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日本企業は海外の企業からみて、会議が長いといわれることが多いようです。会議室にこもっている割には、結局何も決まらなかったということが、大企業でさえ頻繁におこっています。むしろ、役員・役職が多い大企業だから、よけいに決まらないのかもしれません。
一体、どうしたら会議を短く、効率良くすることができるのでしょうか。
企業が大きくなればなるほど、打ち合わせや社内会議が頻繁になっている傾向にあります。数字で見ると、驚く結果が出ています。
・1,500人規模の企業…社内会議時間だけで年間9万2,000時間(約46人分の年間労働時間)、企業の損失額は年間約2億円
・1万人規模の企業…社内会議時間だけで年間約67万時間(約332人分の年間労働時間)、企業の損失額は年間約15億円
これだけの時間や損失額を取り戻さなければ、せっかくの会議も無駄になっているということです。
さまざまなロスを少なくする(効率的で実のある会議にする)ために、何ができるか、具体的に挙げていきます。
実は、会議の数日前からの準備も含め、無駄な会議になっているということも多いのです。事前準備の意味を考え、無駄のない準備をしたいものです。
会議のテーマを絞る
本当に会議で必要なテーマなのかを考えます。テーマはなるべく一つに絞ることとし、前回の会議でテーマが決まっているなら、それを取り上げるようにします。会議当日にテーマを決めるのは時間の無駄です。
参加者を絞る
テーマに集中した濃い議論をするためには、少数精鋭が良く、テーマにかかわる担当者や担当部署以外は、基本的に必要ありません。他部署への内容伝達は、後日の議事録連絡で十分だからです。
会議のテーマや情報を周知させる
会議のテーマが一部の者しかわかっていなければ、会議当日の説明がそこからになってしまいます。すぐ内容に入れるように、会議のテーマは参加者全員が知っておきたいものです。アイデア出しも促しておきます。
資料を簡潔にまとめる
見せ方の工夫は大事ですが、資料作りに時間をかけ過ぎ、残業となっては元も子もありません。会議は議論をする場であり、内容は最低限わかれば良いのです。
進行役を決める
進行役がいれば、時間の目安が立てやすく、常に開始や終了の時間を意識するようになります。
開始・終了時間を徹底する
時間の遅れ・延長をしないことを原則とし、時間厳守を実行します。ルーズな者は会議に参加させないよう徹底することで、時間に対する意識を高めます。
進行役が絶対の権限を持って進行する
進行役が遮られるようでは、スムーズに議論は進みません。進行役が持つ権限は絶対だと位置づけ、横やりが入らないようにします。
議題以外の話・行動・飲食は禁止
議論に集中させるため、私語、パソコンや携帯での他仕事や連絡、飲食を禁止します。できれば、プレゼンや議事録担当者以外のパソコン・携帯は一切持ち込み禁止とし、メモだけの持ち込みとしましょう。
発言のルールに則って進める
例えば、何分以内にまとめて発言するとか、挙手で指名されたら発言するとか、発言中は質問や話しかけを禁止するなどのルールを作り、ルールに則っての発言をしていきます。
決裁者がテーマの結論は必ず出す
最初から時間内に結論を出すという意識で取り組めば、議論の進行度合いが違います。最終的に判断できる決裁者が結論を出し、持ち越しはしないようにします。
無理矢理、全員発言にさせない
発言をする、しないはあくまで個人の勤労意欲であり、強制的にすると良い議論になりにくい可能性があります。ただし意見があるのに発言できないような雰囲気は良くないので、そのようにならないよう自由な議論ができる場としての雰囲気を定着させましょう。
支社や営業所からの意見・提案を求める
支社や営業所のあるような企業では、会議で毎回招集できないため、テレビ電話などのツールが有効です。いつも離れている分、見方の違う議論ができ、一気に議論が加速する可能性があります。
会議が無事終了しても、まだするべきことはたくさんあります。ここからが本題といっても良いほどです。
議事録の確認
議論された内容、結論の確認を各自でする必要があります。再度、議事録を見ることでミッションを自覚し、今から何をするべきかのモチベーションの確認をします。
会議で出た結論を実行に移すこと
個々が実行するミッションは、参加者全員に達成時期を宣言すること(有言実行)が大事です。なぜなら、もし、ミッション未達成になれば、結局、会議が無意味になってしまうからです。次回の会議のテーマ決めにも影響するでしょう。参加者全員でミッションを達成してこそ、前進した実感が得られるというものです。
会議前・会議中・会議後にするべきことを具体的に挙げましたが、逆にこれらをしていなかったために会議が長引き、無駄な時間を使っていたとわかったのではないでしょうか。個人の自覚や意識によるところが大きいこともわかったのではないでしょうか。
ビジネスにおいて、P(Plan計画)D(Do実行)C(Check評価)A(Action改善)は当り前のように使われますが、会議にもPDCAのサイクルは必要です。
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