公開日 /-create_datetime-/
現代は、目まぐるしく環境が変化する「激動の時代」となっています。今日正しいとされてきたことが、明日もまた正しいとは限りません。それは人事など企業の戦略についても同様です。
今回は、新時代の人事戦略の鍵を握る、「グロース人事」について考えてみましょう。
グロース人事とは、企業が「自社の成長の側面」に着目しつつ、人事戦略を展開することです。具体的には、組織の戦略目標を達成するために必要な人材を確保・育成・活用することで、ビジネスの成長を促していきます。
グロース人事は、従来の人事戦略とは異なり、採用や評価など「管理的な側面」を担当するだけではありません。ビジネス成長に直結する人材の戦略的な配置や育成など、「攻めの人事」に注力します。
上記の特徴からも分かるように、グロース人事を推し進めるためには、ビジネス戦略と人事戦略の両方に深い理解を持つことが求められます。
グロース人事においてまず取り組みたいのは、以下の6つに関する施策です。
・ダイバーシティ
・リーダーシップ
・組織文化
・生産性
・スキルと能力
・後継者計画
グロース人事を進めるためには、「現状把握」が欠かせません。上記6つの項目について、なるべく定量的に評価できるような仕組みを導入しましょう。
例えばリーダーシップは、「管理職がどれだけ信用されているか」を表す指標です。社内アンケートを実施し、上司に対する満足度を5段階評価などで数値化すれば、分かりやすい指標になります。
もちろん上司・部下という関係があるため、正直に回答しづらい人も多いでしょう。ある程度信頼できる数値にするために、「匿名での調査を実施する」「アンケート結果は上司に公開しない」といった配慮も、場合によっては必要です。
先述の6つの指標を定期的に可視化することで、従業員・人事部門・経営者のそれぞれは、以下のような効果を得られます。
・従業員:自分のキャリア形成の進捗を確認するために活用できる
・人事部門:人事戦略の効果を確認するために活用できる
・経営者:株主などのステークホルダーに対して、人的資本に関する情報を開示できる
昨今では、働き方の多様化やESG投資の浸透といった背景もあり、人的資本経営が求められています。人的資本経営とは、従業員の能力やスキルを「資本」とみなし、企業価値の向上につなげる経営方法です。
令和5年1月31日には、内閣府令の施行によって、「有価使用権報告書における人的資本開示」の義務化が決定しました。こうした流れもあり、グロース人事が注目されています。
グロース人事の目的は、人的資本の最大化です。人的資本とは、個人の能力やスキルなど、人として持っているあらゆる要素を指します。
人的資本は、従業員だけが持つ個人的なものではなく、企業における従業員同士のつながりや組織全体の資本としても考えられます。
企業は、従業員が持つ人的資本を最大限に活用することで、組織全体の生産性や価値向上につなげられるでしょう。
グロース人事は、従来とはまったく異なる、「攻めの人事戦略」といえます。企業の成長を促すためには、従業員を「資本」と考え、いかにその価値を高めていけるかが重要です。従業員、人事、経営者の誰もが、一度は考えてみるべきテーマでしょう。
■併せて読みたい関連ニュース
「日本の人事部 人事白書2022」から見えてきた戦略人事の難しさ
ジョブ型 / ハイブリッド型人事戦略を実現する-タレントマネジメント活用法はこれだ
「人的資本経営」の実現に向けて「戦略人事」採用が活発化
三菱総研DCSが取り組む「ダイバーシティー経営」への第一歩
失敗しない請求書受領システム選び方ガイド【2024年1月最新版】
土地建物売買契約書の見直し方法と5つのチェックポイント
人事異動・新入社員のエリア配属をラクにする住居手配を効率化するヒント
社員寮・借り上げ社宅の管理業務を削減するには
開催直前企画!「Manegy ランスタWEEK for 経理&法務」の全てをご紹介!
副業制度がある会社は約3割で前回調査より増加傾向。一方、副業人材を活用している企業は1割未満
25卒生の“企業選びの軸”は? 4割超が「DXの取り組み」を重視、“テレワークの採用”がポイントか
ランスタ開催直前告知!成長企業の経理担当者なら押さえておきたいウェビナーは…?
【管理部門・士業の実態調査】2024年度の給与アップと人事評価の実態とは?
業務委託契約書の書き方のポイントは?知っておくべき基礎知識
雇用契約書の記載事項を知りたい方必見!必須事項や注意点を解説
はじめての人事給与BPO(アウトソーシング)活用ガイド
株式会社I-ne導入事例~月間の受注データ件数は20万件以上!『 Victory-ONE【決済管理】』の導入で 業務効率化と属人化の解消を実現~
eNPSの大幅向上を実現。メンタルヘルス対策の道のり-Smart相談室導入事例-
社内不正被害、人材の流動性が高い4月から6月は要注意 被害の6割近くは「情報持ち出し」
学生の就職観は「楽しく働きたい」「ノルマがきついのは嫌!」~企業が採用活動をするときのポイント~
【2024年度の賃金動向】企業の約6割が“賃上げ見込み”過去最高記録を更新へ。半数超が「ベースアップ」を実施予定
経費精算システムで経理業務を劇的効率化! おすすめサービスも厳選紹介
労働者との間で増加するトラブル、不当労働行為を回避する企業の心得
公開日 /-create_datetime-/