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電力需給のバランスが崩れると、日常生活はもちろん、産業活動にも大きな影響を及ぼすことになります。そこで、経済産業省は、今冬、7年ぶりに節電要請を検討していますが、無理なく節電するためには、どのような方法があるでしょうか。
1年のうちで電力消費量が増加するのは、冷房が必要となる夏場と暖房が欠かせない冬場です。夏に停電が発生すれば熱中症、冬は低体温症や凍死のリスクも高くなります。
電力を安定的に供給できなくなれば、産業活動に支障をきたすだけでなく、国民の命にかかわります。そのため、1年を通して必要な電力量を安定的に確保しておかなければなりません。
懸念されるのが、今年の冬の電力の需給バランスです。経済産業省は「今年の冬の安定供給に必要な電力を確保できる見通しになった」ことを明らかにしました。しかし、電力需給は依然として厳しいとの見通しから、夏に続き、冬も節電要請を検討するとしています。
電力が安定供給できるかどうかは、余力を示す予備率が3%以上とされています。6月の時点では、1月の予備率が北海道と沖縄を除く八つのエリアで3%を下回るという予測でした。
しかし、休止中の火力発電所の再稼働や、3月に発生した地震の影響で停止していた火力発電所を稼働する目途が立ったことなどで、東京・東北エリアの1月の予備率が4.1%まで上がり、全国で予備率3%以上を確保できる見通しとなったようです。
とはいえ、余力はギリギリですから、電力の安定供給は「依然として厳しい」という判断で、もし今年の冬に節電要請が出されることになれば、7年ぶりとなります。
経産省が検討している節電要請は「無理のない範囲での節電」ですが、企業にとっても節電対策は、コスト削減に直結する大きな経営課題の一つです。
企業として節電につながる省エネ対策となれば、経営判断ということになりますが、管理部門が主体となってできる節電対策もあります。たとえば、オフィスや工場施設などの照明設備をLEDに変えるだけでも、節電につなげられます。
エアコンの温度設定の見直しや、定期的にエアコンクリーニングを行うことでも、電気の使用量を抑えられますので、使っていない部屋の照明やエアコンのスイッチを切るなど、身近なところから見直すことも大切です。一つひとつの節電効果は微々たるものですが、塵も積もれば山となるものです。
また、コロナ禍で導入が進んだリモートワークや、働き方改革による残業削減なども、節電につながるはずです。
深夜まで残業する場合、当然、オフィスの照明は点けられていますが、残業が少なくなれば照明を点灯する必要がありません。また、休日出勤をできるだけなくすことも、無駄な電力を節約できます。
しかも、リモートワークの導入や労働時間の削減は、業務効率のアップも期待できますから、節電効果よりもはるかに大きな企業のプラスになる可能性があります。
今冬に節電要請が出されるかどうかは、まだ確定していませんが、電力の安定供給が厳しいとされる今こそ、管理部門が節電対策の中心となって進めてみてはいかがでしょうか。
家庭でもできる節電対策の一つに、照明のLEDへの交換が挙げられており、LED照明の電気代は蛍光灯の約2分の1、白熱電球の約6分の1とされています。電気代も上がり続けていますから、できることから取り組んでみましょう。
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