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SDGsの目標15.陸の豊かさも守ろう

公開日2019/09/08 更新日2019/09/11
SDGsの目標15.陸の豊かさも守ろう

「陸の豊かさも守ろう」は、17あるSDGs(持続可能な開発目標)の15番目の目標です。現在、世界的に森林が減少し、土地が劣化して、食料を生み出す耕作地も失われつつあります。人類が持続的に発展していくためには、陸上の自然とその生態系の損失を軽減することが喫緊の課題であるといえるでしょう。

今回は、SDGsの「陸の豊かさも守ろう」とはどのような目標なのか、この目標が設定された要因や企業の取り組み事例などを紹介します。

SDGsの「陸の豊かさも守ろう」とは

SDGsにおける「陸の豊かさも守ろう」は、森林や湿地帯、乾燥地、あるいは日本の里山のような山地における陸上生態系を保護し、2020年までにその回復を目指すという目標です。陸上の土地は、人間を含む多くの生物種にきれいな空気と水を供給し、人間に対しては農業等を通して食物の約80%を提供しています。そのため、陸の環境が破壊され、地球全体の土地が劣化していくと、生態系の多様性が失われるのはもちろん、農業を通じた経済活動を行うことも困難になるわけです。

特に、森林の喪失と絶滅危惧種の増加は、世界的に問題視されています。都市の拡大による環境破壊・耕作地の喪失は日本でも進んでおり、日本人にとっても決して他人事ではありません。

世界的に進む森林、耕作地の減少を防ぐ

国際食糧農業機関(FAO)が公表した『2010年世界森林資源評価』によると、世界で人間による土地の転用や自然要因によって喪失されている森林は、2010年までの10年間では年間で約1,300万haに上ります。1990年代の頃は巨大な森林を保有するインドネシアで急速な森林消失が進んでいましたが、政府が本格的に対策に乗り出して植林・再生を進めたこともあって、2000年以降では森林の消失率は減少しました。それでもアフリカ、南米、南アジアを中心として森林面積の減少は依然として続いており、人の手が入っていない原生林は、2000年以降に4,000万ha以上減少しています。

また、陸上の自然だけでなく、都市化の進展により人間の耕作地も失われているのが現状です。例えば日本の場合、宅地開発などの影響で、畑や田んぼがコンクリートで固められていくという事態が全国的に生じています。これによりそれまで田畑に住んでいた多種多様な生物が住む場所を追いやられ数を減らしているのです。さらに、かつては日本の山間部等では里山が形成され、人と自然が共生する形で生態系が維持されていました。しかし現在では、過疎化と高齢化が進んで里山を管理する人がいなくなり、土地が荒れ放題となっていくケースが多いです。SDGsでは陸の生態系の保護、再生と持続可能な形での利用、森林の管理による砂漠化の防止、土地の劣化を止めて再生を図ることなど、陸の豊かさを確保するための具体的な方策がターゲットとして示されています。

野生生物の生態系を守る

国際自然保護連合(IUCN)は絶滅の恐れが高いとされる生物種を「レッドリスト」として公表していますが、2018年11月の時点でレッドリストに登録されている生物種数は2万6,840種です。現在、地球上に存在すると認識されている生物の全種数は175万種で、哺乳類はおよそ5,500種、鳥類はおよそ1万種だといわれています。そのうち、哺乳類については1,219種、鳥類は1,492種がレッドリストに掲載されています。類全体の1~2割が絶滅の危機に瀕しているわけです。

環境省によると、日本には約9万種以上の生物が生息し、そのうち3,676種が絶滅の危機に瀕しています。一度絶滅してしまうと、再び地球上に現れることはないので、自然が破壊されて住む場所を無くした生物を保護していくことは、破壊を促した人間の責務であるといえるでしょう。SDGsでは、2020年までに絶滅危惧種の保護と絶滅防止に向けた対策を講じること、山地生態系の保全を行うこと、保護の対象となる動植物の密漁・違法取引を撲滅するための対策を講じること等が取り組むべき内容として示されています。

企業の取り組み事例

SDGsでは政府だけでなく企業や市民社会が果たす役割も重視されています。そのため、CSR活動としてSDGsの「陸の豊かさも守ろう」の理念に沿う活動をしている日本企業は多いです。

例えば事務用品・設備を販売する株式会社イトーキでは、インドネシアにある資源泥炭森林の保全・回復活動に従事しています。同地域には、地球全体のオランウータン、ミューラーテナガザル、テングザルの約5%が生息しているといわれ、同社の取り組みその保全に大きく貢献しているといえるでしょう。

また、飲料メーカーのUCC上島珈琲株式会社は、JICA(国際協力機構)が行っているエチオピアでの「ベレテ・ゲラ・フォレスト森林保全プロジェクト」に参加しています。エチオピアでは現金収入のために森林伐採が進んでいましたが、現地民の経済的な豊かさと自然環境の保護を同時に解決するために導入されたのが「コーヒーの栽培」です。森林で収穫できるコーヒー豆を高品質のコーヒーとして販売すれば、森林を伐採しなくても現地住民は収入を得られます。このベレテ・ゲラ産のコーヒーは東海道新幹線でのワゴン販売のコーヒーにも採用され話題を呼びました。

まとめ

世界的に森林が消失し、絶滅危惧種が増えている現在、SDGsの目標として「陸の豊かさも守ろう」が盛り込まれるのは必然ともいえます。陸地の劣化を防ぎ、陸の生態系を守り、再生していくことは、将来的に人類が持続可能な開発を行っていく上で不可欠です。多くの日本企業が「陸の豊かさを守ろう」というSDGsの目標に歩調を合わせ、社会貢献活動の一環として独自の活動を行うことが、今後さらに望まれます。

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