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新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、大学をはじめ、小中学校でも「オンライン授業」の導入が推奨されています。ところが、その前に立ちはだかったのが、“著作権”の問題です。
著作権とは、作者の思想や感情を創作的に表現した著作物を保護するための権利で、著作権法によって守られています。
つまり、著作物を利用する場合は、著作者の許諾が必要となります。しかし、著作権法を原則通りに適用することで、文化の発展に悪影響があると思われるような場合については、著作権者に許諾を得ることなく著作物を利用できるとも定めています。
たとえば、引用や私的利用目的などですが、改正著作権法(2018年5月公布)により、補償金を支払うことを条件に、オンライン授業で著作物を教材として使うことができる「授業目的公衆送信補償金制度」が新設されました。
ところが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、オンライン授業のニーズが高まっているものの、この「授業目的公衆送信補償金制度」は、まだ施行されていないため、規制の緩和や制度の前倒しを求める声が高まりました。
文化庁は、オンライン授業で著作物を円滑に利用できるようにするため、施行期日を定める政令を閣議決定し、2020年4月28日から施行することとなり、2020年度の無償利用が認められることになります。
「授業目的公衆送信補償金制度」は、営利を目的としない教育機関で、一定額の補償金を支払うことで、授業目的で必要と認められる範囲の著作物を、公衆送信することができるという制度です。
つまり、スタジオ型の同時一方向の遠隔授業や、予習・復習のための著作物などの送信が対象となりますが、2020年度は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、特例で無償利用することができます。
教育現場では、著作物を授業の教材としてコピーし、生徒に配布するということは、教育における著作物の利用に関する権利制限規定によって認められていました。
しかし、オンライン授業が普及すると、教師が他人の著作物を用いて作成した予習・復習用の教材を生徒や学生にメールで一斉送信することや、授業に用いるサイトに著作物のコピーをアップロードするなど、教材の「公衆送信」も行われるようになるでしょう。
そうなると、これまでの著作権法では、個別に著作権者の許諾が必要でした。それが、「授業目的公衆送信補償金制度」の施行により、個別の許諾を要することなく、一定の補償金を支払うことで著作物を利用できるようにしたのが、この制度です。
法務担当者なら、「授業目的公衆送信補償金制度」のことはご存知でしょうが、著作権は知的財産権の一つでもありますから、法務担当者以外のビジネスパーソンも、この程度のことは押さえておくとよいでしょう。
著作権の問題は、ビジネスシーンでも度々、立ちはだかることがあります。経済がグローバル化する中で、知的財産権についての知識が、ビジネスパーソンにも強く求められる時代です。ところが、巷には、著作権法的にはグレーゾーンの同人誌を中心とするコミケ文化もあります。
この、授業目的公衆送信補償金制度の対象となる教育機関は、原則“非営利”ですが、株式会社による学校経営が可能になったことから、学校運営の株式会社にも適用となります。ただし、予備校、塾、カルチャースクールは、制度の対象に含まれないことも押さえておきましょう。
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