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経営者の高齢化などによる休廃業・解散する企業が増加し、事業承継が大きな課題となっています。しかし、日本政策金融公庫が実施した「経営者の引退と廃業に関するアンケート」によると、「どのように事業をやめればよいか分からなかった」という経営者が多かったことが明らかになりました。
「経営者の引退と廃業に関するアンケート」は、事前調査で廃業の理由を「経営者の事情」と回答し、廃業時に45歳以上だった元経営者669人を対象に、廃業にあたって、どのように対処したかを調べたものです。
廃業するとなると、経営者が真っ先に取り組むべき課題は従業員への対応です。「事業をやめることを早い段階で従業員に伝えた」が25.7%で、「計画的に事業規模を縮小し徐々に従業員を減らした」が15.9%、「退職金を可能な限り支払うようにした」は9.7%でした。
また、「従業員の再就職先の斡旋」に取り組んだ経営者は8.2%で、「新規採用の抑制」が5.0%となっています。
廃業時に困った点で最も多かったのは、「どのように事業をやめればよいか分からなかった」が7.0%で、「誰に相談してよいか分からなかった」が5.4%、「必要な手続きを依頼できる専門家を見つけるのが難しかった」は2.8%という結果でした。
廃業に際しての相談相手となる専門家には、公認会計士や税理士などが挙げられますが、こうした外部機関や専門家に相談したのは、わずか13.6%しかありませんでした。
東京商工リサーチの調査によると、2019年に全国で休廃業・解散したのは43,348件です。企業倒産(8,383件)を含めると合計51,731件となり、全企業358万9,000社の1.4%が、2019年に市場から撤退・消滅したことになります。
休廃業・解散の傾向は地方の中小企業に多くみられ、地域の雇用や長年培ってきた技術が失われるなど、地域経済にも深刻な影響を与えることになります。
ところが、休廃業企業の直前期の損益は、約6割が黒字となっています。つまり、公認会計士や税理士などの専門家に相談していれば、第三者による事業承継などにより、事業継続の可能性もあったかもしれません。
休廃業・解散した企業の代表者の年齢を見ていくと約4割が70代で、60代以上が8割となっています。構成比では83.5%を超えていますから、代表者の高齢化が休廃業・解散の大きな要因になっているといえるでしょう。
日本の産業界は、人手不足も深刻ですが、後継者不足も深刻です。中小企業庁は、2019年12月に、「第三者承継支援総合パッケージ」を公表し、2025年までに黒字廃業の可能性がある約60万者の第三者承継を促す目標を掲げています。
事業承継税制や補助金など承継支援策などを上手に活用すれば、親族以外への承継もスムーズに運ぶことでしょう。
せっかく築き上げた事業を、後継者が見当たらないからといって休廃業に踏み切るのではなく、専門家である公認会計士や税理士に相談することで、事業の承継者がみつかるかもしれません。
事業は順調だが、引退・休廃業が視野に入る年代になり、後継者がみつかっていない経営者は、まずは専門家とよく相談してみてはいかがでしょうか。
第三者による事業承継が実現すれば、従業員にとっても大きな安心材料です。経営者が変わってもそのまま会社に残るか、それとも新しい道を選ぶかなど、従業員の選択肢も広がることになるでしょう。
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