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SDGs(エスディージーズ)とは、2015年9月に国連サミットで採択された、持続可能な世界を目指す国際目標です。17の目標と169のターゲットが設定され、世界中で積極的に取り組みが行われています。その中で、10番目の目標として『人や国の不平等をなくそう』ということが掲げられています。
この動きは日本国内にも及んでおり、一般企業に対しても取り組みに参画する姿勢が求められます。不平等をなくすために、企業には何ができるのでしょうか。
世界的な格差や差別と言われると、自分とは関わりのない問題に感じる方もいるかもしれません。しかし、不平等は世界中の全ての人に関わりのある問題であり、SDGsは各国が取り組んでいる国際目標です。日本国内でも、政府のみならず一般企業にも積極的な取り組みが求められています。
企業ができる努力として、例えば女性や障害者に対する均等な採用と昇進、賃金面での平等な取り扱いがあげられます。事業面においては、マイノリティや女性が経営する企業を優先的にビジネスパートナーとすることも、目標の実現に貢献しています。途上国を支援する団体に寄付金を送付することも、取り組みの一環といえます。
負担にならない程度でできる取り組みを探し、小さな部分から参画していきましょう。
経済格差を根絶するために企業にできる努力として、まず国内の所得格差に対する取り組みがあげられます。昨今では、契約社員やパートなどの非正規社員を雇う企業が増え、今や非正規雇用が全体を占める割合は4割弱に達しています。非正規社員は正規雇用の社員と比べて、賃金も安く雇用も不安定で、格差を生み出す要因になり得ます。
しかし、人件費削減のために非正規社員を手放せない企業の多いことも現状です。そうした場合にでも、雇用形態によらず同じ価値ある仕事に対しては同じ対価を支払う「均等待遇」を推進することで、所得の二極化を防止することにつながります。
また、日本は、先進国の中でも最低賃金が低いといわれていますので、最低賃金の底上げも必要でしょう。
世界的な経済格差についても、できることがあります。国内の複数の企業が、途上国支援を目的として「エコキャップ回収運動」に参加しています。
この取り組みは、飲料用ペットボトルのキャップを回収し、リサイクル資源として売った際の売却利益が、途上国の支援活動をしている国際団体に寄付されるものです。寄付金は、ポリオワクチンや栄養給食、文房具など、さまざまな形で途上国の子どもの支援に利用されます。途上国への支援事業に参画したり、支援金を送ったりすることも、企業にできる取り組みのひとつです。
女性に対する不当な扱いを是正することも、企業の責務といえます。
日本の女性の雇用状況を見てみると、女性の就業率は増加傾向にあるものの、女性管理職の割合は、先進国と比べると依然として低い数値を維持しています。また、非正規雇用に就いている女性就業者の割合が、男性に比べてとても高いことも指摘されています。
女性は、出産・育児による離職後に非正規雇用になることが多く、不本意ながら非正規雇用で働かざるを得ない女性が少なくありません。優秀な女性が能力を発揮できないでいることは、マンパワーが不足する現代において大きな損失です。家事や育児、介護との両立が女性のみに求められる状況を是正し、男女均等な雇用の実現が急務とされています。
第一生命グループでは、社員の多くを占める女性の活躍を推進するため、「意識・風土改革」「能力開発の充実」「ワーク・ライフ・バランスの推進」を3本柱として取り組んでいます。特に、次世代の女性リーダーの育成に力を入れており、役員や上位職に就く女性のロールモデル提供など、女性管理候補者の意識改革を行っています。この結果、2018年4月時点での管理職以上に就く女性の比率は、25.2%となったそうです。
多様な働き方が選択できるよう職場環境を整えるだけでなく、社員の意識改革をはかることも、企業が努力すべき項目といえます。
日本では、2016年に障害者差別解消法が施行されています。この法律は、障害のある人に対する社会のバリアを取り除くために、負担が重すぎない範囲で事業者に努力義務を求めるものです。
具体的な取り組みとしては、相談体制の整備や従業員に対する研修・啓発の実施などがあげられます。また、障害者雇用についても、障害者雇用促進法が施行されています。採用機会の不均等や待遇面の不当な取り扱いを是正し、法定雇用など障害者が企業で働くにあたって支障となる部分を改善する措置が、義務付けられています。
SDGsで掲げられる目標の達成には、社会に参画する一人ひとりの意識改革と努力が必要不可欠です。不平等をなくすために最も必要なことは、「身の回りの不平等に目を向け、自分の事としてとらえること」であるといえます。
不平等は、全ての人の身の回りに存在しています。政府や大企業のみに取り組みを任せるのではなく、自社でできる取り組みは何なのか、考えてみてはいかがでしょうか。
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