「能力開発」の観点から、中長期の経営計画を踏まえて戦略を立てる必要があります。

下図は、企業における人手不足感の推移を示しています。2013年以降、全産業で人手不足が続いており、人材確保が困難な状況にあることは明白です。

<企業における人手不足感の推移>

(厚生労働省「雇用を取り巻く環境と諸課題について」平成30年4月 より)

・2017年時点での人手不足超の状態は、製造業で−23%、非製造業で−36%

・全産業で見た場合、不足超の状況が20期続いている

こうした状況下においては、人材不足を採用のみで補うのは現実的ではありません。既存の人材をいかに効果的に活用していくかが重要な課題となるのです。

著しく人手不足の部門がないか、余剰人員が生じていないかをあらためてチェックし、最適な人員配置を再考するのが人員計画の大きな目的といえます。

また、人員計画を立てることによって必要な人員が明確になり、人材採用に向けた目標がより具体的になります。経営計画と連動した採用計画を立案しやすくなり、中長期の採用戦略に対する見通しを立てられるメリットがあるのです。

要員計画との違い

人員計画と要員計画はしばしば混同されます。要員計画では「事業遂行に必要な人員を見積もる」のに対して、人員計画では「部門ごとに必要な人材と配置」に踏み込んで策定する点が大きな違いです。

【要員の算出方法】

1.業務量から要員を求める方法(ボトムアップ方式)

    必要人員=総業務量÷(1人あたり標準業務量×所定労働時間)

2.人件費から要員を求める方法(トップダウン方式)

  必要人員=(目標売上高×適正人件費率)÷1人あたり人件費

上記の方法で要員を見積もっておくことは重要です。しかし、具体的な配属先が考慮されていないと現場レベルで不足・余剰が生じる原因となります。

また、人員計画は中長期の経営計画と連動して立案していく視点が欠かせません。下表は中規模・小規模企業における従業員の年齢構成を調査した結果です。多くの企業が若手だけでなく中堅の人材不足に直面している実態が浮かび上がっています。

<従業員の年齢構成>

(中小企業庁「平成28年度 中小企業・小規模事業者の人材確保・定着等に関する調査作業報告書」より)

・「各世代が均等」と回答した企業は13.2%に留まっている

・ベテランが40.7%を占め、若手・中堅層の不足が顕著に表れている

人員計画を立てる際には、「若手社員を育てる」「中堅社員を増強する」といった方針を盛り込んでおく必要があるでしょう。このように、要員計画をより現場の実態に即したものへとブラッシュアップするために、人員計画策定が必要とされているのです。

人員計画策定時の3つのポイント

人員計画を策定するにあたり、具体的にどのような点に注意すればよいのでしょうか。人員計画を立てる際のポイントを3点挙げますので、事前にチェックした上で策定を進めましょう。

●現状の課題を把握する

人員計画を策定する前に、現状を把握しておくことが重要です。どの部門に何名が配置されているのか、詳細に把握する必要があります。

また、部門ごとに本来必要な人員を満たしているか、役職や勤続年数に偏りがないかを客観的に検証しておくことも大切です。一般社員に対して役職者が多すぎないか、勤続年数が長い社員に偏っていないか、といった点をチェックしていきます。

具体的には、次のチェックリストに従って現状抱えている課題の把握を進めるとよいでしょう。

□ 部門別に何名の従業員が配置されているか

□ 各従業員の勤続年数・役職はどうであるか

□ 本来必要な人員が確保されているか

□ 役職・勤続年数に偏りはないか

□ 業務が特定の従業員に集中していないか

●各部門の責任者にヒアリングを実施する

人事・経営企画の担当者から見た各部門の課題と、現場の責任者が感じている課題は必ずしも一致しているとは限りません。人員計画を策定する際には各部門の責任者にヒアリングを実施し、実態に即した計画にすることが重要です。

ただし、現場から「可能な限り増員してもらいたい」といった要望が出されるケースも想定できます。事前に人材採用の予算や採用予定人数の目処を立て、経営層に予算の承認を得ておくとよいでしょう。各部門の責任者に対して、現実的な人員確保の目安を伝えやすくなるからです。

人員不足が顕著な部門に対しては、人材採用だけでなく他部署からの異動も含めて総合的に検討することを誠実に説明しましょう。

●組織図で人員計画の全体像を把握する

各部門へのヒアリング結果を踏まえ、人員計画を組織図に落とし込んでいきます。現状の課題をできるだけ解消しつつ、各部門から挙がった要望を実現するにはどのように人員を配置するべきか、組織全体を俯瞰しながら人員計画を策定していくことが大切です。

組織図を作成する際には今後の経営計画も加味し、とくに増員が必要な部門の優先順位をつけておきましょう。また、従業員の休職や離職が一定数発生するものとして人員計画に織り込んでおく必要があります。

あらゆる課題に対応し、現場の要望を吸収できるのが理想です。しかし、現実的には重要な経営課題を優先して人員計画に反映していくことになるはずです。組織全体のバランスを確認する上でも、組織図を作成することは重要な意味を持っています。

まとめ

人員計画を策定する目的と、策定のポイントについて確認してきました。多くの企業にとって、人材の採用はかつてないほど厳しい局面を迎えています。だからこそ、計画的な人員配置の重要性が増しているのです。

今回の記事を参考に、人員計画の策定に向けて準備を進めてください。戦略的な人員計画は、経営計画の実現に大きく寄与するはずです。

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