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諸外国から“まるで鎖国”と酷評されるほど厳しい、新型コロナの水際対策をとってきた日本ですが、3月から緩和されることになりそうです。政府は、コロナからの出口戦略として水際対策の緩和に踏み切る方針のようですが、感染再拡大となる可能性もあります。ここで、日本の水際対策を振り返ってみましょう。
2月17日の記者会見で、岸田総理が「3月1日以降の水際対策の見直し」について発表しました。見直しのポイントは、外国人の入国者数の上限を1日3,500人から5,000人に緩和する方針を示したことです。
もちろん、入国するためには検査陰性証明書の提示や、入国時の検査、そして入国後に健康観察期間として自宅待機(原則7日間)が求められます。しかし、3日目以降の検査で陰性の結果が出れば、その時点で健康観察期間は終了となるのです。
つまり、帰国・入国者の待機期間が3日間に短縮され、ワクチン3回接種済みであれば、待機期間が免除となるなど、政府はこれまでの厳しい水際対策を大幅に緩和する方向で調整しています。
しかし、これでもまだまだ“厳しすぎる”という声が、諸外国をはじめ、経済界からも上がっているのです。
もちろん、感染防止対策とはいえ、いつまでも外国からの入国制限を続けているわけにはいきません。コロナで被った経済的な打撃から抜け出すためにも、水際対策の緩和は重要です。ただ、それは、新型コロナの感染拡大の収束が見通せる状況にあるかどうかがポイントです。
日本の感染状況は、2月になってから減少傾向を示していますが、このところ減少のスピードは鈍化しています。また、昨年も卒業式や春休みなど人が多く集まる機会が増えたことで、感染が再拡大したこともあり、水際対策緩和を手放しで喜ぶわけにはいかないのも現実です。
しかも、日本国内ではワクチンの3回目接種は、諸外国に比べると遅々として進まず、2月末の時点で接種率は16.5%(2月24日時点)で2割に届いていない状況です。
加えて、オミクロン株の一種「BA.2」の市中感染も確認され、厚生労働省にコロナ対策を助言する専門家組織「アドバイザリーボード」も、感染再拡大となる可能性があると指摘しています。
ところで、日本での最初の水際対策は、2020年1月末に中国・湖北省からの渡航者の入国拒否で、同じ年の3月には中国全土、さらにヨーロッパ各国にも入国拒否地域として指定しています。
6月には入国拒否地域は世界のほとんどの国に拡大しました。しかし、7月に入って感染者数が減少に転じたことで、感染状況が落ち着いている国を対象に徐々に緩和する方向となりました。
この緩和の背景には、東京オリンピック・パラリンピック開催も影響していたと想像できます。しかし、2020年12月から、日本は第3波の感染急拡大となり、ビジネス関係者の往来を再び中止するという厳しい水際対策をとらざるをえなくなりました。
そして現在は、オミクロン株による第6波に見舞われています。その感染状況は「2月中旬にピークを越えた」という判断から、3月からの水際対策緩和に踏み出すことになったわけです。しかし、はたしてその判断が正しいのかどうかは、今後の感染状況次第ということになりそうです。
感染状況が「2月中旬にピークを越えた」という判断ですが、たしかに数字の上では新規感染者数は減少傾向を示しています。しかし、あまりにも感染者数が増えたために検査が追い付かないという状況だったことを考えれば、発表される感染者数が実態を表しているかどうかには疑問も残ります。それにしてもコロナ発生から3年目、いつになったら普通の生活ができるようになるのでしょうか。
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