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2018年、政府はモデル就業規則を改定し、副業や兼業を促進する方向へと舵を切りました。改定によって企業は正当な理由なく、社員に対して副業を禁止できなくなったのです。
さらに2020年の改定では、企業も働く方も安心して副業や兼業を行えるように、ルールを明確化しました。そして2022年には、副業や兼業を希望する労働者が、適切な職業選択を通じて多様なキャリア形成を計っていくことを促進する内容へと改定しています。
このような政府の後押しと、テレワークや移住ワークなど多様化する働き方の影響が相まって、副業・兼業をする人は2018年からの4年間で約2倍に増えました。
今回は、調査機関「Job総研」が行った「2023年副業・兼業の実態調査*」をもとに副業・兼業の実態について解説していきます。
*調査概要
調査方法:インターネット
調査対象:全国の男女 20~50代・1年以内~10年以上勤務している社会人
20~1,000人以上規模の会社に所属
調査機関:2023年2月15日~2023年2月21日
有効回答数:336人
目次【本記事の内容】
今回の調査で対象になった社会人の男女336人中、22.6%の76人が現在副業をしていると回答しました。年代別で見てみると、もっとも多かった年代は40代で31.7%、一方でもっとも少なかったのは20代で14.6%に留まっています。
さらに副業をしていると回答した76人に、2018年から2022年で副業をしていた年について聞きました。2018年では35.5%でした。そこから右肩上がりで増え続けて、2022年には72.4%と2倍以上の人が副業を始めています。
この回答結果から見えてくるように、今後の副業人口も引き続き増えることが考えられます。
現在副業をしていない人に今後の副業予定を聞いたところ、「始めたいと思う」「どちらかといえば始めたいと思う」と答えた人は全体の8割以上を占めていました。
さらに「今年(2023年)中に始めたいと思うか? 」の問いに対しては、全体の6割が「思う」もしくは「どちらかといえば思う」と回答しています。一方で「副業を始めようと思っていない」(「どちらかといえば思わない」を含む)は30%以上です。なぜ、これほど副業が一般的になってきても「始めようと思わない」のでしょうか?
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「副業をしない」と答えた人の中でもっとも多かったのは「会社から禁止されている」という理由でした。2番目には「本業が忙しい」、ついで「同時進行する自信がない」という回答結果となっています。
つまり「副業をしない・していない」の回答結果の中には、環境が原因となり、副業をしたくても一定数の出来ない人がいるということです。実際、今回の調査の自由回答欄には「企業が解禁したら副業をしてみたい」「副業が当たり前になるような社会になってほしい」というコメントが上がっていました。
副業を始めたきっかけの問いに対して、76人の副業ワーカーのうち43.4%が「テレワークで始めやすくなったから」と回答しています。コロナが流行し、テレワークという働き方が主流になりました。通勤時間にかけていた時間が浮いたことやフレックスな働き方は、副業を始めるよいきっかけになったようです。
次に多かった理由は36.8%で「法改正」でした。実は副業をしていると答えたほぼ半数が、コロナ前から副業をしています。つまり働き方改革の一環であるモデル就業規則の改定は、副業ワーカーを増やすのに大きな一躍を担ったというわけです。
ちなみに「老後の資金不安」や「生活資金の足し」も多くの人が理由として上げています。金銭的な不安も副業を始めるきっかけになっているのです。
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副業で得ている年収は、平均で20万円、中央値で128.6万円です。副業に費やす労働時間は1週間で平均8.7時間、中央値5時間という結果でした。
副業収入は1か月に換算すると数万円から10万円ほどです。本業に支障のない範囲で、日々の生活費の足しになる収入や老後の資金を得ている人が多いようです。
物価は上がり続けていますが、主要な先進国の中で唯一、日本の給料は上がるどころか下がっているのです。 正社員としてどこかの企業に籍を置きつつ、フリーランスや別会社で副収入を得るという働き方は珍しくはなくなってきています。
2018年の副業解禁、そして2020年と2022年のガイドラインの改定から分かるように、政府の副業へ対する後押しは徐々に強みを増しています。「副業が当たり前」の時代はそう遠くない将来かもしれません。
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■参考サイト
株式会社ライボ|2023年 副業・兼業の実態調査を実施しました
厚生労働省|副業・兼業
厚生労働省|副業・兼業の促進に関するガイドライン
全労連|実質賃金指数の推移の国際比較
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